「声」を担ってきたアナウンサーたちは、「アナウンサーらしさとはなにか」、「なぜ女はアシスタントなのか」、「メディアの送り手は何をなすべきか」などの問題とどう向き合ってきたか。アナウンサーを生きる、彼女(彼)らのライフストーリーやインタビュー調査を通じて、更には、元フリーアナウンサーである著者が長年アシスタントをつとめたラジオ番組の事例から考える。
こころとからだの有機的関連性を軸に、「生命」、「人間」、「健康」、「精神」について、健康とは何かを考えていく。統合科学(メタサイエンス)として心身健康科学という新たな学問領域に多角的にアプローチ。その際「健康のあり方」や「人類の幸福」、生命進化の視点からは、「人・自然・文化との共生」や「生態系との共存」、「生きる価値観」や「真の生きがい」といった論点にも触れている。
日本における移民の社会的統合状況につき階層論をベースに検証。移民受け入れをめぐる観念的議論を超え、具体的な課題を展望する。
国勢調査個票データを用い、日本における移民の社会経済的状況を定量的に分析、その傾向と特徴をナショナルレベルで明らかにする。文化的共生に重点が置かれてきた日本における移民研究を階層概念を軸に再構成、欧米の移民研究との理論的接続をはかり、移民の社会的統合を進めるにあたり具体的な議論につなぐ視点を提供する。
はじめに
第I部 問題の所在,及びその背景
第1章 現代日本における移民受け入れと社会学的課題
1 現代日本における移民受け入れとそれをめぐる政策論争
2 移民受け入れをめぐる社会学的課題
3 本研究の目的,及び構成
第2章 近代以降の日本における移民受け入れの歴史ーー国際移動転換の観点から
1 現代日本における国際移動転換と移民人口の増加
2 諸外国における国際移動転換
3 日本を取り巻く国際移動の歴史
4 社会変動の主要因としての国際移動転換
第3章 日本の移民研究における方法論的課題ーー移民の階層的地位に注目して
1 移民研究における移民の階層的地位
2 米国を中心とした欧米の移民研究における階層的地位の位置づけ
3 日本の移民研究における理論的枠組み
4 日本の移民研究における社会的統合アプローチの可能性
第II部 移民の階層的地位に関する実証研究
第4章 移民男性の労働市場への統合状況とその要因ーーImmigrant Assimilation Modelに基づく分析
1 日本における外国人人口の増加とその階層的地位
2 先行研究の検討
3 命題,及び探究課題
4 記述統計による分析
5 多変量解析による分析
6 外国人の労働市場への緩やかな統合
第5章 ジェンダーの視点から見た移民女性の階層的地位
1 日本における「移民の女性化」
2 移民研究におけるジェンダー
3 命題,及び探究課題
4 記述統計による分析
5 多変量解析による分析
6 日本における「二重の障害」仮説の妥当性
第6章 移民第二世代の教育達成に見る階層的地位の世代間移動ーー高校在学率に注目した分析
1 移民第二世代の教育達成の重要性
2 先行研究の検討
3 本研究の命題と探究課題
4 記述統計による分析
5 多変量解析による分析
6 移民第二世代の教育達成に見る階層的地位の世代間移動
第III部 展望
第7章 現代日本における移民の社会的統合とその展望
1 本研究で明らかにされたこと
2 現代日本における移民の社会的統合とその展望
あとがき
初出一覧
参考文献
図表一覧
事項索引
人名索引
派遣切り、ワーキングプア、就職氷河期…すべてを「小泉改革」のせいにしていいのか?“人事・雇用のカリスマ”が定説、俗説を斬る。
敗戦直後からGHQの主導で行われた教育改革によって、男女平等の精神に基づく女性の大学教育が成立した。その後、1950年代初頭までの間、全国各地で女子大学の設置が相次いだほか、男子大学の共学大学化が進んだ。
日本における女性の大学教育の成立について、特性教育の行方にも言及しつつ、豊富な資料をもとに検証する。女子高等教育史に関心を持つすべての人、必読の書。
序 章
第一章 戦後旧学制下の女性の高等教育改革をめぐる動向
第一節 一九四五年以前の女性の大学教育をめぐる展開と課題
第二節 女子教育刷新要綱を中心とした政策形成過程
第三節 既設大学の門戸開放とその特徴
第四節 専門学校・大学予科・旧制高等学校の門戸開放
第五節 女子医学専門学校の大学昇格
第六節 家政系・文学系女子大学の設立をめぐる動向
第七節 敗戦後の女子専門学校の拡大
第二章 新学制の確立過程と女性の大学教育
第一節 アメリカ教育使節団による改革の提言
第二節 日本国憲法の制定と女性の教育改革
第三節 教育刷新委員会における女子高等教育論議
第四節 教育基本法・学校教育法の制定と女性の高等教育改革
第五節 共学・別学についての方針とその数的概要
第三章 CI&Eの改革方針と女子大学設置の条件整備
第一節 CI&Eの全体的な改革方針
第二節 女子教育研究会・女子大学連盟の結成と活動
第三節 女子大学設置関係基準の設定
第四節 女子大学の設置時期をめぐる対立
第四章 新制女子大学の設置とその特徴
第一節 一九四八年の五女子大学設置とその意義
第二節 国立女子大学の設置過程
第三節 公立女子大学の設置過程
第四節 一九四九年以降の私立女子大学の設置過程と女子大学の論拠
第五節 女子大学の教育目的とその特徴
第六節 学部・学科組織の特徴と女子大学の諸相
第七節 短期大学の制度化
第八節 個別短期大学設置の背景と実態的側面
第五章 女子高等教育機関の共学大学化
第一節 広島女子高等師範学校の広島大学への統合
第二節 公立女子専門学校の共学化
第三節 女子薬学専門学校の共学・別学の選択
第四節 同志社大学・青山学院・明治大学での共学・別学の選択
第六章 共学大学の成立とその諸相
第一節 大学共学化の意義と大学側の論理
第二節 設置主体別・統合形態別にみる共学化の背景と数的実態
第三節 共学大学での女子学生
終 章
あとがき
女性の大学教育成立史年表(一九四五年八月〜一九五二年)
初出論文一覧
資料調査機関一覧
資料調査協力者一覧
カバー・各章扉写真出典一覧
索引
最新2020年度問題を収録!
女性の生きづらさはどこからきているのか。その解消や緩和のために何ができるのか。臨床現場に近しい心理学者や実践家が真摯に向き合い,女性たちの声をすくいあげる。現代のジェンダーに埋め込まれた生きづらさ,マイノリティ性の問題に対して一石を投じる。
●第1部 子どもの生活とジェンダー
第1章 子どもたちの生活実態とジェンダー──さまざまな相談の現場から(小林幹子)
第2章 はじき出された少女たち──少年院の女子少年からみえる世界とは(鈴木育美)
●第2部 青年期をめぐるジェンダー
第3章 女子大学生の時間的展望──過去,現在,そして未来(都筑 学)
第4章 デートDV──「一心同体の恋人関係」に潜む危険性(松並知子)
第5章 性を超えようとする人たち──マイノリティと呼ばれて(薛 小凡)
●第3部 家族・子育てをめぐるジェンダー
第6章 育児休業の光と影ーー母親に取得が偏る実情が物語るもの(瓜生淑子)
第7章 「子どもを預ける」「子どもを預かる」──女性の仕事の格差と葛藤(清水民子)
第8章 母親の人生は誰のものか──障害児を育てる母親の語りから(沼田あや子)
第9章 保育という仕事──母性的ケアと労働のはざまで(五十嵐元子)
●第4部 社会のなかで生きぬく女性たち
第10章 女性が女性を支援すること──支援される者との対等な関係は成立可能か(沼田あや子・五十嵐元子)
第11章 女性と非正規労働──派遣労働に着目して(田口久美子)
第12章 「となりにいる」フェミニストたち──the personal is politicalのいま(青野篤子)
第13章 戦争と平和と女性──被爆女性のライフヒストリー(青野篤子・田口久美子)
大韓民国臨時政府の設立から100年を迎えたが、その資料は少ない。本書は、臨時政府と国内の独立運動家たちの姿を、生活と運動を共にした女性の目をとおして生々しく描いた回想録であるとともに、臨時政府についての歴史的にも貴重な資料である。
出版にあたって 拙いことを知りつつもすべてを語る言葉[鄭靖和]
1.北に行く夜行列車
2.鴨緑江を越える
3.逮捕
4.一九二〇年代の上海
5.上海脱出
6.燃えあがる中国大陸
7.水の上の亡命政府
8.花灘渓の青き流れ
9.朝鮮義勇隊と光復軍
10.重慶の臨時政府の人びと
11.大陸を濡らした血と涙
12.日本の降伏
13.祖国へ向かう道
14.喜びと悲しみの地
15.民族は分裂し……
16.北から来た人
17.監獄生活
18.明け方の引越し荷造り
母について 時代の呼び声に両手を合わせて[金滋東]
鄭靖和年譜
訳者あとがき 小さな声で語りつがれる人びとの記憶[姜信子]
共用試験、臨床実習、医師国家試験に対応。卒後の臨床研修や研究現場でも使える。300点超のフルカラー顕微鏡写真。携帯できる組織学!
・20世紀最大の女性経済学者であるジョーン・ロビンソン。
・彼女がいかにしてケインズをとりまく学者たちの頂点に登りつめたか。その秘密が初めて明らかになる。
20世紀を代表する女性経済学者、ジョーン・ロビンソンは、男性社会であるケンブリッジ大学の知識人のなかで、いかにして自らの地位を確立し、研究成果を認められたのか。ケインズをめぐる人間模様を、膨大な書簡から詳細に描き出す。ケインズ『一般理論』の形成、そして「ケインズ革命」を知る上で重要な一冊。
プロローグ 男性経済学者たちが織りなすコラージュから浮かんでくる女性
ロビンソン夫人に乾杯!/職業的アイデンティティとアカデミックキャ
リアの形成/ローカル・ヒストリーの試みとミクロ的視点/本書が目指
す方向性、そして注意点
第1章 理論家らしからぬキャリア
1938年 2月、ケンブリッジにおける念願達成/名声を得る/成功を収
めるーーケンブリッジの経済学者になるための方法(1900-30年
頃)/男だけの世界/「分析的経済学者」--職業的アイデンティテ
ィの形成(1930-31年)/学界でのキャリア形成の戦略
補 説 ロビンソンとカーン
友情とキャリア形成/親しくなる二人/いつ帰国するの?/過ぎていく
だけの時間、1933-37年/精神疲労で倒れる/説明と再確認/アレク
サンダーの死
第2章 『不完全競争の経済学』の誕生
マーシャル・ギルド/対話としての研究/アメリカでのカーンとロビン
ソン/1930-33年のケンブリッジにおける業績主張/「ロビンソン時
代」について補足ーーその家事マネージメント術と金銭状況について
第3章 ケインジアンになる
パトロンのいない被保護者/ケインズ=ハイエク論争/トランピント
ン・ストリート学派宣言/党派主義者/マクミラン社長の評価/ケイ
ンズへの接近を模索する/ピグーの『失業の理論』への匿名書評/貨
幣理論を学習する/学内政治/『一般理論』の草稿を読む/革命的布
教者/講義リスト論争/あっけのない結末ーー講師への就任/
エピローグ 「ジョーン・ロビンソンとは何者なのでしょうか?」
歴史叙述における二つの方法/戦略的な賢さ/印象管理術/戦略として
の簡単化
2022年のエピローグ
訳者あとがき(安達 貴教)
原注
参考文献
索引
具体的で身近な話題を提供し、経営学への親近感を持てるように工夫された、経営学の理論と概念を解説する初学者向けテキスト。
ドラッカー、ポーターしか知らないあなたへ。
「ビジネススクールで学べる経営学は、最先端からかけ離れている!」
米国で10年にわたり経営学研究に携わってきた気鋭の日本人学者が、
世界最先端の経営学から得られるビジネスの見方を、
日本企業の事例も豊富にまじえながら圧倒的に分かりやすく紹介。
世界の最先端の「知」こそが、現代のビジネス課題を鮮やかに解き明かす!
【Part1】いま必要な世界最先端の経営学
第1章 なぜビジネススクールでは最先端の経営学が学べないのか
第2章 「経営学は役に立たない」についての二つの誤解
【Part2】競争戦略の誤解
第3章 あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
第4章 成功しやすいビジネスモデルの条件とは何か
【Part3】先端イノベーション理論と日本企業
第5章 イノベーションの絶対条件!「両利きの経営」を進めるには
第6章 なぜ大企業は革新的イノベーションについていけないのか
第7章 「チャラ男」と「根回しオヤジ」こそが、最強のコンビである
【Part4】最先端の組織学習論
第8章 組織の学習力を高めるには、「タバコ部屋」が欠かせない
第9章 「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い!
第10章 「失敗は成功のもと」は、ビジネスでも言えるのか
【Part5】グローバルという幻想
第11章 真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない
第12章 「世界がグローバル化した」「フラット化した」を疑え
【Part6】働く女性の経営学
第13章 日本企業に、ダイバーシティー経営は本当に必要か
第14章 男性中心職場での「できる女」の条件
【Part7】科学的に見るリーダーシップ
第15章 これからのリーダーシップに向くのは、どのような人か
第16章 成功するリーダーに共通する「話法」とは
【Part8】同族企業とCSRの功罪
第17章 日本最強の後継社長は「婿養子」である
第18章 CSR活動の思わぬ副次効果とは
【Part9】起業活性化の経営理論
第19章 日本の起業活性化に必要なこと(1)簡単な「キャリア倒産」
第20章 日本の起業活性化に必要なこと(2)サラリーマンの「副業天国」
第21章 成功した起業家に共通する「精神」とは
【Part10】やはり不毛な経営学
第22章 「もうかる理由って結局なに?」を突き詰める学者たち
第23章 「リソース・ベースト・ビューが捉えきれないこと」とは何か
【Part11】海外経営大学院の知られざる実態
第24章 ハーバードを見て、米国のビジネススクールと思うなかれ
第25章 米国の大学の裏事情は、中国人が一番知っている
第26章 来たれ! 世界最先端の経営学を語る人材よ
【経営学ミニ解説】
(1) メタ・アナリシス
(2) リアル・オプション理論
(3) 知の探索
(4) トランザクティブ・メモリー
(5) AAA分析
(6) 組織の進化論
(7) 内発的な動機
(8) エージェンシー問題
(9) 四つの不確実性