悲劇や人文主義、牧歌調のユートピア願望といった、ヨーロッパの高尚な精神的伝統こそが、今日の自然環境と地球生態系の破壊を引き起こし、人類の危機を招くに至った。破産しつつあるこの伝統を超えて、われわれは、適応と融和の芸術としての喜劇、そのピカレスク的戦略を蘇らせねばならない。明快な独創的視点から、西欧文学を中心にサバイバルの原理を追求し、詩とドラマと思想の遺産に立脚した新しいエコロジーを提唱する。
本書では、好循環経営実現のために私が考え出した「分社経営」を実践した経緯から、特に若手社員が企業経営の基本構造をしっかりと理解し、経営意識を持って仕事をするにはどうしたらよいかを、具体的でわかりやすい事例を引きながら解説している。
貝貨・銅貨・金銀貨…。お金と人のかかわりを『文字と言葉と写真』でつづった金・貝の百話。
こんなのはなにかのまちがいにきまっているー伸弥はなにがなんだかわからずに、無人の駅前広場に突っ立っていた。朝とまったく同じ、きれいさっぱり、あっけらかんと静かなのだ。電車も動いていず、人々はベッドやふとんの中で、あるいは道端で、ぐっすり眠っている。それも、みんな幸せそうな顔をして…。起きているのは伸弥のみ。パニックに陥って街中を走り回った伸弥だが、仕方ない、とりあえず年上の女友達・二谷静香さんのマンションにいってみようと、自転車を拝借した。走っているうちに、起きている人間に出会うかもしれない…。甲州街道を走っていると、車のエンジン音が聞こえてきた。ベンツが伸弥を襲った!男が運転している。その男、酔っ払いの郭と、伸弥は東京探険へと出かけた。伸弥の背後に取り憑いた少女の霊、深夜歩きまわる夢魔。不可思議なことが続く。伸弥たちのサバイバル。次々と意表を衝く気鋭のSFファンタジー。
分裂病の再発を予防し、社会的・職業的機能を回復するための、画期的なプログラム。長い経過をたどり、悲観的な予後が予想される分裂病の決定的な治療法はいまだ確立されていない。しかし再発を防ぎ、一つずつ目標を定めた回復のプロセスをたどることができれば、患者と家族の未来はもっと明るいものになろう。ここでは患者を含む家族ぐるみの心理教育の必要性が強調されているが、それは家族を分裂病の原因としてではなく、病気の再発を予防し社会復帰を可能にする大きな力を持つと考えているからである。その家族の力を発揮するためめに身に付けるべき知識と技能の詳細、およびそれを家族に習得させるための方法が、具体的な事例を豊富に用いて解説されている。