ベトナム戦争、エイズの流行など、アメリカ社会に深刻なトラウマを残した出来事は、どのように記憶され表象されたのかー写真から身体にいたるまでの記憶のテクノロジーが、さまざまな文化的アリーナを横断して展開した、想起をめぐる複雑なポリティクスを精緻に分析する。
アフリカほど、生産や輸出の低迷、武力紛争と民主化、構造調整、貧困の深まりなど、今日の世界の直面しているほとんどの問題が凝縮して発生している地域はないだろう。2001年、アフリカ諸国は停滞を打ち破り、未来を切り開こうと「アフリカ開発のための新パートナーシップ」を採択し、大きく変わろうとしている。日本も、こうした動きに呼応して東京アフリカ開発会議を開催するなど、アフリカ支援を強めている。アフリカとのよりよい関係を築き上げていくためにも、今後いっそう理解を深めていく必要がある。本書では、植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介するとともに、今日のアフリカ経済を、製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察した。
アジア太平洋諸国における陽性者に対する偏見と差別は社会に根強く存在し、各方面より伝わってくる偏見・差別事例の数々には心を痛めます。しかし、このような過酷な状況においても、HIV陽性者は並外れた勇気と忍耐、生きることへの熱意を示してきました。彼らの生き方は、人間の精神が持ち得る回復力とそのように強い精神が究極の逆境にも勝るものであることとを示す、素晴らしい事例を提供するものであり、また、HIVにより何人も普通の生活をし、意義ある人生を送ることを阻止されないことを確実に実証するものです。本書はアジア・太平洋地域のこうしたHIV陽性者の勇気づけられるような実際の生活を書き示したものです。
お前は「デイマンとピシアス」の話を知っているか。お前は極限において信義のためにピシアスのように命の限り走り続けることが出来るのか!?崇高な理想と現実の間で懊悩する小市民的で誠実な男の生き方を描き、信義とは何かを現代に問う作品集。
つい最近、科学者たちは歴史上初めて、世界のさまざまな事象をネットワークの視点から論じる方法を手に入れた。単純とも言えるその根本を理解するだけで、自然科学はもとより、経済学、社会学などのあらゆる分野の難問に、重要なヒントが得られる。それも、たちどころに。いままさに科学に革命を起こしつつあるネットワーク科学の最前線を解説する。
エイズという病気に苦しみ、貧しさのために困難な生活環境でくらさなくてはならない子どもたち。日本の子どもたちの活動をとおして、こうして子どもたちを支援する方法を考える。
治療可能な70以上の疾患と、それに対応した自然療法への病態生理学及び発症原因に基づき考察。これまで近代医療は、重い疾患に対して威力を発揮し、貢献してきた。しかし、現代の自然療法では、これまで有効性の低かった疾患や、重症であっても人によっては大きな効果が期待できる症例が年々多く出てきている。
主たる二つの制御法、化学療法剤とワクチンに主に焦点を絞ってこれまでの研究の進展と今後解決すべき課題について、第一線の研究者が討論。