本書は、鎌倉時代の相論に対する鎌倉幕府の裁決状である関東裁許状330通・六波羅探題裁許状77通・鎮西探題裁許状226通合計633通を蒐集し、関東・六波羅・鎮西に類別し、編年順に収録したものである。本巻「関東裁許状篇」には、関東裁許状のほか、将軍家政所・侍所・問注所・雑人奉行等鎌倉幕府諸機関による裁許状等、及び北条氏執権の家領に対する裁許状をも併せ収録した。
鎌倉末期を得宗専制とする従来の評価に疑問を呈し、都市鎌倉における北条氏の存在形態、全国の北条氏所領、守護のあり方など、北条氏権力の展開を再検討。考古学との協業も進展させ、鎌倉政治史研究の現状打破をめざす。