本書は2001年に国内でBSEに罹患した牛の発覚に始まり、鳥インフルエンザや2010年の宮崎県の口蹄疫の発生など、矢継ぎ早に起こった家畜の感染症に獣医がどのようにアプローチし立ち向かったかということを、著者の体験を基にまとめたものである。それまでは、あまり表に出ることがなかった獣医が、食の安全や家畜等の食料の確保について、メディアや政府機関で説明するような機会が大幅に増えた。それは、家畜などの食料をめぐる世界的な感染症や、人獣共通感染症の脅威の高まりと無関係ではない。そして、こうした脅威に対する危機管理、獣医師の教育の在り方にも大きく影響した。本書は次世代の食の安全・食糧確保のもろもろのことを考える上で、一読をお勧めしたい。
1.獣医さん走るー表舞台に押し出された獣医さん/世界の機関が見た21世紀の人類の課題と危機管理とは? 2.ヒトと動物の共通感染症(人獣共通感染症)-人獣共通感染症を巡る新しい世界戦略/人獣共通感染症ー古くて新しい(新興・再興)感染症/人獣共通感染症は、なぜ増加し、拡大するのか?/人獣共通感染症ー世界の状況とわが国の特徴/人獣共通感染症の警告ーニアミスと国内発生例/感染症法の見直し/予防原則とリスク管理の有効性の検証 3.BSE(牛海綿状脳症)とリスク評価ーBSEと変異型クロイツフェルトヤコブ病の経緯/BSE病原体の特徴/日本のBSE対策/日本のBSE流行/安全神話の崩壊と食品安全委員会/リスク分析/これからの課題 4.高病原性鳥インフルエンザの問題と対策ーインフルエンザの大流行(背景)/インフルエンザウイルスの特徴/高病原性鳥インフルエンザとわが国の流行(2010年まで)/同(2010年秋以降) 5.家畜の健康と食の安全保障:口蹄疫ー口蹄疫は国際的にも最も重要な家畜感染症の1つ/世界中で最も広く分布している口蹄疫ウイルスはO型/口蹄疫のウイルスは空気感染を起こす/ヒトは感染しないが、口蹄疫はアウトブレイクの規模が強烈/伝播力が強く食料の安全供給に対する最大の脅威/清浄国に復帰するためのOIEの条件とは?/清浄化が認められた後もSPS協定のハードルが存在/宮城県における今回の口蹄疫流行の経緯/10kmの封じ込めは流行の統御にある程度有効に働いた/FAOの口蹄疫対策への取り組み/財務計画や資源の備蓄など事前準備の重要性/今回の口蹄疫流行を教訓に今後の事前対応策を策定 6.これからの獣医学教育の進む道と人材教育 7.科学と政治
結核・呼吸器疾患の1年分資料の集大成。
保健衛生行政関係者はもとより、一般の医師・研究者・学生の方にもご活用いただけます。病院はじめ看護・保健師学校・医学系大学にはぜひ備えておきたい一冊です。
■グラビア 22頁
■資料編 14頁
■平成29年結核登録者情報調査年報集計結果90頁
付1 主な指標値別、高位(低位)保健所一覧
付2 結核管理図
付3 都道府県別管理図の指標・偏差値
本書では、将来有望と思われる最先端の手技や主流となっている手技、確立された手技を紹介するとともに、最新技術を用いなくても有用な過去の手術についても取り入れるようにしました。
反響を呼んだ前作に続く、超辛口の一人ディベート集第2弾。循環器診療の周辺事情、循環器内科医が診る関連病態・疾患に照準を当て、各章のテーマに対してPro/Con/個人的見解に分けて、それぞれが拠って立つエビデンスの検討を中心に辛辣で過激な討論を展開する。EBMの実践に重要な「臨床研究・文献に対するリテラシー」という視点に貫かれた議論を読み進めるうちに、さまざまな局面に通じる普遍的な姿勢が浮かび上がる。循環器内科医、EBMを念頭に診療を行いたいすべての医師に「プロの考え方」を指南。
薬の効果とは「無意味」と「嘘」の間にある。患者にとって、本当に望ましい処方箋とは何か。11の処方箋をめぐり医師と薬剤師が「対話」から導く本当の「解」
【大学一般教養向けの超入門教科書】
本当に重要な内容を厳選して掲載。やさしくわかりやすい文章で解説しているので、高校で生物学を履修していない学生でも大丈夫。学習効率がさらに高まる演習問題と重要語句が隠れる赤シート付きなので、自学自習もでき、参考書としても最適。
【 目 次 】
第1部 生命科学の基盤
第1章 生物とはどのようなものか?
第2章 生物を構成する基本単位:細胞
第3章 細胞の分裂
第4章 受精卵から個体への成長:動物の発生
第2部 基礎となる生命維持機構
第5章 生物を構成する物質
第6章 生体内で見られる化学変化:代謝
第7章 核酸:DNAとRNA
第8章 遺伝情報の発現
第9章 生命情報の伝達と恒常性の維持
第3部 細胞や個体の状態変化
第10章 生物個体数の増加:生殖
第11章 真核細胞の健全性維持、老化、死
第12章 がんはなぜ高率に発生し自然治癒しないのか
第13章 生体防御と免疫
第14章 感染症と病原体
第4部 生命科学の応用
第15章 遺伝子を操作する:遺伝子工学
第16章 ゲノムを解析、改変する:ゲノム工学
第17章 生命科学に基づく創薬
第18章 産業や社会における生命科学の利用
第1部 生命科学の基盤
第1章 生物とはどのようなものか?
第2章 生物を構成する基本単位:細胞
第3章 細胞の分裂
第4章 受精卵から個体への成長:動物の発生
第2部 基礎となる生命維持機構
第5章 生物を構成する物質
第6章 生体内で見られる化学変化:代謝
第7章 核酸:DNAとRNA
第8章 遺伝情報の発現
第9章 生命情報の伝達と恒常性の維持
第3部 細胞や個体の状態変化
第10章 生物個体数の増加:生殖
第11章 真核細胞の健全性維持、老化、死
第12章 がんはなぜ高率に発生し自然治癒しないのか
第13章 生体防御と免疫
第14章 感染症と病原体
第4部 生命科学の応用
第15章 遺伝子を操作する:遺伝子工学
第16章 ゲノムを解析、改変する:ゲノム工学
第17章 生命科学に基づく創薬
第18章 産業や社会における生命科学の利用
臍帯血移植20日後の造血幹細胞移植レシピエントが発熱して突然痙攣。あなたならどう診る?「造血幹細胞移植後の患者さんの感染症診療」に自信がつく、珠玉の23レクチャー。
神経疾患各領域の専門家が、国内外の最新ガイドラインから、要点と改定点・最新知見をわかりやすくコンパクトに解説。ガイドラインに則った、専門医の「診療の実際」と「処方例」も掲載し、他科の医師や研修医、開業医にも役立つ一冊です。2023-'24年版は、新たにアミロイドーシスなど8つの疾患項目を追加。さらに神経疾患全般にわたるガイドラインとして、「神経疾患のケア・リハビリテーション」の章も加え、より充実した内容となっています。
超高齢社会を迎えているわが国では,慢性期医療のニーズは高まるばかりである。しかしながら,実際はほとんどの医師が急性期病院で卒後研修を行うため,慢性期医療に詳しい医師は非常に少ない。この状況を打破するべく,慢性期病院として全国に27病院を傘下にもつ平成医療福祉グループのノウハウを詰め込み,慢性期医療のすべてを網羅した教科書として刊行するのが本書である。
急性期病院では完治を目指して検査や治療を行うが,慢性期病院では高齢患者に対する栄養管理,QOLの保持,合併症の対応などが行われる。また,高齢者特有の感染症や認知症などについての知識も要求される。実際の慢性期医療現場で要求されるのは,既存の教科書にあるような老年医療の理論ではなく,より実践的なノウハウである。
「診療」「リハビリテーション」「看護,介護」「薬剤」「栄養」まで,慢性期医療のすべてをこの1冊でマスターしてほしい。
「コロナウイルス感染対策」も、「洗浄・殺菌」の基本の徹底から!医療、食品、介護に関わる人から一般の人まで、「洗浄・殺菌」についての正しい知識をわかりやすく解説。改訂に際し、多くの方々からいただいた疑問や質問事項にも対応。
1章 洗浄や殺菌とはそもそもどういうこと?
2章 洗浄・殺菌の効果と必要性
3章 汚れが落ちるしくみ・菌が死ぬしくみ
4章 菌とウイルスはどう違うのか?
5章 食中毒・感染症とは何か?
6章 菌やウイルスが広がるプロセス
7章 洗浄剤とはどんなもの?
8章 殺菌剤とはどんなもの?
9章 人を守る手洗い・うがい
10章 効果的な洗浄・殺菌オペレーション
重要な水資源でありながら、管理を怠れば、汚染や枯渇などの災害に見舞われ易い地下水。各地の地下水の現状をつぶさに検討し、大都市の地下水の利用法を検討する。
古来、疫病は、社会を変え、歴史を変え、人々の世界観を変えてきた。いま、新たな感染症が懸念される時代に、人と病との長い歴史から、疫病の意味論を読む。
子牛の獣医療に関する情報を網羅した産業動物獣医療関係者必携の一冊。
出生後から育成期における子牛の疾病に焦点を絞り、徹底解説した子牛の総合医学書決定版!
草食反芻動物という特異な解剖学的・生理学的特徴を有する牛には、他の単胃動物と同様の疾患に加え、それらの特徴に対応した異常病態が発現する。さらに、出生段階ではそれらの特徴はまだ機能しておらず、育成段階においてはその特徴的機能へ移行しつつある状態にある。本書は、子牛の様々な疾病を臓器・部位別に整理し、最新の知見に基づいて各疾病の病態から治療・予防までをわかりやすく丁寧に解説。臨床現場で必要となる各種検査や処置の方法なども詳しく説明した産業動物獣医療に携わる方必携の一冊。
[本書のポイント]
◆子牛の疾病を網羅!
疾病ごとに、背景、症状、病態、診断、治療・予防の5つの項目に分けて詳しく解説。子牛の疾病を中心に掲載しているものの、成牛の疾病についても触れており、幅広い情報を提供。各疾患に対応したカラーページでは、明瞭な写真を豊富に掲載し、理解に役立つ。
◆臨床現場で必須の検査や処置についても詳しく解説!
臓器別の疾病の解説だけではなく、子牛の病態診断に必要な検査・診断法や検体の採取・処置に必要となる保定方法、また特に子牛に対して必要とされる処置の手法の概要など、臨床現場で役立つ技術について解説。
◆薬剤一覧など、便利な付録が充実
主要な薬剤の投与量などをリスト化した便利な「薬剤一覧」のほか、出生後の各種血液検査における値の変化などを整理した「各種血液検査」、「略語一覧」を収録。
◆総勢64名の豪華執筆陣!
臨床現場の最前線で活躍している経験豊富な臨床獣医師、大学・研究機関の専門家による、64名の「知」を集結。
鏡視下手術を中心とした肩関節の主要疾患および外傷手術を網羅し,幅広くテクニックを紹介した,肩関節の[すべて]が学べる1冊。肩関節不安定症や腱板断裂から,変形性肩関節症については人工関節(TSA)に必要な解剖からリバース型人工関節(RSA)の応用まで,また,感染症や神経麻痺,リウマチ,肩関節周辺骨折までを取り上げている。特にRSAについては章を設け,これを日本に導入し,RSAを知り尽くした菅谷先生が,豊富なイラストで懇切丁寧に解説。また,本書では一般的な解剖ではなく,疾患ごとにその手術に必要な解剖を「Anatomy Key Shot」としてイラストで示し,解剖医がわかりやすく解説。手術に必要な正しい解剖が理解できる。また,直視下手術は,写真とイラストを併記することで,リアリティとテクニックの両方を学べる構成となっている。
腎臓病と診断されたこどもや家族の不安を少しでも和らげるために、病気について理解できるように、イラストを中心にやさしく解説した本。いろいろな種類の腎臓病があることや、最新の治療法について、ていねいに解説。患者説明にそのまま使うこともできる。