なだれゆく散文的崩壊の危機に抗いながら
その瀬戸際で紡ぎだすポリフォニックな抒情。
2006年度萩原朔太郎賞受賞以後の到達点。
「瞬間の前衛」たちによる横断結合を!
抑圧的な権力、支配システムのもとで人々はいかに結集し、蜂起するのか。
全共闘、明治維新、おかげまいり、横巾の乱、文化大革命、ロシア革命、ナチズムなど
古今東西の事象と資料を渉猟し、
群衆、都市文化、組織、情報、戦争、身体、所作/作風などあらゆる側面から考証、
「名もなき人々による革命」の論理を極限まで追究する。
1 横議横行論
2 群衆は増殖する
3 レーニンと組織戦略
4 ゲッベルスの大衆操作
5 仮面と変身ーー サブカルチュアの政治経済学のためのノート
6 異化する身体の経験ーー 全共闘世代について
7 差別について何を語りうるか
8 横議横行論(続)
あとがき
解説 一九六八年 持続と転形 酒井隆史
世界的な反乱の時代を象徴する出来事、「68年5月」。
50年代末のアルジェリア独立戦争から、21世紀のオルタ・グローバリゼーション運動に至る半世紀のなかで、この反乱はいかに用意され、語られてきたか。
フランス現代思想と社会運動を俯瞰しつつ、膨大な資料を渉猟して描かれる「革命」のその後(アフターライフ)。
はじめに
第1章 ポリスによる歴史
社会学とポリス 棍棒 アルジェリア人のフランス
第2章 さまざまな形態、さまざまな実践
専門化批判 「ベトナムはわれらが工場内に! 」 虎穴に入る 表象の幻想
第3章 違う窓に同じ顔
報復と審判 反第三世界主義と人権 テレビ哲学者たち
第4章 コンセンサスが打ち消したもの
日本語版補遺 いまを操ること
アメリカナイズされるフランスの「五月」 イスラエルというフィルター
資本制国家を撃て!
ロシア革命の変節、スペイン革命の敗北、そして1968年の持続と転形ーー
革命の歴史をふまえて展開される、
生き方としての「アナーキー」ではなく、
国家廃絶をめざす革命思想としての「アナキズム」。
「戦後最年少イデオローグ」として名を馳せた旧版に、
1968年闘争期におけるアナキズム運動の総括文書「無政府主義」などを増補した
戦後日本アナキズム思想の極北。
第1部
存在 国家を撃つテロルの地平
歴史 歴史のなかの〈生〉と〈死〉
超人 ネチャーエフ
暴力 歴史における巨視と微視
第2部
国家 無政府主義革命の黙示録
序 アナキズムへの確執
第1章 総論・視座ーー未踏領域へ
第2章 国家廃棄ーー共同体の指標
第3章 組織論ーー黙示録の共同体
第4章 世界革命綱領の視座
付章
内戦 ロシアの背理と革命の逆説
軍隊 不可能性のインタナショナル
第3部
時間 〈国家性時間〉と都市
犯罪 犯罪者と革命家の十字路
肉体 時間の仮構とその所有
あとがき
新版補遺
反アナキズム論序説ーー唯一的革命の神話と構造
無政府主義
解説
“癖”に昂まった原理 松田政男
〈観念〉の力 山本光久
ランシエール自身によるランシエールーー
世界で最も注目される思想家が、みずからの思想を平易なことばで語るロング・インタビュー。
2012 年までの全著作の自著解説。
「分け前なき者」の分け前をめぐる政治思想と、映画や文学、アートなど「感覚的なものの分割」をめぐる美学思想は、いかに形成され、いかに分けられないものとなったか。
ランシエール思想、待望の入門書。
はじめに
第1章 生成過程
幼年時代と青年時代 / 高師時代の教育 / 『資本論を読む』 / 共産党路線との関係 / 六八年五月、ヴァンセンヌ、プロレタリア左派 / 分岐 / 『プロレタリアの夜』のなかで / 方法の誕生: 読み書きの仕方 / ミシェル・フーコー / 『論理的反乱』と「五月」の退潮 / 映画、左翼フィクション、民衆の記憶
第2章 いくつもの線
相続と特異性 / 反体系的体系性 / 空間の優先、時間の再考 / 過剰あるいは出来事 / シーンをどう定義するか / 発話による主体化 / 能力あるいは可能性 / 美学革命か民主主義革命か / 哲学的エクリチュールと普通の言説 / 効果としての哲学 / 残りはあなたのもの / 思考の笑い
第3章 閾
脱神秘化あるいは脱構築 / コンセンサスと愚鈍 / 支配を払いのける / 無意識を位置づける / 象徴秩序の平等な喪失 / プロレタリアの過去と現在 / 平等/ 不平等 / 〈共〉の動的編成 / 脱アイデンティティと主体化 / 政治と制度 / 社会の場所 / 新しさと歴史性 / イメージの散乱はもう一つの芸術体制であるか / ポピュラーカルチャー
第4章 現在
可能なものの地図作成 / 現在の姿、「ポリス」のあり方 / 切断、革命、反乱 / 新たなインターナショナリズム? / 移住する身体、苦しむ身体 / 人間、人間でないもの: 政治的エコロジーについて / 脱現実化した世界: どのように情報を得るか? / 三面記事、ありふれた生、調査 / 不安定で庶民的な生の技法 / 感覚的なものの分割と現代アート / 社会主義の未来 / 政治経済学 / インタビューと対話
非時間性=「革命」の水脈
シュンペーター、シュトラウス、ラクラウーー
「イノベーション」や「アントレプレナー」、
新保守主義と政治哲学、
そしてラディカル・デモクラシーで知られる
一見相容れない3人の思想を
根源的に捉えぬいた果てに立ち現れる未知の相貌。
はじめに
第0章 台詞がなかったペルセースのために
●第1部 シュンペーター
第1章 シュンペーターの終末論
第2章 資本化と政治的威信
第3章 新結合をめぐってーーイノベーションとその主体に関するいくつかの考察
●間奏 ラクラウ
第4章 回帰する人民ーーポピュリズムと民主主義の狭間で
●第2部 シュトラウス
第5章 末人たちの共和主義ーーレオ・シュトラウスと“政治哲学”
第6章 闘う聖人
反資本主義、反差別、日中・日韓、核/原子力・フェミニズム、生政治、装置的権力、戦争状態、身体所作の戦術、都市的権力/民衆闘争…“いま”のすべてを規定する日本の「68年」、その思想的到達点が40年の歳月を超え、ふたたび政治の季節に原点として甦るー「瞬間の前衛」たちの横断結合によって「根底的な世界変革」を行うために。
世界を震撼させた組織は何を主張していたか
「バーダー=マインホーフ」グループとしても知られる第1世代のドイツ赤軍(RAF)。
反帝国主義、反資本主義を掲げ、国家や米軍、企業などへの武装闘争をくり広げながらも、市民から広範に支持され、「人民の海を泳ぐ」ことができたのはなぜか。
かれらの思想を明らかにすべく、公表された文書やビラを集成(日本版は全3巻)。第1巻は、60年代後半の組織結成にいたる前史から、72年「黒い九月」によるミュンヒェン・オリンピック闘争に関する声明までを収録。
前書き
前史に関する覚書
序論 一九七〇年から一九七二年
赤軍の建設ーアンドレーアス・バーダー解放に関する声明
都市ゲリラ構想
西ヨーロッパの武装闘争について
人民に奉仕するー都市ゲリラと階級闘争
〔五月攻勢〕
フランクフルト・アム・マイン米陸軍指令部への攻撃
アウクスブルクおよびミュンヒェンにおける攻撃
カールスルーエにおける連邦裁判所判事ブッデンベルクへの攻撃
ハンブルク・シュプリンガー社屋への爆弾攻撃
ハイデルベルク・アメリカ陸軍欧州司令部への爆弾攻撃
フランクフルト赤色救援会ティーチインの録音テープ記録
ミュンヒェン・オリンピックでの《黒い九月》の行動ー反帝国主義闘争の戦略について
訳者あとがき
略号一覧
RAF関連年表
この夏はうんざりだった
おまえはどうだい?
人間はみんな口をなくして
ボウフラのようにふらふら漂っている
秋は本当に来るのか
おまえは秋まで生きていられるかい?
停滞する時間ってあるんだな
死の隣に
ヒトゴミのなかに
想像力の敗北が横たわっているようだ
ーー
映画×短編小説=詩
「私は映画『ブレードランナー』に出てくるレプリカントの生き残りの一人で、謎の組織から『詩を書け』と命令を受けていた。しかし私が書きたいのは詩ではなく短編小説なのだ。もう時間は残されていない」
自らの病、そして友人の他界など大きな決断を迫られるなかで紡いだ23篇。
英訳と合本したバイリンガル詩集。
サタン・タンゴ
老犬
恋人たち
コーネリアスーー氷見敦子へ
ペカル
門脇さん
皆殺し怪獣ミナゴン
ドロリ
プラヴダ
ウィキペディアより
エルモ
夏、キッズ・パークにて
ジムニー
文学賞の世界
或るアーキヴィストの肖像
詩人たち
ふつうの詩
コロナ時代の愛
アシタカを探しに
ノン・アルコール詩篇
ジュライ・ラプソディー
西瓜を二つぶらさげて
ある映像作家の死
政治/哲学ができるのは誰か
プラトンの哲人王、マルクスの革命論、
ブルデューの社会学(そしてサルトルの哲学)……
かれらの社会科学をつらぬく支配原理を白日のもとにさらし、
労働者=民衆を解放する、
世界の出発点としての「知性と感性の平等」へ。
初版序文
文庫版序文
プラトンの嘘
国家の序列
五番目の人物 / 時間の問い / 饗宴の序列 / 模倣者、狩人、職人 /
職に就く資格ーー博打打ちとシラミとり / 作業場の哲学者 /
三つの金属ーー自然という嘘 / 二つの貨幣ーー権力の座にある共産主義 /
別の宴、別の嘘 / 職人の徳 / 正義の逆説 /
女性、禿頭の人びと、靴職人
言説の序列
一つの洞窟からもう一方の洞窟へ / 庶子の思考 / 哲学者の奴隷 /
おしゃべりな啞 / 妄想の序列 / 新しい障壁 /
劇場支配制 / 蝉の歌 / 仮象の分割 / 城壁の足下で
マルクスの労働
靴職人と騎士
靴職人の蜂起 / 聖ヨハネ祭の夜 / イデオローグ、靴職人、発明家
プロレタリアの生産
生産の序列 / 別の洞窟 / 労働の足場 / 学問の非ー場 /
労働と生産ーー急進ブルジョワ階級のひそかな魅力 /
プロレタリアの学校 / 遅れた労働者あるいは共産主義の逆説 /
ラップ人の地の共産主義者 / 偽の出口ーー階級と党 / 遍歴職人の天才
かすめとられた革命
絶対的ブルジョワ階級 / ブルジョワの裏切り / ルンペンの勝利 /
沼の華 / 俳優王と乞食王
芸術のリスク
馬乗りたちと俳優たち / 〈書物〉の義務 / 知られざる傑作 /
漂泊の科学 / 芸術家の遺言
哲学者と社会学者
マルクス主義の地平
生産の舞台装置 / 太陽と地平 / 生産のパラドクス
哲学者の壁
疲れた番人 / 党あるいは連続創造 / 弁証法の刻印 / 哲学者の窓 /
機械の前の労働者 / 絶対兵器 / サルトル的な王 / 哲学者と暴君 /
雪のなかの荷車 / 寄生の弁証法 / 染物屋のせがれ / 影なき王 /
キャンヴァス上の爆発 / 労働者なき世界?
社会学王
演奏家、指導者、染物屋 / 正しい臆見の学問 / はさみと鍋 /
靴職人たちの半可通 / 告発された告発者 /
クレタのエピメニデスとマルクス主義者のパルメニデス /
医者と患者たち / 諸実践の科学 / ピアニスト、農民たち、社会学者 /
下品な社会学者と上品な哲学者
さらにお望みの方のために
叛乱の世紀が到来した
『叛乱論』『結社と技術』が、60年安保と「68年革命」のふたつの闘争のあいだを往還しながら切り拓いた大衆叛乱の地平。
両書を合本・増補改訂して復刊、21世紀の現在、資本主義を終わらせ、世界各地の民衆叛乱に日本でも呼応するべく新たに煽動する。
はじめに
第1部 叛乱論
叛乱論
1 政治の経験 | 2 アジテーターと大衆 | 3 近代世界と叛乱 | 4 叛乱の宿命 | 5 戦後精神の敗北
叛乱と政治の形成
戦後政治過程の終焉
戦後政治思想の退廃
付・安保闘争における共産主義者同盟ーー党内闘争のための総括
ある「永続革命論」の顚末ー一八四八年のマルクス
技術についてーー武谷三男論
悲劇の構造
彩流社版まえがき
合同出版版あとがき
彩流社版解説 『叛乱論』とその時代 小阪修平
第2部 結社と技術
1
結社と技術ーー叛乱の組織問題
主体性の死と再生ーー自分は誰なのか
大衆にたいしてストイックな〈党〉--レーニンの結社
ブランキスト百年ーー私のブランキ
2
欺瞞的で自由なゲリラーー戦後のあとの時代における政治と生の世界
政治的言語のためにーー「私」の解体と「我々」の再生
〈私〉の敵は〈我々〉だーー政治の発言について
〈政治〉の破砕へーー6・15の成熟と解体
3
アナルコ・ニヒリズムと政治ーー『政治的なるものの概念』をめぐって
ブロンドのライオンまたは政治のなかの反政治
4
時代経験と思想ーー黒田寛一の「技術論」
情況出版版あとがき
あとがき
解説
長崎浩の世紀はすでに到来している 廣瀬 純
きみにこのテキストを送る。ぼくにはこのテキストが自分以外の人のためになるのか分からない。きみには?
思考することを生業とする哲学者が、ある日突如として脳に障害を負ったらーー
文字が書けず、排泄すらままならない重い後遺症のなかで、友人と交流し、映画を観、アルチュセール、スピノザ、ベンヤミンなどに寄り添いながら思想をつむぎだすさまを、みずから描き分析した手記。
「恐ろしい冒険が稠密な文体に昇華されて生まれた果実」(A. ネグリ)。
もはや書けなかった男
原著あとがき(市田良彦)
アントニオ・ネグリからのメッセージ
最初に読まれるべき訳者あとがき
朔太郎賞詩人の幻の第1詩集。
そうして僕らは 鮮やかなアクリル質の皮膜のなかで 日々の没落を暖めていた
その腐敗物は
恋人の夢の彼方で匂っている
熟れ落ちた柘榴なのだろう
僕はシオカラトンボの飛行に誘われるまま ぬるい湿林に嵌まってしまう
切り取られた空のゆるまりのなかで なおもゆるまってゆく
柘榴
親密な体臭に絆された溺愛の白雲がひかれてゆく ぬるく ほとばしる
絨毯爆撃がしたい
(栞=初期詩篇〔ソナチネ/拾遺/増殖する亡骸の関係/きのいき/12月の病い〕、著者解題)
ーーここに収めた各詩篇の原形となるテクストを書いたのは、
1982年から87年にかけてのおよそ5年間であり、
年齢で言えば17歳から22歳、
たぶん、私がもっとも詩人らしくあった頃である。
それらのテクストを、私は自室でこっそりと書き、長い間隠し持っていた。
『ロング・リリイフ』のような詩集を私は二度と作ることはできないし、
ここに収めたような詩を書くこともできない。
多くの処女詩集がそうであるように、これは一回きりの跳躍である。
ただし私は、これまでの詩集でも一回きりの跳躍を試みたつもりである。
叶うことならば処女詩集だけを作り続けたい。
私は詩人の成熟など全く信じていない。
夏至
ロング・リリイフ
エレクトリック・フルーツ
ユリス
ナゼル
ヒバリ
ランタン
草卵
どこに配達されるの?
ブギウギしちゃうな
ヒナタに来てよかったね
メガヘルツ
空母
鯊とコチ
ソフト・カートリッシ
クリア
「資本と国家への対抗運動」は何に行き詰まったのか
20世紀最後の、そして21世紀最初の日本の社会運動体、
NAM(New Associationist Movement)。
思想家・柄谷行人が提唱し、
浅田彰、坂本龍一、小森陽一、岡崎乾二郎、絓秀実など
著名な知識人や若者が多数参加した
「資本と国家への対抗運動」はなぜ、わずか2年半の短期間で解散したのか。
解散から20年、運動の最初期に加入して末期には組織中枢で実務を担当した著者が、
運動の「現場」の視角から総括、問題提起する。
新たな社会運動の礎となるためにーー。
はじめに
第1章 過去と未来の間で
1 NAM発起人、柄谷行人
2 NAMの組織機構
3 NAM解散時の批判への応答
4 どういう形でNAM総括をすすめるか
第2章 運動への模索と『批評空間』
1 批評空間シンポジウムからアソシエ21関西設立集会まで
2 スペースAKの創設と組織問題の原型
3 NAM結成へ
第3章 NAM結成
1 どうNAMを構築するのか
2 センター評議会の発足
3 二〇〇〇年一二月二三日第二回全国集会まで
4 第二回全国集会とセンター事務局の東京への移転
第4章 NAM生成
1 高瀬幸途事務局長時代
2 株式会社批評空間の設立ーーNAMのプロジェクトのひな型
第5章 市民通貨Q
1 Qとは何か?
2 QとNAM
3 Q-hiveの組織論的問題
第6章 くじ引きによる代表選出
1 第四回NAM全国集会
2 NAMの改革
3 Q会費、QでNAM内「労働」をどう評価していくか
第7章 解散
1 私のスタンス
2 筆者吉永の経験
3 NAM解散の時系列
4 NAM解散直後
5 プロジェクトとNAMとの関係性
第8章 未完の抜本改革
1 抜本的改革委員会
2 NAMの理念の具体的な方向性
3 NAMメディア
第9章 NAM再考
1 問題の所在
2 階層系
3 関心系とプロジェクト
4 地域系
5 事務局
補論 『トランスクリティーク』、その実践への転形
1 『トランスクリティーク』および実践理性の困難
2 もともと理解できないものとしての定言命法
3 マクベス
4 カントとサド
5 実践主体への生成
おわりに
NAM関連年表
インターネットでの買い物、スイカやおサイフケータイなどの電子マネー、街頭監視カメラ、さらに共通番号制ーあなたの個人情報、大丈夫?まさに今、危機にさらされているプライバシーの問題を、市民の個人情報保護を最優先に、法的側面から検証・提言。