I 健康心理学の基礎
第1章 健康心理学の役割
1.健康心理学の立場
2.プライマリケアと心理学
3.健康心理学の発展:ポジティブヘルスの実現に向けて
第2章 感情と健康のメカニズム
1.感情と健康との関連
2.感情と健康との関連のメカニズム
3.ポジティブ感情と生体機能との関連
4.感情と健康との関連のまとめ
第3章 認知と行動のメカニズム
1.認知と行動:健康との結びつき
2.「思考・認識としての認知」から行動へ
3.「情報処理としての認知」から行動へ
II 健康と感情
第4章 ストレス
1.ストレス研究の始まり
2.トランスアクショナル・モデルの提唱と発展
3.資源保護理論の提唱と発展
4.ストレス研究における近年のトピックスと今後の課題
第5章 怒り・攻撃性
1.怒り・攻撃性と健康
2.怒り・攻撃性への対処
3.その他の心理社会的要因と虚血性心疾患
第6章 うつ・不安
1.うつ・不安のもたらす健康リスク
2.エビデンスに基づくうつと不安の予防
3.認知行動療法を用いたうつ・不安の予防
第7章 社会的感情と健康行動
1.社会の中での感情の共有と健康
2.恥ずかしさと健康
3.社会的感情と健康増進
第8章 心的外傷体験と健康
1.心的外傷性ストレス
2.心的外傷体験後のアプローチ
3.心的外傷体験からの回復
III 健康を取り巻く諸要因
第9章 生活習慣と社会的行動:喫煙・飲酒・食行動
1.喫 煙
2.飲 酒
3.食 習 慣
第10章 睡眠と身体活動
1.睡眠とは何か
2.睡眠と健康
3.身体活動の現状と目標
4.身体活動の評価法
5.身体活動量増加の必要性
第11章 女性の健康
1.女性の健康問題
2.女性に多い精神疾患や心身の不調
3.女性の疾病予防と健康増進
4.女性の健康と心理社会的要因
第12章 健康と医療
1.はじめに
2.健康寿命の延長に向けた予防的取り組み
3.患者・家族:医療者コミュニケーションの改善に向けた取り組み
4.退院後における患者や家族の心のケアへの取り組み
第13章 健康と文化
1.健康における文化の重要性
2.精神的健康と文化の研究
3.生物的要因と社会的要因
4.異文化適応と健康
5.まとめ:精神的健康と文化についての今後の展望
IV 健康への予防的アプローチ
第14章 健康心理学の応用とその可能性:ポジティブ心理学
1.ポジティブ心理学の発展
2.ポジティブ心理学の3つの研究領域と日本の動向
3.ポジティブ心理学と健康心理学
4.ポジティブ心理学的介入
5.健康心理学の今後の可能性
第15章 ポジティブな特性と健康
1.健康と個人的特性
2.楽 観 性
3.ポジティブ・イリュージョン
4.首尾一貫感覚
5.ポジティブな特性と健康を考えるうえでの留意点
第16章 公衆衛生から見た健康づくりとポジティブヘルス
1.公衆衛生学と健康
2.ヘルスケアシステムの現状と健康心理学の役割
3.ポジティブヘルスを目指した健康づくりと健康心理学の発展
女性は違ったやり方で科学をするか?科学は公正中立か?教育の機会はジェンダー・フリーか?家事と育児は誰がするのか?数学にジェンダー・バイアスはかからないか?科学のフィールドから女性が排除される社会的・文化的背景を徹底的に洗いだし、ジェンダーの視点から新しい科学の可能性をさぐる。
▼人口と家族のダイナミズムを理解する
少子高齢時代における日本とアジアの家族や男女の働き方を詳細なデータに基づいた実証分析によって透視する。
序章 人口変動と家族ーー日本と東アジア(津谷典子)
第1部 低出生力社会における家族・人口変動のダイナミズム
第1章 出生水準が長期的な人口動向に及ぼす影響について(石井 太)
第2章 歴史人口学から見る低出生力社会の養子慣行
ーー近世東北農村1716-1870 年を中心に(黒須 里美)
第3章 国内人口移動の現状と変動要因(直井 道生)
第2部 低出生力社会における就業パターンの変化と格差
第4章 就業寿命
ーー戦後わが国における長寿化、晩婚・未婚化と就業パターン(菅桂太)
第5章 女性博士のキャリア構築と家族形成(小林 淑恵)
第6章 家族の変化と就労収入の格差(四方 理人)
第3部 低出生力社会における夫婦の生活時間
第7章 日本の夫婦の生活時間と子ども(吉田 千鶴)
第8章 韓国における有配偶夫婦の時間配分(ソウ 成虎)
第4部 東アジアにおける超低出生力の特徴と少子化対策
第9章 東アジア先進諸国における少子化の特徴と背景要因(松田 茂樹)
第10章 台湾における育児休業制度の利用と女性の復職(可部 繁三郎)
第11章 子育て支援施策の変遷と地方と国の予算の推移(前田 正子)
津谷典子教授 履歴・研究業績
本書は、進歩の著しい泌尿器科診断学の最先端を、多忙な泌尿器科医が日常診療で応用できるよう編纂したものである。前立腺癌や膀胱癌などの泌尿器科癌、尿路結石、不妊症、ED、尿失禁など、よく遭遇する疾患の診断法の実際と、目覚ましい進歩の見られるCT・MRIによる画像診断、将来さらに重要となる遺伝学的診断などが横断的に取り上げられ、詳しく解説されている。
子どもの「理科離れ」が大きな問題になっている。理科が好きな女の子は特に少ない。「理科は女の子に向かない」「女の子に理科は無理」という声がいまだに聞こえてくるが、そんなことはない。女性にこそ理数系を選んでほしい。科学はワクワクするおもしろいものなのだ。科学を選んだ14人の女性ー研究者の道を踏み出した助教(助手)4名と、研究者の卵である大学院生10名ーが訴える。彼女たちの歩んできた道、抱いている希望、思い描いている未来…その生の声を聞いてほしい。本書は自分の進路をしっかり選ぼうとしている多くの女子中高生に「科学のマドンナ」プロジェクトがおくるメッセージである。
PMS(月経前症候群)/ PMDD(月経前不快気分障害)の根本的な原因を理解するための必須知識を,若年層を診療する産婦人科医に向けて解説。難解な内分泌・ホルモンなどの用語には図解や用語解説を巻頭につけ,わかりやすく読み物として理解できる。
第一人者により,婦人科医ならではの視点にて書かれた一歩進んだ“産婦人科読本”。
第1章 月経前症候群(PMS)とは? 月経前不快気分障害(PMDD)とは?
月経前症候群(PMS)とは
PMSの症状とは
PMSの症状がみられる時期は限られている
PMSの症状はなぜ多彩なのか
PMSの診断はどのようになされるのか
PMDDの診断はどのようになされるのか
PMDDの診断を行う意義はここにある
PMS/PMDDのリスク因子は多い
PMDDとアルコール・薬物は悪循環する
PMSとPMDDは区別できるのか
PMS/PMDDと鑑別すべき疾患とは
PMS/PMDD:スタンスの異なる産婦人科と精神科
第2章 PMS/PMDDの真相に迫る
ホルモンはPMS/PMDDにいかにかかわるか
PMS/PMDDと神経伝達物質
PMS/PMDDとセロトニン
PMS/PMDDの疼痛とオピオイド
PMS/PMDDはなぜ一部の女性でのみ、みられるのか
PMS/PMDDには遺伝が関与するのか
ストレスはPMS/PMDDを発症させるのか
PTSDはPMS/PMDDと密接に関係している
ストレスホルモンはPMS/PMDDに関連するのか
自律神経系の乱れはPMS/PMDDに伴っている
第3章 PMS/PMDDは現代女性の生活環境と関係する
PMS/PMDDは現代病
PMS/PMDDにみられる特徴的性格
PMS/PMDDによる若年女性の心の悩み
第4章 PMS/PMDDはさまざまな病気を伴う
女性と摂食行動ーホルモンの関与
PMS/PMDDと過食
PMSと肥満
PMS/PMDDと高血圧
PMS/PMDDとうつ病
PMS/PMDDと自殺念慮・自殺企図
PMS/PMDDと自殺予防
PMS/PMDDと妊娠
PMS/PMDDと産後うつ病
更年期障害とPMS/PMDD
第5章 PMS/PMDDの概念の変遷
ヒステリーという診断名がPMS/PMDDの存在を覆い隠した
歴史のなかでのPMSの登場
疾患概念としてのPMS/PMDDの確立
PMS/PMDDの病因と治療に関する考え方の変遷
第6章 現代人はPMS/PMDDといかに付き合うか
PMS/PMDDと現代社会ー民族・国家間の比較ー
PMS/PMDDはなぜ先進国に多いのか
働く女性とPMS/PMDD
PMS/PMDDで悩んでいる就労女性への支援
PMS/PMDDで悩む女性が気を付けたいこと
Column PMS/PMDDがない男性はストレスをどう表現するのか
PMS/PMDDへのフェミニストの視点
PMS/PMDDの正しい認識を
PMS/PMDDへの産婦人科医の役割
第7章
日常生活による生活改善策
運動とPMS/PMDD
食事・栄養による対処法
薬物療法
補助的な薬物療法
精神療法
手術療法
現代女性に脈々と引き継がれているPMS/PMDD【その生物学的意義】 -まとめとしてー
生物学的精神医学と精神病理学は、精神医学を支える二本の大きな柱である。本書では、著者が最も学問的関心を寄せる統合失調症の妄想論を中核として、幻聴の臨床研究、昨今の操作的診断に対するアンチテーゼから、ワイツゼッカーの主体概念についての考察など、日常臨床のフィールドを総合病院とする著者の境界的クロスカルチュラルな刺激的論考が展開される。現場からのフィードバックによる精神病理学的理解の深化により治療の場を構造化し、精神療法的面接技術を応用発展させることを目指した試みと言えよう。
「ジェンダード・イノベーション」とは、男女のステレオタイプに陥ることなく性差を知的創造と技術革新に組み込んでいくことで、新たな開発や発見を実現するという概念である。世界的な大きな広がりをもって推進されつつあるジェンダード・イノベーションの本邦初の入門書。
国境を越えるフィリピン人たちの日常と「戦術」をみる。国境を越えて広がるネットワークのなかで多様な背景をもつフィリピン人たちは、様々な問題にどのように向き合い日常を生きているのかー個人を中心とする民族誌の実践。
性が、いとも手軽にもてあそばれている今日、あなたの知識は間違いだらけではありませんか?男のからだも女のからだも、きわめて精緻な構造と生理によってつくられた賜物。深い愛と尊敬のなかで正しく理解されることが期待されているのです。若い世代に遺された笠井博士の「遺言」。
世界を認識する心の感動が芸術に表現され、芸術がその感動を再現させる。心は脳の働きであり、芸術を理解することは、脳の働きそのもの。芸術を通した新しい視点から、素晴らしい脳の働きを理解しようという、国際高等研究所の研究会をもとに、参加研究者が書きおろした。芸術を生み出し芸術に表現される、時間、空間、名前、錯覚などを、脳の研究者と芸術の研究者が快い文章で描きだし、編者がコラムで読者をナビゲートする。
変化の直中にあるアボリジニ社会。その歴史的背景や社会的実践のあり方を、しなやかで力強い生き方を見せる女性たちに着目して描き出す民族誌。男女の関係や平等のあり方は決してひとつではないことを示し、人類学的方法のオルターナティブを提案する。
都合よく利用されるのではなく、自らが望むように学び働きたいと願う女性たちへ、95歳の先輩が送るエール。
女性医学に必要な基礎内分泌学と生理学,診断学と治療学を日本女性医学学会初代理事長がわかりやすく解説.ホルモンの基本やホルモン療法の情報も充実.第2部では症例の具体的な対応法を問診から治療法の選択まで箇条書きで示しポイントをまとめた.女性医学の基礎から実践までがよくわかる1冊.
「生」をめぐる帝国の権力を可視化する
植民地朝鮮において産婆や胎教がいかに存在し機能したのか。
朝鮮社会の葛藤を、新聞・雑誌などの言説空間に注目して浮かび上がらせる。
日本統治下にあった20世紀前半の朝鮮における「出産の場」、とくに産婆や胎教がどのように機能していたか、言説分析を通して明らかにする。「出産」をめぐって日本人の役人、医師、朝鮮人産婆、優生学者などが、新聞・雑誌でさまざまな言説を展開した。「近代の知」が旧弊の「風習」とときに対立し、ときに協力関係を結ぶといった複雑なせめぎあいがあったことを実証的に論じ、出産する女性をとりまく様相を起点に「歴史叙述を女性へ取り戻す」ことを試る。
序章 「出産の場」の「生政治」
1 研究背景ーー産婆と胎教の位置づけ
2 研究方法ーーフーコーの「生政治」と「言説」、そして〈現実〉
3 研究史ーー「出産の場」を支える四つの柱
4 研究目的ーー植民地朝鮮の「出産の場」を解明する
5 本書の構成
6 本書における用語と記号の定義
第一部 出産風習と産婆制度
第一章 植民地朝鮮における出産風習と産婆養成政策
はじめに
1 近代日本の産婆制度と植民地への移植
2 朝鮮の出産風習
3 日本人衛生医療関係者の見た朝鮮の出産場景
4 植民地朝鮮における産婆養成
おわりに
第二章 朝鮮人産婆の労働環境と社会的位置づけーー1920年代の新聞・雑誌に見る産婆の物語
はじめにーー職業婦人としての産婆
1 植民地期女性の職業としての産婆
2 産婆が語る朝鮮の労働の〈現実〉
3 1920年代の産婆の経済的・社会的位置
おわりに
第三章 産婆と風習のせめぎ合い、そして出産医療の〈現実〉
はじめに
1 「旧慣」を駆逐し、産婆を利用せよ
2 伝存する出産風習と衛生との葛藤
3 産婆が語る朝鮮社会と「出産の場」の様子
4 京城の都市貧民を取り巻く、出産医療の〈現実〉
おわりに
第二部 胎教と「生政治」
第四章 出産風習としての胎教と「優生学」
はじめに
1 前近代の胎教と植民地朝鮮における伝存
2 1930年前半の優生学と胎教
3 1930年代後半の胎教を取り巻く論争
おわりに
第五章 韓半島にもたらされた「近代の知」と胎教ーー女性教育、民族改造、〈朝鮮学〉振興運動
はじめに
1 「女性教育論」と胎教言説
2 植民地期の「民族改造論」と胎教
3 女性医師・許英肅の民族改造論と胎教
4 1930年代後半の「〈朝鮮学〉振興運動」と『胎教新記』
おわりに
終 章 近代化する「出産の場」と女性
1 生き残った出産風習と植民地朝鮮の近代
2 「出産の場」を眺めるということ──本書のまとめ
註
初出一覧
引用・参考文献
あとがき
索引