ポストモダンの建築の旗手クリストファー・アレグザンダー。「パタン・ランゲージ」「センタリング・プロセス」などのキーコンセプトを次々と提出し、建築パラダイムの再構築を図るアレグザンダーの全体像を余すところなく描き出し、建築界のみならず、現代思想全般に衝撃を与える傑作評伝。
少女リネアが1年間の自然観察ノートをつづりました。たくさんの草花がはえてきます。そのかわり、たくさんの種をまいてあげなければいけません。ドイツ児童図書賞受賞。
リネアの「植物栽培読本」上手な水のやり方、植えかえのやり方、肥料のやり方から植物の大切さまで。室内で草や木や花を育てるためのすてきなアイデアでいっぱいです。アメリカ図書館協会選定図書。
これは若くして死んで現世を離れ切れぬ女の幽霊の恋物語だ。Z村の貴族屋敷の住人たち、モスク未亡人とその娘二人は、令嬢クリスティナの美しい絵姿を生前の寝室に飾り、さながら聖画像のように渇仰していた。令嬢は未亡人の姉で、ルーマニア全土を震撼させた1907年の大農民一揆に巻き込まれたのだ。まだはたち前だった。死骸は見つからなかった。物語の舞台はそれから30年近く経っていて、貴族屋敷を訪れた青年画家と考古学者は、令嬢クリスティナについて村では身の毛もよだつような噂がささやかれていることを知る…。
十九世紀末から二十世紀初頭にかけての満州は、日清戦争、拳匪事変、日露戦争、民国革命など、世界的な大事件の舞台となった。本書は一八八三年、この満州に伝道医師として渡来し、その後老齢で故国に帰るまで四十年間献身的に満州人のために尽くして民衆の信望を一身にあつめたスコットランド人クリスティーの自伝的回想記である。
ミステリの女王、没後21年にして発掘された幻の傑作集。『そして誰もいなくなった』『オリエント急行の殺人』など数々の傑作・名作を残し、アガサ・クリスティーがこの世を去っておよそ四半世紀。研究者の間では、どの単行本にも収録されていない幻の作品の存在がひそかに囁かれていましたが、ついに1997年、新聞や雑誌に一度掲載されたきりで、その後ほとんど日の目を見ることのなかった作品群が発掘され、世界的に大きな話題となりました。それが本書です。表題作の「マン島の黄金」はイングランド北西部に浮かぶ小さな島、マン島の役人が観光客集めのためにクリスティーに執筆を依頼した宝探し懸賞小説で、島に実際に隠された四つの嗅ぎタバコ入れの手がかりをちりばめて、嗅きタバコ入れを見つけた者には懸賞金が出ることになっていました。しかし、クリスティーの手がかりの出し方があまりに巧妙だったために四つのうち三つしか発見されなかったという曰く付きの作品です。その他、有名な謎の失踪事件の直前に書かれた興味深い短篇から、謎解きミステリ、心理サスペンス、ロマンス、ホラーまでバラエティにとんだ全十篇を収録しています。