本書は統語論に関する主要理論について、概要、提唱者、鍵となる用語/概念(キーターム)が手短に理解できるように編まれた用語集である。二人の著者がイタリア出身、メキシコ出身であって、新旧両世界の伝統を汲んでいること、英語で書かれているが、著者の母語がロマンス語であり、類書に見られる英語偏重を免れていること、それと関係して、多様な言語から例を挙げていて、幅広い言語事実に触れられることが大きな特徴である。
序 章 ことばから見る世界 ──言語と思考
第一章 言語は世界を切り分ける ──その多様性
色の名前
モノの名前
人の動きを表す
モノを移動する
モノの場所を言う
ぴったりフィットか、ゆるゆるか
数の名前のつけ方
第二章 言語が異なれば、認識も異なるか
言語決定論、あるいはウォーフ仮説
名前の区別がなくても色は区別できるか
モノと物質
助数詞とモノの認識
文法のジェンダーと動物の性
右・左を使うと世界が逆転する
時間の認識
ウォーフ仮説は正しいか
第三章 言語の普遍性を探る
言語の普遍性
モノの名前のつけ方の普遍性
色の名前のつけ方の普遍性
動作の名前のつけ方の普遍性
普遍性と多様性、どちらが大きいか
第四章 子どもの思考はどう発達するか ──ことばを学ぶなかで
言語がつくるカテゴリー
モノの名前を覚えると何が変わるのか
数の認識
ことばはモノ同士の関係の見方を変える
言語が人の認識にもたらすもの
第五章 ことばは認識にどう影響するか
言語情報は記憶を変える
言語が出来事の見方を変える
色の認識とことば
言語を介さない認識は可能か
終 章 言語と思考 ──その関わり方の解明へ
結局、異なる言語の話者はわかりあえるのか
認識の違いを理解することの大事さ
あとがき
参考文献
言語学は難解な学問ではない。言葉を楽しく学ぶための指針を示すものである。わかりやすい解説、時にユーモアを交えた筆致は、必ず読者を次なる韓国語の世界へと誘う。日本語教育者にも必携書。
こころと脳を探る生成文法
言語研究を認知科学、生物学の一部と位置づけて研究を進めてきた生成文法の最新入門書。今世紀以降に進展した言語の脳科学や言語の起源・進化学などの研究成果を取り入れながら、改めて言語研究の各分野の基本的知見を提示し、生成文法に基づく科学的な言語の見方を明らかにする。コラムを設けたほか、各章末に練習問題を付す。研究社ホームページには読書案内を掲載。ロングセラー『言語研究入門』(2002)の姉妹編。
→コンパニオンサイト https://www.kenkyusha.co.jp/generative_linguistics/
<目次>
まえがき
《 第I部 生成文法を学ぶための基礎知識I 》
第1章 はじめに:なぜ言語を研究するのか (大津由紀雄・今西典子)
第2章 言語知識の性質 (杉崎鉱司)
《 第II部 生成文法を学ぶための基礎知識II 》
第3章 言語の音とは:音声学・音韻論 (田中伸一)
<<第3章補足>> 音の記号:言語で異なる音の区分と性質 (田中伸一)
第4章 語とは:形態論 (長野明子)
コラム1 音と形態のインターフェイス (石原由貴)
第5章 文とは:統語論1 (小町将之・瀧田健介)
第6章 統語現象を考える:統語論2 (瀧田健介・小町将之)
第7章 意味とは:意味論1 (稲田俊一郎・猪熊作巳)
第8章 意味現象を考える:意味論2 (猪熊作巳・稲田俊一郎)
第9章 発話とは:語用論 (瀬楽 亨)
コラム2 統語と音のインターフェイス (塩原佳世乃)
コラム3 統語と意味のインターフェイス (中尾千鶴)
《 第III部 こころと脳を探る言語研究の展開 》
第10章 言語の獲得1:第一言語の獲得 (郷路拓也)
第11章 言語の獲得2:第二言語の獲得 (磯部美和・平川眞規子)
第12章 言語の運用 (大津由紀雄)
第13章 言語の変化 (宮下治政)
第14章 言語の脳科学 (尾島司郎)
第15章 言語の起源と進化 (池内正幸)
コラム4 幼児言語と自己埋め込み (照沼阿貴子)
コラム5 手話言語 (坂本祐太)
コラム6 少数言語の研究 (大滝宏一)
終 章 言語研究の展開と今後の展望
(稲田俊一郎・杉崎鉱司・磯部美和・大津由紀雄・池内正幸・今西典子)
付録
エッセイ:言語研究の楽しみ (水光雅則)
事例研究1:コーパスを使った言語研究 (深谷修代)
事例研究2:日本語と英語における結果構文とその関連構文 (阿部明子)
あとがき
いわゆる「三単現」の場合にだけ、なぜ一般動詞は末尾にーsが付くのだろう。be動詞はam, are, isなど色々な形をなぜ使い分けなければならないのだろう。英語には一見不可解なルールがあふれている。本書は古英語、ゲルマン祖語、果てはインド・ヨーロッパ祖語にまでルーツをさかのぼり、それらと比較しながら現代英語の特徴を解明する。完成されたインド・ヨーロッパ祖語が時代と共に崩れ、新たな形の言語に再構成されてゆく──。その波乱万丈の歴史を知れば、動詞の変化や厳格な語順、仮定法の感覚、綴りと発音のずれなど、難しいルールも腑に落ちるはずだ。読めば英語の見方が一変する快著。
解いて学ぶ全く新しい言語学入門書が登場!すべて4択問題。日本語教育能力検定試験の対策に。大学・大学院生の試験や専門書を読む前の準備に。
対人関係を良好に保つためにはひとはことばをどう使うのだろうか。また、文化によって違いがあるのだろうか。たとえば、日本人の謝罪の仕方や不賛成の意見の表わし方は、欧米人とどのように違うのだろうか。こうした異文化間におけることばの使い方の問題を理論と具体的な調査研究の両面から取り上げる。また、調査研究のためのデータ収集の手法も紹介する。
ベストセラー『誰とでも15分以上 会話がとぎれない話し方 66のルール』をさらにわかりやすく紹介しているのが本書。会話をするときに、自分と相手の気持ちに目を向けて、「気持ちのキャッチボールをする」というシンプルな方法で会話がドンドンふくらむコツをマンガでわかりやすく紹介しています。1話読むごとに、会話力が身について会話についての悩みが吹き飛びます!
【目次】
1章 この「聞き方」でどんな人とも会話が続く!
2章 会話がドッとふくらむ! 話題選びのコツ
3章 相手がドンドン話してくれる「質問のコツ」
4章 会話がとぎれそうなときのワザ!
5章 人の輪にスッと入れる話し方
6章 いい関係がはじまる! とっておきの話し方
7章 困ったシーン別・会話レッスン
最新の情報を盛り込みながら、日本語や英語を中心に「ことばの不思議」を紐解く言語学入門。音声・文法・意味から言語と文化の関連までを解説する。欄外にポイントやキーワードをまとめるなど、学習しやすさへの配慮を施し、知識の確認ができる練習問題も充実させた。
人工知能(AI)の現状と未来を、脳科学・工学・言語学や将棋のエキスパート達が語る。AIが人間の知能を超える地点とされるシンギュラリティについても議論。
はじめに
第1章 脳とAI
脳から見た問題解決のメカニズムーー酒井邦嘉
数理工学の方法論ーー合原一幸
次の一手を決めるプロセスーー羽生善治
鼎 談ーー酒井邦嘉/合原一幸/羽生善治
人間とAIの棲み分けと融合
「詰み」とレーサーの感覚の共通点
AIは大局観を持てるか
文脈と共感
機能の理解が課題
解 説ーー自然と人間ーー酒井邦嘉
第2章 AIは人間の脳を超えられるか
座談ー酒井邦嘉/辻子美保子/鶴岡慶雅/福井直樹
これまでのAIブーム
自己組織化する脳とコンピュータの進歩
生成文法とAI
第二次AIブームと言語学
AIと言語学の乖離
人間が持つ生得的能力
脳のプリプログラム
自然言語処理研究の現状
学習するゲームソフト
AIのクリエイティビティ
シンギュラリティのその先
タAIを人間が手放さないこと
解説ーー想像力と創造力(酒井邦嘉)
第3章 チョムスキーと脳科学
対 談ーー福井直樹/酒井邦嘉
神経科学と言語学の接点
チョムスキーの生い立ちと人となり
チョムスキーと物理学
生成文法理論の誕生前夜
構造主義との決別
『統辞構造論』の思想的背景
反戦運動と生成意味論の時代
生成音韻論と理論物理学
「規則系としての文法」から原理とパラメータのアプローチへ
次の科学革命
解説ーー言語と思考(酒井邦嘉)
おわりに
言語学の面白さ、ここにあり!言語研究において問題となる重要なトピック扱った論文と、これからの日本語論に資する著者独自の「日本語系統論」を収録。言語学を志す人、言語を愛好する人にとって真に役立つ参考図書。
豊富な図・グラフ・表を用いながら、音声コミュニケーションのシステムを紐解く待望の書。序章・調音音声学・音響音声学・知覚音声学・終章から構成。掲載図表約150点、楽しめる「コラム」約60点、理解を深める「練習問題」、「主要用語索引(付、英語訳)」。
乳幼児期の思考と言語発達の過程を研究成果とその要約、用語の説明、演習問題、参考文献を提示しながら認知言語学、発達心理学のエキスパートが徹底的に解説。早期英語教育の専門知識を明確に伝える一冊。
怪我をした教授に代わり、魔界でモンスターとの言語的&非言語的コミュニケーションの調査を任されたハカバ君。ガイドのススキと共に魔界を旅をする、新人研究者の苦悩と日常を描いたモンスター研究コメディ!
言葉のしくみと成り立ちがわかれば、語学は上達する!本書を一読するだけで、あなたの「勉強法」は大きく変わります!
東京を中心とした首都圏の話しことばは、首都圏方言と呼ばれ、多くのドラマ、漫画などの作品で用いられるほか、日本語の会話教育でも取り入れられることがある。本書では、主に漫画作品を対象として、ラ行音の撥音化(わからない→わかんない)等、首都圏方言の表現のゆれがどのように使い分けられているかに関する観察を行った。日本語学習者の表現の幅を広げる支援を行うための基礎研究となることを目指す。