エネルギー変換の基礎となる学術は熱力学ですが,熱力学については苦手意識を感じている人も多いのではないでしょうか。いきなり抽象的な概念や状態量などが天下り的に数多く出てきたり,難しい数式が展開されていたりすることが,多くの人に熱力学が難解だと感じさせる理由ではないかと思います。ただし,エンタルピーやエントロピーなどが導入されたのはそれなりの背景や理由があり,その動機や視点は非常にシンプルです。自分が実際に冷凍サイクルや燃料電池の設計に関わった経験からも,なぜエンタルピー,エントロピー,ギブス自由エネルギーといった状態量が導入されたのか,そしてそれらがいかに便利なのか,これらを知ることが理解の近道だと考えます。
本書は,大学の学部等で熱力学を一度学んでエンタルピーやエントロピーなどの名前はもちろん知ってはいるものの,それらを使いこなしてエネルギー機器を設計することなどについて,今一つ自信が持てない大学院の学生やあらためて勉強し直したいと思っている設計者の方々等を対象に執筆しました。本書とすでにお持ちの基礎的な熱力学の教科書とをセットで,ぜひ熱力学の実用的な意味を理解していただき,将来のエネルギー機器の研究開発に活かしていただければ幸甚です。
1.「仕事」と「熱」の総量
1.1 概要
1.2 定圧の閉じた系
1.3 定常流動系
1.4 膨張仕事(絶対仕事)と工業仕事
1.5 非膨張仕事
演習問題
2.「仕事」と「熱」の内訳
2.1 概要
2.2 可逆プロセスにおける仕事と熱の識別
2.3 不可逆プロセスの仕事と熱
2.4 定温・定圧プロセスの最大非膨張仕事
2.5 定温・定圧プロセスにおける自発変化
演習問題
3.「状態量」の求め方
3.1 概要
3.2 標準生成エンタルピー
3.3 標準生成ギブス自由エネルギー
3.4 ギブス自由エネルギーの圧力依存性
3.5 化学ポテンシャル
3.6 フガシティーと活量
3.7 化学平衡
3.8 相平衡
演習問題
4.エクセルギー(有効エネルギー)
4.1 概要
4.2 エクセルギーとギブス自由エネルギー
4.3 エクセルギー率100%のエネルギー
4.4 温度が一定の熱源のエクセルギー
4.5 閉じた系のエクセルギー
4.6 定常流動系のエクセルギー
4.7 燃料のエクセルギー
4.8 熱交換のエクセルギー損失
4.9 タービンとコンプレッサーのエクセルギー損失
4.10 ランキンサイクルとブレイトンサイクルのエクセルギー
4.11 冷凍サイクルのエクセルギー
4.12 エクセルギーから見た火力発電の効率の変遷
演習問題
5.電池
5.1 概要
5.2 電池の電位差
5.3 標準電極電位
5.4 ネルンストの式
演習問題
6.エネルギー問題と熱力学
演習問題
引用・参考文献
演習問題解答
あとがき
索引
化学の基礎を学んだ大学生、あるいは他分野で電気化学の知識を必要とする技術者・研究者のための参考書。多数のユニークな図とていねいな解説、深い議論により、電気化学をその原理からとらえ直し、より深く理解することができるだろう。
1.電気化学システム
2.平衡論
3.速度論
4.電気化学システムの特性
絹、生薬、食用、木材、製紙原料…古代から人間の生活を支え、豊かにしてくれてきた桑。おもな桑の特徴、養蚕の起源と伝播、文化や芸術に与えた影響ほか、中国から世界中に渡った桑の木の驚くべき物語。カラー図版約100点。
大学受験の「バイブル」として長年親しまれてきた「難問題の系統とその解き方 物理」が,新装第3版としてリニューアルしました。旧版を「力学,熱,波動 編(本書)」と「電磁気,原子 編」に分け,それぞれ1冊に。内容はそのままに,文字の大きさなどデザインを刷新。より読みやすく,使いやすくなりました。例題と93の演習問題で受験に勝つ,受験生必携の書です!
Chapter1 力学
Section1・力と運動 〈要項,例題1 〜 16,演習問題1 〜 17〉
Section2・保存則 〈要項,例題17 〜 32,演習問題18 〜 39〉
Chapter2 熱
Section1・熱力学 〈要項,例題33 〜 40,演習問題1 〜 11〉
Section2・気体分子運動論 〈要項,例題41,42,演習問題12 〜 16〉
Chapter3 波動
Section1・波動一般 〈要項,例題43 〜 53,演習問題1 〜 26〉
Section2・具体的な波 〈要項,例題54 〜 61,演習問題27 〜 38〉
演習問題の解答 ※分冊されています
本書は、大学ではじめて化学を学ぶ理工系や医薬系の学生のための教科書である。高校で化学を学習しなかった学生でも、数学や物理の基礎的素養があれば十分理解できるよう丁寧に解説されている。まず、分子とは何かが明解に示され、物質の状態、化学反応などの基礎を詳説し、つづいて分子構造、熱力学、反応速度、有機化学、無機化学、光と色の化学などについて述べる。さらに、現代の産業を支える化学技術として高分子化学、創薬化学、セラミックスなどの最新の話題にも言及する。大学で実際に講義を担当している著者らにより執筆されている本書は、世界的な標準シラバスに準拠した内容を、読者が興味をもって学べるように教育的配慮が十分なされている。
本書では,自動車用ガソリンエンジンについて,これまで行われてきた代表的なモデルをまとめるとともに,最新のモデリング手法を解説する。また,自動車用エンジンシミュレーションコードHINOCAを用いた解析事例を紹介する。
★主要目次★
1. 序章
1.1 高度化する自動車エンジン
1.2 複雑化するエンジンシステム全体の開発プロセス
2. 熱・流動のモデリング
2.1 序論
2.2 理論
2.3 HINOCAを使った計算事例
3. 燃料噴霧のモデリング
3.1 概要
3.2 理論
3.3 HINOCAによる計算事例
4. 火花点火のモデリング
4.1 放電の理論
4.2 各種点火モデル
4.3 放電経路を考慮した点火モデル
4.4 超希薄燃焼での火炎核成長モデル
5. 火炎伝播モデル
5.1 序論
5.2 理論
5.3 HINOCAによる計算事例
5.4 ノックモデル
6. PMモデル
6.1 概要
6.2 理論
6.3 計算例
7. 今後のモデリングの展望
7.1 将来のシミュレーション像
7.2 計算の高速化
7.3 化学反応ソルバーの大規模化,高速化
7.4 格子自動細分化1. 概要
1.1 高度化する自動車エンジン
1.2 複雑化するエンジンシステム全体の開発プロセス
2. 熱・流動のモデリング
2.1 概要
2.2 理論
2.3 HINOCAによる計算事例
3. 燃料噴霧のモデリング
3.1 概要
3.2 理論
3.3 HINOCAによる計算事例
4. 火花点火のモデリング
4.1 放電の理論
4.2 各種点火モデル
4.3 放電経路を考慮した点火モデル
4.4 超希薄燃焼での火炎核成長モデル
5. 火炎伝播モデル
5.1 概要
5.2 理論
5.3 HINOCAによる計算事例
5.4 ノックモデル
6. PMモデル
6.1 概要
6.2 理論
6.3 計算例
7. 今後のモデリングの展望
7.1 将来のシミュレーション像
7.2 計算の高速化
7.3 化学反応ソルバの大規模化,高速化
7.4 格子自動細分化
1.本書の特徴
本書は,今後量産加工として期待される,CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂)を用いて,板材からプレス成形したり,ビレットから鍛造成形したりする「塑性加工」について解説する.
炭素繊維強化樹脂(CFRP)は軽くて強度があり,機器の軽量化によって運転エネルギーコストの低減や,身につけた場合の負担軽減などに幅広く活用されると期待されている.しかし,これまでのCFRPは主に熱硬化性樹脂を用いており,成形したものを変形させたり,リサイクルしたりすることが困難である.今後の量産プロセスには,金属の塑性加工のように,目的の形状へ変形できる特性が必要である.これを実現するのがCFRTPである.加熱して樹脂を溶融させれば変形加工ができ,冷却すれば固まる材料である.
2.特にこだわったところ
「塑性加工」という言葉を用いたのは,これまで金属材料の塑性加工に関わっていた方にも,CFRTPを用いれば,塑性加工のような変形加工が可能であることを知っていただくためである.また世の中の量産加工には,塑性加工が幅広く使われていることを一般の方にも理解していただくためである.
CFRTPの塑性加工おいては,加工中に炭素繊維がどのように変形するかを理解することがキーポイントである.本書では,一方向炭素繊維,織物炭素繊維のプレス成形における繊維の変形について詳しく解説する.また積層プレートにおける変形についても詳しく解説する.
次に重要なポイントは,加工後も炭素繊維と樹脂の密着性が保たれるように,変形後の冷却まで圧力を保つことである.この温度・圧力プロセスについて詳しく解説する.
さらに不連続炭素繊維を用いた加工について,リブ成形や鍛造成形,歯車成形など,具体例を通して解説する.
続いて,CFRTP塑性加工の発展として,接合,切断,パイプ成形,3Dプリンティングなど,各種の応用加工についても解説する.
3.本書の効用
これまで金属の塑性加工に関わってきた方は,「塑性加工」の視点から,CFRTPの塑性加工にチャレンジできる.一方,これまでプラスチックの射出成形に関わってきた方は,熱可塑性樹脂の視点からCFRTPの加工にチャレンジできる.そして,繊維に関わってきた方は,繊維の視点からCFRTPの加工にチャレンジできる.ぜひ本書の知見をもとに,「CFRTPの塑性加工」という新しい量産加工にチャレンジして,日本のものづくりの底力を発揮していただきたい.
そして,地球温暖化を防ぐ材料の切り札である炭素繊維複合材料を用いたものづくりに興味のあるすべての方々の知見となることを期待する.
◆これならわかると評判のテキストがパワーアップ!◆
多くの学生・エンジニアの学びを支えてきた定番書が,フルカラー化でさらに見やすく,わかりやすくなりました.
初学者だけでなく,学びなおしの社会人にもおススメです.
《本書の特長》
○ポイントを押さえた明快な図版
注目すべき箇所ごとに一つひとつ図を掲載.
材料に発生する力や変形の関係がスムーズに把握でき,立式までの流れがイメージしやすくなっています.
○省略なしのていねいな解説
数式の変形も理論の展開も,一歩一歩しっかり説明.
各章末の演習問題には,すべて詳しい解答がついており,つまずくことなく学習が進められます.
○理論だけでない学びのフォロー
「力の矢印はどちらに向ける?」「単位はどう扱う?」「応力円の作図のコツは?」「覚えるべき式とは?」
といった初学者の疑問にも答えます.
*この画面の「ダウンロード」タブにてWeb版補遺を公開.
「コイルばね」「衝撃応力」「モールのひずみ円と平面応力のフックの法則」を掲載しています.
第1章 応力,ひずみおよび単位
第2章 フックの法則
第3章 材料の引張試験と許容応力
第4章 組合せ構造物
第5章 熱応力
第6章 棒材の少し複雑な問題
第7章 平面応力とモールの応力円
第8章 薄肉かく
第9章 はりの断面に働く力とモーメント
第10章 断面二次モーメント
第11章 はりの曲げ応力
第12章 はりのたわみ
第13章 不静定はり
第14章 平等強さのはり
第15章 軸のねじり
第16章 長柱の座屈
第17章 カステリアーノの定理
試験直前対策用まとめ
練習問題の解答
索 引
化学には有機化学、無機化学、高分子化学、生化学、分析化学など、いろいろな領域があります。そのような中にあって、量子化学は化学の全ての領域にまたがった、化学の根本を明らかにしようとする分野といえます。「量子力学」の諸原理を化学の諸問題に適用し、原子と電子の振る舞いから分子構造や物性、あるいは反応性を理論的に説明づける学問分野である「量子化学」を、直観的にとらえられるよう易しく解説していきます。
訳者のことばから:今回の改訂で「生命科学のための物理化学」は,その教科書としての完成形に仕上がったのではないだろうか.序にあるように,著者の願いは『物理化学の精密さを保持しながら生命科学へと応用するために,その両局面をほどよく融合させた姿を読者に感じとってもらう』ことである.そのための方策の一つとして,第3版では教材の提示の仕方が大きく変更された.すなわち,設定された13のテーマ(Focus)に対して,関連するトピックが数個ずつ配置され,その下に幾つかの節が設けられている.この構成によって全体の見通しが格段によくなり,個々の内容が一目瞭然になったから,学生にとっても教える側にとっても取り組みやすくなっている.
食品の調理や加工、保存性などに深い関わりをもつ“水”。その特性や機能を具体的な現象を通して解説。
1. 水の化学
2. 水の溶解と分散
3. 濃度差の関与する現象ー拡散、浸透圧、透析ー
4. 水の液性と溶解成分の作用
5. 酵素反応
6. 状態の変化に伴う物性の変化の利用
7. 食品の加熱による変化
8. 吸湿と乾燥
9. 電子レンジ
10. 結合水と自由水
ー機械工学と機械技術の基礎と応用についてまとめたロングセラーテキストー
機械工学の基礎である,材料,機構,力学,設計に加え,制御・メカトロニクスやCAD・CAM・CAEなどの情報処理の話題まで,幅広い分野をやさしくていねいに解説した入門書です.
1998年の初版発行以来,多くの学校で採用され,多くの学生に学ばれてきた,わかりやすさに定評のあるテキストの改訂第3版です.
第1章 機械の仕組み
第2章 機械材料
第3章 材料力学
第4章 機構学
第5章 機械設計・製図
第6章 機械力学
第7章 機械製作法
第8章 熱力学
第9章 流体力学
第10章 制御・メカトロニクス
第11章 機械と情報処理
近代科学の限界を考えるさい重要なのは、人間の自然言語の特性に関する言語使用問題の再検討ではないか。歴史の中の科学者とは何かを考えてきた著者の到達点。
本書は、豊富な実践経験をもった研究者によってさまざまな応用分野に役立つように体系立てて編まれた、原子・分子シミュレーションの入門書である。
汎用有限要素法解析ソフトウェアAnsysをわかりやすく解説!
本書は、汎用有限要素法解析ソフトウェア「Ansys」(アンシス)使った工学解析の実際を、ソフトの使い方を含め、わかりやすく解説したものです。
構造、モード(振動)、連成解析など、「Ansys」のもつ多種・多機能という特性を1冊にまとめ、初めての人でも容易に習得できるよう図説しています。
今回の改訂では、前版2005年発行『有限要素法解析ソフトANSYS工学解析入門(第2版)』を継承・発展させた内容とし、2編の解析の実際は[WorkBench]上での解析法および解析結果の評価を、実験や理論と比較して解説し、2編の各章末に[演習課題]+[解答]を掲載。
大学・高専の教科書として、また技術者の操作マニュアルとして好適です。