歴史的事象をめぐる記憶には、国家・地域、階層、ジェンダー、世代といった社会的条件による多様な差異が存在する。では、その背後にはいかなる政治的力学と歴史的変動が作用しているのか。
本書は朝鮮戦争を題材にした小説、映画、テレビドキュメンタリー、また戦跡地、記念碑など多様なメディア表象を分析する。とりわけ「386世代」に着目し、人種、ジェンダー、国籍、エスニシティ、年齢 といった複数の要素が交差するなかで、記憶がいかに構成され、変容してきたのかを明らかにする。
序章 戦争の記憶と世代の記憶
第一章 記憶の継承と記憶の差異(記憶と人種)
第二章 戦争の記憶と勝利の影〜戦死という正義(記憶と階級)
第三章 統一と平和の間〜記憶と世代のエンテレケイア(記憶と世代)
第四章 境界に立つ〜激戦の記憶と観光という忘却が交わる場(記憶と忘却)
終章 世代の記憶と未来の記憶