日本における朝鮮語 学,日本語学の著名な研究者である門脇誠一名誉教授の退職記念として,12人の言語研究者の最新の論考を纏めた論文集。日本語,アイヌ語,朝鮮語,中国語,ウデヘ語という アジア諸言語に加えて,古代ギリシャ語,オランダ語,スペイン語にいたるまで,幅広い言語についての最新の論考を収録した。文献学,記述言語学のような伝統的な研究分野はもちろん,認知言語学,生成文法,文字論,情報論理,言語学史などさまざまな研究内容を含む。各分野の言語研究者はもとより,言語研究の方法に興味を持つ読者にとって極めて有益な論文集である。
知れば知るほどおもしろい、言葉のレシピ集!一生を日本語だけで終える日本人。ところが中華料理、タイ料理、フランス料理とあるように、美味しそうな言葉の世界はまだまだあるものだ。そんな世界へと案内してくれるのが本書である。ひとたび言葉の山麓に踏み込めば、言葉の山をめぐる旅は果てしなくおもしろい。本書がガイドするアジアの言葉の山並みを興味津々歩いてみれば、そこかしこに絶景が広がっている。
人工知能(AI)の現状と未来を、脳科学・工学・言語学や将棋のエキスパート達が語る。AIが人間の知能を超える地点とされるシンギュラリティについても議論。
はじめに
第1章 脳とAI
脳から見た問題解決のメカニズムーー酒井邦嘉
数理工学の方法論ーー合原一幸
次の一手を決めるプロセスーー羽生善治
鼎 談ーー酒井邦嘉/合原一幸/羽生善治
人間とAIの棲み分けと融合
「詰み」とレーサーの感覚の共通点
AIは大局観を持てるか
文脈と共感
機能の理解が課題
解 説ーー自然と人間ーー酒井邦嘉
第2章 AIは人間の脳を超えられるか
座談ー酒井邦嘉/辻子美保子/鶴岡慶雅/福井直樹
これまでのAIブーム
自己組織化する脳とコンピュータの進歩
生成文法とAI
第二次AIブームと言語学
AIと言語学の乖離
人間が持つ生得的能力
脳のプリプログラム
自然言語処理研究の現状
学習するゲームソフト
AIのクリエイティビティ
シンギュラリティのその先
タAIを人間が手放さないこと
解説ーー想像力と創造力(酒井邦嘉)
第3章 チョムスキーと脳科学
対 談ーー福井直樹/酒井邦嘉
神経科学と言語学の接点
チョムスキーの生い立ちと人となり
チョムスキーと物理学
生成文法理論の誕生前夜
構造主義との決別
『統辞構造論』の思想的背景
反戦運動と生成意味論の時代
生成音韻論と理論物理学
「規則系としての文法」から原理とパラメータのアプローチへ
次の科学革命
解説ーー言語と思考(酒井邦嘉)
おわりに
なぜ我々人間はことばを持つのか。我々はことばで何を問い、何を語るのか。我々は自ら発した問いにどこまで答えることができるのか。-人間の認識の限界に挑み続けてきた言語科学者チョムスキーが今、旧友の哲学者を前に、あくなき問いを語り始める。言語、科学、心、道徳、人間本性をめぐるロング・インタビュー。
言語聴覚士を志す学生、初めて本分野に興味を持った人のために、言語聴覚障害学のエッセンスを網羅する教科書。初版から内容を一新し、言語聴覚療法の普遍的な価値観、理論、技術の具体的なイメージを抱きながら学べるよう事例紹介を多用、構成にも工夫を施した。近年の言語聴覚士をめぐる環境の変化や学問の進歩も反映。国試に臨む学生の受験対策、関連分野の方が言語聴覚障害とその臨床の全体像を理解するための格好の書。
言語聴覚士養成校において地域言語聴覚療法学を学ぶ学生のための本邦初のテキストが「標準言語聴覚障害学」シリーズの1冊としてついに刊行!昨今の言語聴覚士を取り巻く状況を踏まえ,学生にとって必要な地域言語聴覚療法学に関する知識・技術・態度を解説し,今後の方向性を示します.また本書は学生のみならず,地域言語聴覚療法に関する知見を深めたい臨床家にも座右の書となる1冊。
・言語聴覚障害の診断・評価の基本概念の体系的に学び、その上で評価・診断のプロセスと思考過程の領域横断的な理解を深めます。
・言語聴覚士養成教育モデル・コア・カリキュラムの内容を網羅しています。
・教育的な典型事例を介して、現場で直面する問題を俯瞰で見る力を養います。
言語聴覚士のために作られた初めての「管理学」の教科書が、「標準言語聴覚障害学」に加わります。言語聴覚士学校養成所指定規則の令和6年改正にならい、保健・医療・福祉の諸制度、職業倫理、リスクマネジメントを含む言語聴覚士業務のマネジメント、言語聴覚士の養成教育、キャリア教育の概要を網羅します。これらを学ぶことを通じて、言語聴覚障害の多岐にわたるニーズに応える言語聴覚療法を展開することをめざします。
世界の人々の移動を背景に、第二言語習得の分野では学習者の個人差に関する研究が活発になってきた。個人差を理解し、学習者への細やかな支援を行うにはどうすべきか。日本語教育分野の個人差研究を概観し、今後の展望や課題を示す。
■「はじめに」より
これまで個人差要因を扱った学術書は何冊か存在するが、日本語学習者に関する個人差研究をまとまった形で読むことができるものは少ない。そこで、日本語教育分野の個人差研究を概観し、今後の展望や課題を示すことを目的として執筆したのが本書である。
本書は、第二言語習得に関わる個人差について基本的な知識を持つ大学生・大学院生や、この分野に興味を持つ言語教育関係者および研究者を対象にしているが、研究や教育の枠にとらわれず、できるだけ多くの方に手に取っていただければ嬉しい限りである。
第1章 第二言語習得における個人差
1. はじめに
2. SLA研究と個人差の捉え方についての変遷
3. 個人差研究の動向と各章の概要
第2章 ワーキングメモリ
1. はじめに
2. ワーキングメモリ研究の概観
3. SLAにおけるワーキングメモリ研究の展望
第3章 言語適性
1. はじめに
2. 適性研究の概観
3. 今後の展望
第4章 ビリーフ
1. はじめに
2. ビリーフ研究の概観
3. 今後の展望
第5章 第二言語不安
1. はじめに
2. 第二言語不安研究の概観
3. 今後の展望
第6章 動機づけ
1. はじめに
2. 第二言語教育における動機づけ研究の概観
3. 日本語教育における動機づけ研究
4. 今後の展望
第7章 第二言語の習得とアイデンティティ
1. はじめに
2. アイデンティティとL2習得研究の概観
3. 今後の展望
中国帰国者の子どもたちがどのような学校生活を送っているのか。2年弱にわたるフィールドワークをもとに描いた学校エスノグラフィー。
この辞典は、現代の用語、日常生活のさまざまな分野でことばとして遭遇する事項、百科の万般にわたって項目を精選し、それぞれに簡潔な説明ができるように企画したものである。項目の選定は、「日本国語大辞典」(全20巻・縮刷版全10巻)、「国語大辞典」(全1巻)を基礎にして、これに新たな項目を補った。収録した項目は、現代語・日常基本語から、地名・人名・書名などの固有名詞、各分野での専門用語、時事用語など多岐にわたり、15万項目余である。
母・鄭靖和の『長江日記』に続き二代にわたって臨時政府の志を守り抜いた市井の韓国人の歴史的自伝。著者は1928年に大韓民国臨時政府で生まれ17歳で解放を迎え、南北分断・朝鮮戦争・独裁政権と続く激動の韓国現代史を言論人、実業家として誠実に生き抜く。
大韓民国臨時政府の設立から100年を迎えたが、その資料は少ない。本書は、臨時政府と国内の独立運動家たちの姿を、生活と運動を共にした女性の目をとおして生々しく描いた回想録であるとともに、臨時政府についての歴史的にも貴重な資料である。
出版にあたって 拙いことを知りつつもすべてを語る言葉[鄭靖和]
1.北に行く夜行列車
2.鴨緑江を越える
3.逮捕
4.一九二〇年代の上海
5.上海脱出
6.燃えあがる中国大陸
7.水の上の亡命政府
8.花灘渓の青き流れ
9.朝鮮義勇隊と光復軍
10.重慶の臨時政府の人びと
11.大陸を濡らした血と涙
12.日本の降伏
13.祖国へ向かう道
14.喜びと悲しみの地
15.民族は分裂し……
16.北から来た人
17.監獄生活
18.明け方の引越し荷造り
母について 時代の呼び声に両手を合わせて[金滋東]
鄭靖和年譜
訳者あとがき 小さな声で語りつがれる人びとの記憶[姜信子]