異文化交流において有力な媒介となったのは、キリシタンの布教活動と語学教育に始まる、道具としての外国語でした。近代日本文化の成立に欠かせない、西欧語の学習と摂取・同化の歴史をたどる一冊。外国語学習の意義をあらためて問い直させられます。
エセックス大学時代の論文集。定性経済学および分離可能な効用に関する展望論文を収録。その他、園正造、レオンティエフ、ピアースらの分離可能性に関する研究をヒックス、ティントナーの消費の多期間モデルや金融財の理論に適用し、発展させた業績を収める。本邦初訳。
本書の重要な考え方の一つは、企業における業務とは、人・プロセス・テクノロジの適切な組み合わせであり、この順番で重要であるということである。現在の市場は細分化が進んでおり、消費者の行動の変化も大きくなってきている。こうした変化に迅速かつ的確に追従できなければ、お客様の満足を得られず、販売機会を逸し、売れない商品の山を抱えてしまうことになる。これを解決する鍵が、本書で繰り返し説明されている人とプロセスへの十分な配慮なのである。
日本とスイスは一八六四年の日瑞和親通商条約によって公式の外交交渉を開始し、二〇〇四年に一四〇周年の記念すべき年を迎えた。ヨーロッパの中央に位置する小さな山国は風光明媚な観光対象としてだけではなく、「平和と民主主義」のイメージによって日本人には好まれてきた国である。幕末の開国以来、日本はさまざまな分野でスイスの受容を実際にしてきている。本書はその受容のさまざまな姿を検討することを目的としている。
古来、日本文学は漢詩文を様々な形でとり入れてきたばかりか、実作もして、日本文学の重要な一つのジャンルとした。『懐風藻』『和漢朗詠集』、謡曲、芭蕉、鴎外などを題材に、この外国文学の受容の様態、本質を史的流れに沿って考察、日本文化の豊かな複合性を示して、興趣尽きない日本文学の鑑賞の手引を提供する。
無謀とも思える行動力で、建設、造船、自動車の各事業を軌道にのせ、オリンピックを招致し、南北統一に尽力した反骨の経営者鄭周永の生涯。
多元化・リスク共同体化する世界で、他者を受容し、差異とともに生きる論理はいかにして可能か。
本書は、広範囲にわたるマーケティング・リサーチ手法を学び、活用するための実務書、準専門書として、マーケティング・リサーチの考え方、各種サーベイ・リサーチ方法をはじめ需要予測や多変量解析、データ収集、質的分析などについて最新情報も含めて図解。
豊子〓(がい)は中国近代を代表する文人、芸術家である。文学や絵画の創作、西欧芸術の紹介、外国文学の翻訳など複数の領域において第一人者として活躍し、まさに近代中国のマルチタレントといってよいだろう。本書では「中国」「日本」「西洋」という三つの視点を設けることで、豊子〓(がい)が日本を通して西洋美術を受容したことの意義を問いたい。それによって、文化の越境者豊子〓(がい)の本質に迫り、二十世紀の日本と中国の知的な交流のあり方を再現し、検証しようとするものである。