青森県六ヶ所村での長期にわたるフィールドワークをもとに,日本社会が直面している原発問題を考える。東日本大震災以降の社会を見据え,歴史的な文脈を紹介し,原子力発電に必要とされる核燃料サイクル施設が内包する問題を,六ヶ所村での調査事例を中心に議論する。
序 章 むつ小川原開発と核燃料サイクル施設の歴史を解明する視点
第一章 巨大開発から核燃基地へ
第二章 開発の性格変容と計画決定のありかたの問題点
第三章 大規模開発下の地域社会の変容
第四章 開発による人口・経済・財政への影響と六ヶ所村民の意識
第五章 原子力エネルギーの難点の社会学的検討
第六章 地域社会と住民運動・市民運動
第七章 女性の環境行動と青森県の反開発・反核燃運動
第八章 日本の地域開発史における六ヶ所村開発の位置づけ
第九章 日本の原子力政策と核燃料サイクル施設
巻末資料/索 引
トラウマという概念がどのような歴史的経緯を経て成立したのか、また、それが文化、社会的にどのように理解され、表現されてきたのか。さらに、トラウマを典型とする社会的苦悩が宗教や文化的実践においてどのように克服されてきたのかを、文化人類学をはじめとする人文・社会科学的な視点から、多角的かつ総合的に考察する。
はじめに
序 章 いま、トラウマを考える [田中雅一]
第1部 概念の歴史
第1章 トラウマと精神分析
ーフロイトにみる「外傷」概念の分裂 [立木康介]
第2章 プレ・トラウマティク・オーダー
ー現代の一般化したトラウマについての試論 [上尾真道]
第3章 出来事とトラウマの在り処
ートラウマ論が示す歴史の方法論をめぐって [直野章子]
第4章 トラウマと日本社会 [樫村愛子]
第5章 東日本大震災のトラウマの外と後でー「こころのケア」を超えて [花田里欧子]
第2部 性と家族、共同体
第6章 社会性の条件としてのトラウマ
ーイヌイトの子どもへのからかいを通した他者からの呼びかけ [大村敬一]
第7章 アダルト・チルドレンの苦悩と回復 [木下直子]
第8章 女性への暴力、虐待、性暴力 [田中雅一]
第9章 トラウマ化された病い
ー韓国社会におけるがん・乳がんをめぐる事例から [澤野美智子]
第10章 トランスジェンダーとトラウマ [高垣雅緒]
第11章 日本の都市部におけるHIV-シンデミクス理論を用いた文化人類学的分析
[アンソニー・ディステファノ(桜井良太・萩原卓也 訳)]
第12章 クィアな記憶の継承ー森井良「ミックスルーム」論 [岩川ありさ]
第13章 スピリチュアリティのもたらす癒し
ー「トラウマ」からの回復と人と人とのつながり [河西瑛里子]
コラム 女性のトラウマ経験と文学
-インド・パキスタン分離独立時の記憶と創作 [常田夕美子]
第3部 他者/死者とともに生きる
第14章 トラウマと時間性ー死者とともにある〈いま〉 [松嶋 健]
第15章 生き延びてあることの了解不能性から、他者とのつながりの再構築へ
ーインド・パキスタン分離独立時の暴力の記憶と日常生活 [田辺明生]
第16章 大きな物語に抗するー災害の経験と記憶 [金谷美和]
第17章 トラウマから架橋へ
ー玉砕戦生還者の記憶がひらく新たな回路 [西村 明]
第18章 痛みを抱えた者が死ぬための場所
ー訪問看護ステーションひなたの看取りの経験 [西 真如]
第19章 喪われた声を聴きなおす
ー追悼ー記念の限界と死者との共在 [石井美保]
索 引
OECD/ILO両基準統計の定義・構成を実務担当者らが解説した決定版!さらに、少子高齢化、財政、雇用、女性・家族問題など重要課題との関連を、長期時系列データや国際比較データを駆使して詳細に分析。将来を見据えた冷静で建設的な政策論議に向け、確かな知的基盤を提供する。
女性は違ったやり方で科学をするか?科学は公正中立か?教育の機会はジェンダー・フリーか?家事と育児は誰がするのか?数学にジェンダー・バイアスはかからないか?科学のフィールドから女性が排除される社会的・文化的背景を徹底的に洗いだし、ジェンダーの視点から新しい科学の可能性をさぐる。
本書は、進歩の著しい泌尿器科診断学の最先端を、多忙な泌尿器科医が日常診療で応用できるよう編纂したものである。前立腺癌や膀胱癌などの泌尿器科癌、尿路結石、不妊症、ED、尿失禁など、よく遭遇する疾患の診断法の実際と、目覚ましい進歩の見られるCT・MRIによる画像診断、将来さらに重要となる遺伝学的診断などが横断的に取り上げられ、詳しく解説されている。
子どもの「理科離れ」が大きな問題になっている。理科が好きな女の子は特に少ない。「理科は女の子に向かない」「女の子に理科は無理」という声がいまだに聞こえてくるが、そんなことはない。女性にこそ理数系を選んでほしい。科学はワクワクするおもしろいものなのだ。科学を選んだ14人の女性ー研究者の道を踏み出した助教(助手)4名と、研究者の卵である大学院生10名ーが訴える。彼女たちの歩んできた道、抱いている希望、思い描いている未来…その生の声を聞いてほしい。本書は自分の進路をしっかり選ぼうとしている多くの女子中高生に「科学のマドンナ」プロジェクトがおくるメッセージである。
世界を認識する心の感動が芸術に表現され、芸術がその感動を再現させる。心は脳の働きであり、芸術を理解することは、脳の働きそのもの。芸術を通した新しい視点から、素晴らしい脳の働きを理解しようという、国際高等研究所の研究会をもとに、参加研究者が書きおろした。芸術を生み出し芸術に表現される、時間、空間、名前、錯覚などを、脳の研究者と芸術の研究者が快い文章で描きだし、編者がコラムで読者をナビゲートする。
【執筆者】大澤五住、岡田温司、小倉明彦、小倉孝誠、北澤茂、肥塚隆、小松英彦、佐々木閑、佐藤宏道、七五三木聡、手島勲矢、新美幸二、藤田一郎、山本登朗、若杉準治
第1部 脳は時間をどのように記し、理解するのか
1. 平安朝物語における時間の階層と語り手の多様な位置
2. 歴史叙述・時間・物語ー歴史はどのように書かれてきたか
3. 時空間記憶と夢の仮説
4. 仏教の時間論
第2部 脳による「もの」の記述と物語の表現
5. 名前を「見る」と文字を「読む」-錯視の解釈学
6. 絵巻の時間と空間の表現
7. 造形芸術と時間ー古代南アジアの説話浮彫を中心に
第3部 絵画に描かれた、視覚の脳内機能
8. 絵画の根源をめぐって
9. 色と質感を認識する脳と心の働き
10. 世界は脳が見ている
第4部 脳は世界をどのように見、そして自己を認識するのか
11. 女の身体と男のまなざしー19世紀フランスは女性をどのように表象したか
12 自閉症からみる世界
第5部 感覚がつかさどる世界
13. 頭の中野サイン、コサインー「波」による視覚情報の脳内表現
14. 三次元世界を見る
15. 見続けるということーアンドリュー・ワイエス
結びにかえてー新しい芸術がはじまるとき
女性兵士は男女平等の象徴か?
戦争や軍隊は、どのような男性や女性によって担われ、
いかなる加害/被害関係を生起させているのか。
既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく、批判的に検証する。
21世紀に入り、世界中の軍隊で、女性兵士は数を増し、
その役割を拡大させつづけている。
しかし、この現象を単純な男女平等の進展と解するべきではないこと、
フェミニズムにとって女性兵士は難問として存在するのであり、
さまざまな立場がありうることは言うまでもない。
本書では、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化を踏まえつつ、
女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証していく。
本書を貫く主張の一つは、戦争・軍隊を批判的に解剖するにあたって、
「ジェンダーから問う」という視角が不可欠である、ということである。
男らしさや女らしさといった観念の操作は、軍事化を推し進め、戦争を首尾よく遂行する際の要である。
一方で、軍隊も戦争も、女性たちに依拠することを必ず必要としており、
彼女たちの経験から現象を見つめることは、その男性中心性を明らかにするうえで
欠かすことのできない作業である。
本書は、「ジェンダーから問う」ことが、戦争・軍隊を批判的に考察するうえでいかに重要なのか、
この視点を有することで見えてくる風景を描くことにより示していく。
企業、会社、事業などの経営についてのエスノグラフィック(民族誌的)
な報告。これは経営学者と文化人類学者の両者に開かれたコラボレーショ
ン研究で、12の論文はいずれも国際人類学民族科学連合の大会ならびに中
間会議の企業人類学委員会において議論されてきた報告の記録。ビジネス
現場をフィールドとし、企業の経営システム、働き方、社会とのありよう
などを多角的に研究する。
序……八巻惠子
アジアにおける企業人類学/ビジネス人類学の意義……アン・ジョーダン
国際化する経営人類学……中牧弘允
第1部 ものづくりーーねうちづくり
第1章 グローバル社会での質実剛健な家族主義と信頼
--ブラザー工業株式会社の経営理念の継承と伝播……藤本昌代
第2章 経営理念は文化の壁を超えるのか
--パナソニックの初期インドネシア展開の事例から……住原則也
第3章 ブルガリアのヨーグルトをめぐる「聖」なる空間
--食ビジネスにおける価値形成……マリア・ヨトヴァ
第4章 会社の規範は社員に受け入れられるか
--京セラフィロソフィとアメーバリーダーの事例研究……寺本佳苗
第2部 働き方ーーふるまい方
第5章 東洋水産株式会社におけるMRSPARC(女性活躍促進戦略)と管理職意識
改革のエスノグラフィ……浜田とも子
第6章 雇用と自営の狭間にある働き方
--ヤクルトレディの働き方からみえるもの ……奥野明子
第3部 企業の社会的責任ーー世のため人のため
第7章 観光ビジネスにおける日本的サービスの受け取られ方
--中国広州市の日系・美高旅行社における異文化経営……田中孝枝
第8章 文化・芸術分野のフィランソロピー活動がもたらす社会経済的価値……高島知佐子
第9章 ホームホスピスの誕生ーーケアの経営人類学的研究 ……八巻 惠子
第10章 地域活性化におけるコミュニティ内企業の複数の役割
--美山ふるさと株式会社の事例より……堂下恵
第4部 フィールドワークのオルタナティヴ
第11章 パウダーメイカー問題
--またはビジネスエスノグラファーはなぜ業界紙誌を読むべき
なのか……ジョン・マクレリー
第12章 文化人類学の視覚と方法論を実務に活かす
--ビジネスエスノグラフィの可能性と課題……伊藤泰信
執筆者一覧
Rによる実践と分析のセオリーを把握
数学の苦手な文化系の学生、実務者向けに、分析スキルの習得および理解を目的としてまとめたデータサイエンス(統計学)の入門書です。計算はRに任せ、数学的な理解よりもまずは実践・実際的な理解を促します。
実際の課題(研究課題)を取り上げ、それを解くためのセオリーおよびデータ分析、結果のまとめ方、最後にまとめ(考え方)と類題といった構成で解説することで、目的(テーマ)に応じた分析の流れを学ぶことができます。
準備
Chapter 0 Rはじめの一歩ーこれだけで使えるR-
第1部
Chapter 1 グラフを描き、記述統計量を出すーRエディタを使うー
Chapter 2 統計分析はじめの一歩ー標準化と統計的仮説検定ー
Chapter 3 同じ人の異なるテストの平均点を比較するーTOEIC のReading とListening はどちらが難しいのかー
Chapter 4 異なる人のテストの平均点を比較するー音楽的能力は音楽経験の有無で異なるかー
Chapter 5 サンプルの小さい外れ値のある二条件(群)を比較するー電話をかける頻度に性差はあるかー
Chapter 5 発展 三条件(群)以上の対応のない順序データを比較するーサッカー選手はポジションによって性格が異なるかー
Chapter 6 二つの変数の関係性を数値化するー音楽的能力と数学の力の相関ー
第2部
Chapter 7 2×2のクロス集計表を分析するーボディランゲージは聞き手の理解を促進するかー
Chapter 8 名義変数の関係性を数量化し理論化を試みるー高校の時に好きだった科目と理系大学での所属学科に関連性はあるかー
Chapter 8 発展 名義変数間の関係性を2次元で表現ー対応分析ー
Chapter 9 テキストマイニングーパートナーに求めるものー
第3部
Chapter 10 同じ人の三つ以上の平均を比べるー理科嫌いは小中高のどこではじまるのかー
Chapter 11 二つの要因の絡みを浮き彫りにするーTOEIC リスニングのスコアはどうすれば上がるのかー
Chapter 12 複数の変数で一つの変数を説明するーキャンパス学食の満足度は何によって決まるかー
Chapter 12 発展 説明変数から二値データを予測するーオンライン授業の印象を分ける要因は何かー
Chapter 13 変数に共通する因子を見つけるー自分の心配や悩みを相手が受け止めてくれたと感じる言葉とはー
Chapter 14 人をグループに分けるー大学入学の動機によって人を分類してみるー
類題の解説・解答
参考図書
別表
国境を越えるフィリピン人たちの日常と「戦術」をみる。国境を越えて広がるネットワークのなかで多様な背景をもつフィリピン人たちは、様々な問題にどのように向き合い日常を生きているのかー個人を中心とする民族誌の実践。
耐え難い冷えに悩む女性に朗報 抑うつ気分を緩和する処方を科学的に立証。
王が、妃のために探し求めた伝承的な生薬からの有効物質を発見。
悩める女性はもちろん、そのご家族、パートナーへ
はじめに
第一章 女性ホルモンの分泌と心の変調
第二章 閉経周辺期とは?
第三章 閉経周辺期の自覚症状を測定するには?
第四章 抑うつ気分と抑うつ状態
第五章 抑うつ状態を緩和するには?
第六章 精神機能に及ぼす効果を評価するには?
第七章 抑うつ状態を雌動物に起こさせるには?
第八章 抑うつ状態を改善する天然物は?
1 オタネニンジンに含有される抑うつ状態を改善する物質
2 ペルシャザクロに含有される抑うつ状態を改善する物質
3 他の天然物に含有される抑うつ状態を改善する物質
⑴ 甘草
⑵ ローヤルゼリー
第九章 耐え難い冷えに悩む女性に
第十章 冷え症に効く天然物は?
1 ヒハツ
2 オタネニンジン
3ローヤルゼリー
おわりに
引用文献および関連文献
閉経周辺期自覚症状の質問紙
自覚症状の評価表
▼人口と家族のダイナミズムを理解する
少子高齢時代における日本とアジアの家族や男女の働き方を詳細なデータに基づいた実証分析によって透視する。
序章 人口変動と家族ーー日本と東アジア(津谷典子)
第1部 低出生力社会における家族・人口変動のダイナミズム
第1章 出生水準が長期的な人口動向に及ぼす影響について(石井 太)
第2章 歴史人口学から見る低出生力社会の養子慣行
ーー近世東北農村1716-1870 年を中心に(黒須 里美)
第3章 国内人口移動の現状と変動要因(直井 道生)
第2部 低出生力社会における就業パターンの変化と格差
第4章 就業寿命
ーー戦後わが国における長寿化、晩婚・未婚化と就業パターン(菅桂太)
第5章 女性博士のキャリア構築と家族形成(小林 淑恵)
第6章 家族の変化と就労収入の格差(四方 理人)
第3部 低出生力社会における夫婦の生活時間
第7章 日本の夫婦の生活時間と子ども(吉田 千鶴)
第8章 韓国における有配偶夫婦の時間配分(ソウ 成虎)
第4部 東アジアにおける超低出生力の特徴と少子化対策
第9章 東アジア先進諸国における少子化の特徴と背景要因(松田 茂樹)
第10章 台湾における育児休業制度の利用と女性の復職(可部 繁三郎)
第11章 子育て支援施策の変遷と地方と国の予算の推移(前田 正子)
津谷典子教授 履歴・研究業績
変化の直中にあるアボリジニ社会。その歴史的背景や社会的実践のあり方を、しなやかで力強い生き方を見せる女性たちに着目して描き出す民族誌。男女の関係や平等のあり方は決してひとつではないことを示し、人類学的方法のオルターナティブを提案する。
ガウス、ガロア、カントール、ナイチンゲール…19世紀、数学者は磨き上げられたロジックを武器に、新たなフロンティアをつぎつぎと開拓していった。女性の活躍も増え、先駆者たちが知の世界の完成を目指し疾走する。