生きる力が湧く、心にしみるー激動する時代を生き抜く糧となる賢人たちの肉声。
症状と徴候ー時間に追われる日々の診療のために。テイラー先生流鑑別診断のコツ、教えます。
環境問題・化学物質のリスク評価を切り拓いてきた著者が、外部被ばくの誤解をあばき、福島帰還への目標値を提言する。飯田泰之氏(経済学)との対談、丹羽太貫氏(放射線生物学)、半澤隆宏氏(福島県伊達市職員)へのインタビューを収録。
21世紀に顕著な姿を世界に露わにした国家主導資本主義。本書は、旧ソ連、中国、ドイツ、中東欧を対象としつつ、国家主導性がどのように制度構築・編成され、世界経済にどのように影響しているのかを経済システムの内部から明らかにし、国家が混迷する資本主義を救い出すことができるのかを問う。
女性の多様な生き方を踏まえた母子支援。リプロダクティブ・ヘルスや母子統計などの基礎的事項だけでなく、生殖医療やシングルマザーなどの現代的な課題も取り上げ、最新かつ必要な事項を盛り込んだテキスト。
人間・生物・自然を破壊する「持続可能な開発」言説(=知のシステム)の本質を説き明かし、
「開発に対するオルタナティブ」を提起した開発学の現代の古典
あまたの開発本と本書との決定的な違いは現実の捉え方にある。著者エスコバルによれば、「現実」とされる現象は特定の政治的関心によって秩序化された言説・表象である。ある事柄が突然注目を集め関心事になることを「問題化」と呼ぶ。冷戦の最中、第三世界の後進性が問題化(言説化・表象化)され、開発介入の必要性が叫ばれた。だが、当地の人々の現実(暮らし)が以前と比べ大幅に悪化していたわけではなかった。
言説・表象としての開発「問題」を、著者はフーコーの生権力概念を大胆かつ明確に現実世界に投影させ、「開発の民族誌」を編んでいく。本書は南米コロンビアを実験地として、世界銀行調査団という「黒船」がこの国に入って以来(1949年)の、三つの生権力の物語を軸に展開される。
まず、「言説としての経済学」という物語。ここでは、現実の分析から理論を導き出すのではなく、理論によって単純化・カテゴリー化したものを「現実」として見なす「言説製造の仕組み」が語られ、いわゆる農学、栄養学等、第三世界に導入されたあらゆる近代諸科学に共通する本質が明らかにされる。次に、アメリカや世界銀行の援助を受けた農村開発や栄養改善のプログラムが一国の隅々にまで官僚組織制度を張り巡らせながら「開発言説効果」を浸透させていく物語、最後に、新たなターゲットとして農民が生産者、女性が追加労働者、自然が資源として切り取られ、開発に新たな意味づけがなされていく物語を通して、現代世界を今も覆い続ける「開発幻想」「『持続可能な開発』への夢」からの覚醒が呼びかけられる。
開発の時代の幕開けから70余年。9・11、福島、新型コロナを経て、今私たちは「持続可能な開発」言説の下にある規律統治権力の最新バージョンに直面している。「開発のためのオルタナティブ」ではなく「開発に対するオルタナティブ」を提示する本書(1995年初版、2012年増補版)は、現代文明と政治社会の根幹部について熟考を迫る「現代の古典」ともいうべき開発学の必読書であり、コロンビアと同様アメリカの実験国家である日本に住む私たちに、現在進行中の状況を考える至高の分析視角を提供する。(きたの・しゅう 獨協大学外国語学部交流文化学科教授)
人材教育の悩みは、パフォーマンス心理学で解決できます!言葉に出ていない部下の心を見抜く技術、部下の感情にまで届くメッセージ発信の技術、どんなに苦労してもへこたれないリーダーのメンタル講座。即効果が検証されるものばかりです。
1920年代から30年代にかけてこの国のマルクス派を二分して闘われた〈日本資本主義論争〉とは、政治の文体あるいは物語をめぐる衝突であった。再生産論、革命論、国家論、そして天皇制──中断され、閉じられた論争の鍵概念をいまいちど現代思想の方法論的雑踏のなかに差し戻し、資本の〈内部─外部〉を分析する諸論考のもとに新たな言説装置として再構築する試み。
はじめに──方法の問題と「論争」の始点
第一章 方法の問題──層序論的接近(長原 豊)
第二章 「論争」の始点──〈帝国〉-主義(長原 豊)
I 再領土化装置としての国家──再生産される「外部ー他者」
第一章 危機・恐慌と植民地主義──併合される外部(ケン・カワシマ[沖 公祐訳])
第二章 新たな歴史学(グローバル・ヒストリー)と「論争」の死角──抹消される外部(平野克弥)
第三章 被差別部落という装置と原国家──側置される外部(友常 勉)
第四章 「女性」の不在と「惨苦の茅屋」──嵌入する外部(榎 一江)
II 脱領土化装置としての資本──再生産する「内部ー自己」
第一章 「論争」の理論的地平──再生産論批判の観点から(沖 公祐)
第二章 「古来もの」と残滓──「論争」の「時政学」的再措定(ギャヴィン・ウォーカー[根岸海馬訳])
第三章 資本ー主義の〈鹵獲ー捕獲〉装置──資本と天皇ー制(長原 豊)
III 「論争」の予ー後(プログノーシス)──批評(クリティーク)と史料(アルシーヴ)
第一章 革命の代補──日本資本主義と「近代の超克」(位田将司+立尾真士+宮澤隆義)
第二章 〈歴史的なこと〉の寓喩(アレゴリー)──「論争」の国際的再措定のために(ギャヴィン・ウォーカー[中村勝己訳])
謝辞(長原 豊)
グローバリゼーションが問題とされるいま、人の移動に関わる研究も根底から転換を迫られている。
さまざまな課題を抱える地域で、それに向き合うヒトや組織がいる。本書では、地域活性化の当事者の想いを、専門的分析を織り交ぜながら描写する。地域活性化に関心をもつすべての人に読んでもらいたい一冊。
ホリスティック医学の古典『病因と治療』を読み解くヒルデガルト思想の入門書。『病因と治療』本邦初訳を手がけた臼田夜半が、独自に設定した18のテーマでヒルデガルトの思想を解く。
グローバル化と工業化が進む現代の食と農を多角的・批判的に分析し、対抗性を担う主体とその実践から、生命と地域に根ざした新しい視点を提示する。現代における「食と農の社会学」を基礎づける待望のテキスト。
環境共生、人間共生、多文化共生など、「共生」に関するさまざまな個別研究が広がるなかで、「共生学」という新たな学問の開拓に挑戦する。「他者との出会い」「グローバリゼーション」という基礎的概念から出発し、高齢者、食と健康、フェミニズムと地域史、性教育と学校、国際協力、宗教と科学技術をめぐる共創、災害復興とボランティア、死者、潜在的な他者、植物といった共生にまつわる諸課題への実践を包含・体系化し「共生のフィロソフィー」「共生のサイエンス」「共生のアート」として整序する。大阪大学大学院人間科学研究科が宣言する「共生学」とは何か。『共生学が創る世界』(2016年刊)発展編。
はじめに
序章 私たちが考える共生学
第1部 共生学とはなにか
第1章 共生の相互作用的基盤とはなにかー違和感、不快感と不断の交渉
第2章 「共生」の位相を巡る思想史ー小さな物語の横溢?大きな物語の欺瞞?
第2部 今を生きる
第3章 「地域共生社会」の再検討ー高齢者を起点とする多世代共生の実践
第4章 フィールド栄養学からみた食と健康ーインド・ヒマラヤ高地の遊牧民と難民を事例として
第5章 戦時性暴力と地域女性史ーフェミニズムが支えるスピークアウト
第6章 なぜ子供たちが知らないままでいることを望むのか?-学校で包括的性教育を実施することの困難とその解決に向けて
第3部 ともに生きる
第7章 国際的支援と住民の自助を再考するーケニア・スラムの無認可私立学校を事例として
第8章 共生社会に向けての共創ー宗教と科学技術による減災のアクションリサーチから
第9章 共生のグループ・ダイナミックスとその技法ー中越地震からの復興過程を通して
第4部 さまざまな共生のかたち
第10章 死者との共同体ー記憶の忘却と存在の喪失
第11章 消滅というリアリティに向き合うー非人間的な存在とのかかわりをとらえなおす
第12章 共に治すー人新世における人間と植物の共生をめぐって
補論 共生学はどこからきて、どこにむかうのか
おわりに
執筆者紹介
第一線で活躍する実力派講師が自らプレゼン!講師自身が考え方・研修内容を語ることで、研修で重要視されている“今どき”のテーマがわかる。講師の「専門性」「人となり」が伝わる。最高の講師が見つかる。「研修担当者」必携のサポートブック。
Rによる実践と分析のセオリーを把握
数学の苦手な文化系の学生、実務者向けに、分析スキルの習得および理解を目的としてまとめたデータサイエンス(統計学)の入門書です。計算はRに任せ、数学的な理解よりもまずは実践・実際的な理解を促します。
実際の課題(研究課題)を取り上げ、それを解くためのセオリーおよびデータ分析、結果のまとめ方、最後にまとめ(考え方)と類題といった構成で解説することで、目的(テーマ)に応じた分析の流れを学ぶことができます。
準備
Chapter 0 Rはじめの一歩ーこれだけで使えるR-
第1部
Chapter 1 グラフを描き、記述統計量を出すーRエディタを使うー
Chapter 2 統計分析はじめの一歩ー標準化と統計的仮説検定ー
Chapter 3 同じ人の異なるテストの平均点を比較するーTOEIC のReading とListening はどちらが難しいのかー
Chapter 4 異なる人のテストの平均点を比較するー音楽的能力は音楽経験の有無で異なるかー
Chapter 5 サンプルの小さい外れ値のある二条件(群)を比較するー電話をかける頻度に性差はあるかー
Chapter 5 発展 三条件(群)以上の対応のない順序データを比較するーサッカー選手はポジションによって性格が異なるかー
Chapter 6 二つの変数の関係性を数値化するー音楽的能力と数学の力の相関ー
第2部
Chapter 7 2×2のクロス集計表を分析するーボディランゲージは聞き手の理解を促進するかー
Chapter 8 名義変数の関係性を数量化し理論化を試みるー高校の時に好きだった科目と理系大学での所属学科に関連性はあるかー
Chapter 8 発展 名義変数間の関係性を2次元で表現ー対応分析ー
Chapter 9 テキストマイニングーパートナーに求めるものー
第3部
Chapter 10 同じ人の三つ以上の平均を比べるー理科嫌いは小中高のどこではじまるのかー
Chapter 11 二つの要因の絡みを浮き彫りにするーTOEIC リスニングのスコアはどうすれば上がるのかー
Chapter 12 複数の変数で一つの変数を説明するーキャンパス学食の満足度は何によって決まるかー
Chapter 12 発展 説明変数から二値データを予測するーオンライン授業の印象を分ける要因は何かー
Chapter 13 変数に共通する因子を見つけるー自分の心配や悩みを相手が受け止めてくれたと感じる言葉とはー
Chapter 14 人をグループに分けるー大学入学の動機によって人を分類してみるー
類題の解説・解答
参考図書
別表
21名の女性研究者が語る海の魅力。海を学び、海で働く。楽しく生き生きと海に挑戦してほしいとの思いを込めた一冊。
聖職者に代わって偉くなったのは医者だった?医療が神聖なものになった?フランス近代医療史を、理性という聖域の歴史として読み解き、未来を示す。
ヴァギナは、女性の快楽の住処であり、男性たちを魅惑してきた神秘の泉であり、世界の創造の起源である。しかしながら、長い歴史の中で、その名を呼ぶことさえ憚られ、神秘のベールに包まれてきた。本書は、世界的なセクソロジー学者によって、解剖学的な知見から、女性の快楽やオルガスムの神秘、世界のさまざまな文化における不可思議な風習まで、古今東西の「女性の秘密」をめぐる驚くべき歴史を、医学史・文化人類学・最先端医学など広大な視野から探究した、世界でも初めての図説・文化史である。