2003年4月に行われた法制史学会第55回総会におけるシンポジウム「ジェンダーの法史学ー近代法の再定位・再考」の成果をまとめた論攷を収録。日本の法文化とジェンダー秩序との相互関係を歴史的に検討する。
第1章 「ジェンダー法史学」のための諸前提
第2章 いくつかの論点ー議論の架橋をめざしてー
第3章 近代市民法とジェンダー
第4章 近代日本の家族法制とジェンダー
ー親権概念の形成ー
第5章 近代ドイツの労働法制とジェンダー
ー女性労働者の制度的権利保護ー
第6章 近世日本の刑事法制とジェンダー
第7章 日本近代刑事法におけるジェンダー
第8章 清代法におけるジェンダーの構築
第9章 フランス法制史からのコメント
第10章 中国法制史からのコメント
第11章 日本法制史からのコメント
第12章 ジェンダー法史学ー今後の課題と展望
性教育、ジェンダー・フリー教育、家庭科教育を、共通にジェンダー/セクシュアリティの教育を受け持つ教育としてとらえ、バッシングの本質を明らかにし、それを乗り越えるジェンダー/セクシュアリティの教育の方向性を提案する。
バックラッシュに反撃する! 男女平等や性の自己決定を主張し市民権を得ているジェンダーという概念に対して、全国で曲解や歪曲に基づく批判=バックラッシュが巻き起こっている。それらの反動性を徹底的に批判し、ジェンダー概念の深化を探る。
「性差」や「文化的・社会的性」と訳されるジェンダー。その概念が日本に導入された際の困難を辿り、ジェンダー史成立までを描く。研究をリードしてきた著者の多彩な成果を集めた、ジェンダー史を学ぶ人々に贈る必読の書。
「生まれる」から「死ぬ」までの身近なできごとを問いなおし、そこにひそむ「性差」の圧力を浮かび上がらせる。好評のテキストを全面改訂。
母系社会とは、本当に、女性にとって理想的な社会なのだろうか?20世紀初頭、世界最大の母系社会といわれる西スマトラのミナンカバウに生まれ、インドネシア初の女性ジャーナリストとして、女性の進歩と地位向上のために全力で闘ったロハナ。長年にわたる現地調査から、彼女の活動を通して、母系社会の実相に迫る。
日本では、1990年代末ごろから、性教育、「ジェンダーフリー」教育へのバッシングが強められ、さらに、格差社会の進行のなかで、子どもたちの学力格差の拡大が大きな問題となってきました。今回、これまでの調査を「ジェンダー・セクシュアリティと教育」に焦点化して刊行することにしたのは、このような日本の状況とは、まったく違う理念と施策のもとで、フィンランドのジェンダー平等の進展があり、子どもたちの高い学力が生み出されていることを、広く知ってもらいたいと切に考えたからです。
コミュニケーションやストレスはジェンダー・タイプに関係していた。
ジェンダー法律学を様々な分野から考案した入門テキスト。スタンダードな立場から統計資料や図、表などを使い解説。さらに学習を深めたい人のために参考文献を掲載。最新の法改正や統計情報の変更にあわせて改訂。
長谷川眞理子・柏木惠子・金城清子・江原由美子・舘かおる他各分野の第一線の研究者が自らのジェンダー学との出会いを語り、読者を新たな知の地平へと誘う。
刑事手続における被疑者・被告人の適正手続の保障に反することなく被害者の安全と権利は如何に守ることができるのか。米国DV防止法・加害者逮捕政策をもとに「配偶者暴力防止法」改正を考える。
西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか。ロティ『お菊さん』に加え、ロング、ベラスコ、プッチーニによる三つの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。
まえがき 5
第1章 ピエール・ロティ『お菊さん』(一八八七/九三)
*幻想に裏切られた西洋人がみた日本女性 11
第2章 ジョン・ルーサー・ロング『蝶々夫人』(一八九八)
*現実からイメージへの変換 55
第3章 デイヴィド・ベラスコ『蝶々夫人』(一九〇〇)
*原作小説はどのように書きかえられたか 87
第4章 ジャコモ・プッチーニ『蝶々夫人』(一九〇四)
*西洋の観察者、東洋の死体 113
第5章 パウル・レーヴェン『バタフライ』(一九八八)
*バタフライはなぜ宿命の女ではないのか 145
第6章 デイヴィド・ヘンリー・ウォン『M・バタフライ』(一九八八)
*パロディによる「美しい物語」の解体 173
あとがき 201