気候変動が差し迫った課題となっていることや、ロシアのウクライナ侵略などに起因する電力調達価格の高騰で電気料金が値上げされることなどをふまえて、原子力発電の利用を促進すべきだという主張が強まっています。
私は、福島第一原発事故を起こした原発を引き続き電力供給の主軸にしていくのか、あるいはこのような事故を二度と起こさないために撤退していくのか、そもそも生活や産業を支えるエネルギーや電力をどう安定供給するのか、国民が肝を据えて議論しなければならないと思っています。
ところで、こういった議論を進める上で必ず押さえておかなければならないひとつの問題が、このところ抜け落ちてしまっているように思えてなりません。それが、この本のテーマである原発事故時の防災対策、すなわち原発で重大な事故が起こってしまった際にどのようにして命を守るか、という問題です。(「はじめに」から)
第1部 原発事故ーその時、命を守るために必要な知識
第1章 日本と世界の原発で、どんな重大事故が起こってきたか -福島第一、チェルノブイリ、スリーマイル島
第2章 原発事故と放射性物質の基本を知ろう
第3章 放射線をどれくらい浴びると影響が出てくるのか
第4章 福島第一原発事故後に福島県でどんなことが起こったのか
第2部 原発で重大事故が起こった!-できる限りリスクを小さくするために、どう判断・行動するか
第5章 日本の原子力防災対策は事故時に役に立つのか -石川での30年にわたる防災計画・訓練の調査で分かったこと
第6章 原子力防災対策と感染症対策は両立できるのか
第7章 命を守るためにどう判断・行動すればいいか
日本の子どもは諸外国に比べ睡眠の問題を抱えていることが多く,特に発達障害のある子どもは睡眠障害の有病率が高いとされる.本書はそんな発達障害のある子どもの睡眠について,各ライフステージにおける日常生活に着目しながら,多角的に解説.発達と睡眠の関係を示した総論に始まり,発達障害のある子どもが抱えがちな睡眠の問題,よりよい眠りを得るためのヒント,問診,検査,新規治療法など様々な話題を豊富に詰めこんだ.
1994年の初版以来、長きにわたり世界的に読まれてきたテキストの最新版。新型コロナの第二波・第三波に備えて現在もっとも読まれるべき一冊。著者はスウェーデンの「集団免疫戦略」をリードする専門家会議のメンバー。
第1部 感染症疫学への序
第1章 感染症の疫学ーーがんの疫学や循環器の疫学と何が違うのか
第2章 感染症疫学を学ぶための第一歩ーー定義
第2部 疫学の基礎
第3章 記述疫学ーー全ての疫学の始まり
第4章 リスクと相対リスクおよび発症率
第5章 ケース・コントロール研究ーー交絡について
第6章 コホート研究ーー偏りについて
第7章 感染症の臨床疫学ーー感度・特異度・分類間違い
第8章 多変量解析と交互作用
第9章 生存解析
第10章 感染症の数学モデル
第3部 感染症疫学への応用
第11章 アウトブレイクの発見と解析
第12章 感染症監視システム
第13章 「感染する」ということを計測する
第14章 感染症の自然史について
第15章 血清疫学
第16章 感染症と人々の暮らし、行動
第17章 ある疾病が感染症か否か、どうすればわかるのだろう
第18章 ワクチンの疫学
第19章 サブタイピングの使用
2000年代以降、日本における数学を取り巻く環境は激変している。数学の必要性・重要性が産業界や省庁などで見直され、産学官の連携も出来上がりつつある。しかし一方で、STEAM教育などの取り組みはなかなか浸透しておらず、AI産業なども後手に回っているのが現状である。
本書では、数学が自然科学、工学など他分野や産業界にどのように関わって社会の問題解決に貢献しているか、また、新たなイノベーションを創出しているかを紹介する。
第1巻では、最適化理論、耐量子計算機暗号、数理ファイナンス、力学系、感染症の数理、ネットワークなど、産業界と協奏する研究を紹介し、それぞれの分野における数学の役割を紐解いていく。
また巻頭では、長年数学と産業界に軸足をおいて活躍されている研究者が考える、キャリアパスや人材育成についての提言を座談会として掲載した。
本書をきっかけに、数学・数理科学とその応用分野の発展に多くの方の深い関心が寄せられることを期待する。
座談会 産業と数学におけるキャリアパスと人材育成
小磯深幸+佐古和恵+高田 章+高橋桂子+若山正人+吉脇理雄+高島洋典(司会)
序章 数学の展開に期待してーー人類の知識財産の活用(若山正人)
第1章 社会、産業と最適化
第2章 量子情報処理
第3章 耐量子計算機暗号
第4章 数理ファイナンスと金融工学
第5章 力学系と安定性、制御、感染症の数理
第6章 不確実性:数学・数理科学の視点から
第7章 ネットワーク、グラフとSNS
第8章 数学のひろがりーー行列式と因数分解の視点から
PART2は,「小児看護学」「母性看護学」「老年看護学」「在宅看護学」「地域看護学」で構成され,最新の医療状況や看護教育の現状を踏まえた内容を加筆しより誌面を充実.クリティカルシンキング,問題解決思考,科学的思考を身につけ実践能力を養う
診療指針シリーズに初めて「皮膚疾患」が仲間入り。
日本皮膚科学会が監修するガイドラインは、診療の手引きを含めると66疾患に上り、皮膚科専門医であっても専門領域以外の領域のガイドラインを熟知することは困難になってきています。
本書は「ガイドラインへのガイド」というべき本であり、コンパクトな内容で疾患ガイドラインの概略をしっかり把握できる内容になっています。
本書の執筆陣はガイドライン編纂に関わった専門家が中心になっています。
またガイドラインがない皮膚疾患については、専門の先生に標準的な治療であると考えられる診療指針をご提示いただき、内外のガイドラインの現状についてコメントしていただきました。
実臨床で非常に役立つ強力な一冊です。
1. 湿疹皮膚炎群
接触皮膚炎
手湿疹
アトピー性皮膚炎
脂漏性湿疹
2. 紅斑症
多形滲出性紅斑
Behçet病
結節性紅斑
3. 膠原病
全身性エリテマトーデス
全身性強皮症
限局性強皮症
皮膚筋炎
4. 血管病変
下腿潰瘍(末梢動脈疾患,静脈血栓塞栓症,下肢静脈瘤)
皮膚血管炎(IgA血管炎,皮膚動脈炎)
5. 蕁麻疹・痒疹類
蕁麻疹
痒 疹
6. 水疱症
天疱瘡群
類天疱瘡群
7. 膿疱症・膿皮症
掌蹠膿疱症
壊疽性膿皮症
化膿性汗腺炎
8. 遺伝性角化症
魚鱗癬
9. 炎症性角化症
尋常性乾癬
乾癬性関節炎
膿疱性乾癬(汎発型)
扁平苔癬
10. 色素異常症
眼皮膚白皮症
尋常性白斑
肝斑・日光黒子
11. 物理化学的皮膚障害
色素性乾皮症
熱 傷
褥 瘡
12. 薬 疹
薬 疹
Stevens-Johnson症候群
TEN
薬剤性過敏症症候群
13. 肉芽腫症
サルコイドーシス
14. 母斑症
神経線維腫症1型(NF1)
結節性硬化症
15. 皮膚悪性腫瘍
有棘細胞癌
基底細胞癌
乳房外Paget病
悪性黒色腫
皮膚血管肉腫
皮膚リンパ腫
16. 真菌感染症
足白癬・爪白癬
皮膚粘膜カンジダ症
癜風・マラセチア毛包炎
17. 細菌感染症
蜂窩織炎・丹毒・ 壊死性筋膜炎
伝染性膿痂疹
18. スピロヘータ感染症
梅 毒
19. ウイルス感染症
帯状疱疹
疣 贅
20. 寄生虫
疥 癬
21. 付属器疾患
痤 瘡
酒 皶
円形脱毛症
男性型および女性型脱毛症
限局性多汗症
22. 皮膚瘙痒症
皮膚瘙痒症
消化器内科といえば 研修医の鉄板中の鉄板ともいえる。
すぐに内視鏡を依頼あるいは胃薬の処方でその場をしのいでいないだろうか。
できる内科医になるために、内科系疾患で最も頻度の高い消化管や肝胆膵疾患を診る必要がある。
本書では便秘、下痢にはじまり、消化性潰瘍、胃食道逆流症、機能性ディスペプシアの対処法や各種検査の捉え方もわかりやすく解説。
大震災、新型感染症などの災厄に襲われたとき、どのように社会の期待に応えるかーーーー。
AI、生命科学、宇宙科学の急速な進展のなか、いかなる規範を自らに課すべきかーーーー。
「科学者の責任」をめぐる13の視座。
〈目次より〉
【第1部 社会に開かれた研究倫理】
●第1章 野家啓一(東北大学名誉教授)
「3.11以後の科学と倫理」
●第2章 酒井邦嘉(東京大学大学院総合文化研究科教授)
「ロボット三原則と科学者三原則」
●第3章 廣野喜幸(東京大学大学院情報学環/総合文化研究科教授)
「科学者の社会的責任ーー専門知の失敗と責任システム」
【第2部 これからの生命・AI・宇宙時代に問われるもの】
●第4章 須田桃子(NewsPicks副編集長)
「合成生物学の倫理とデュアルユース性」
●第5章 小川眞里子(三重大学名誉教授)
「感染症の科学と倫理」
●第6章 鈴木邦彦(米国ノースカロライナ大学名誉教授)
「遺伝病医療の倫理」
●第7章 前野隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)
「AI時代の科学技術倫理」
●第8章 江間有沙(東京大学未来ビジョン研究センター特任講師)
「『本人らしさ』の探求と演出ーー人工知能技術による『よみがえり』をめぐる論点」
●第9章 神崎宣次(南山大学国際教養学部教授)
「人類の生存と宇宙進出の問題」
【第3部 文化としての科学倫理思想】
●第10章 村田純一(東京大学名誉教授)
「科学の創造性と倫理性ーーベーコン的科学の行方」
●第11章 岡本拓司(東京大学大学院総合文化研究科教授)
「原子爆弾と『聖断』」
●第12章 正木晃(宗教学者)
「宗教由来の倫理は科学の倫理に応用できるか ? --嘘(捏造)をめぐる考察」
●第13章 安藤礼二(多摩美術大学美術学部教授)
「エコロジー思想の起源とその両義性」
あとがき 金子務先生を偲んで 酒井邦嘉
臍帯血移植20日後の造血幹細胞移植レシピエントが発熱して突然痙攣。あなたならどう診る?「造血幹細胞移植後の患者さんの感染症診療」に自信がつく、珠玉の23レクチャー。
小児に特有の疾患や症状について「疫学」「疾病の概念」「診断と治療」にまとめ、看護に関するポイントだけでなく、所見を示す写真も豊富に掲載。「呼吸器疾患」「眼疾患」の章を新設し、発達時期ごとの代表的な疾患を学べる「成長期別にみる小児の疾患の特徴」を新掲載。
抗菌薬を選ぶときのコンセプト、現行のガイドラインを読むときにどうしても知っておいてもらいたいこと、感染症診療だけで決着をつけられないことなど、感染症にまつわる臨床的な問題を考える際、頭の片隅に置いておきたい、そんな内容を13のセクションに分けて掲載しています。
看護学生にとって苦手分野である法律・制度をとことんわかりやすく解説!
医療法から労働法規まで、看護教育で学ぶ関係法規を豊富なイラストと平易な文章で整理しました。
あわせて条文、過去の国家試験問題も収載し、入門書、サブテキストとして最適。国試対策にも活用できます!
「看護師に法律・制度は必要?」
医療や福祉といった社会保障は、さまざまな法律や制度に基づいています。
患者や利用者が治療や看護、介護を受けられるのも、そうした法律・制度があるからです。
また、看護師という国家資格自体も、法律によって決められているもの。
看護師として働き、看護ケアを提供することには、多くの法律がかかわっているのです。
「国家試験にも出題」
ある年の看護師国家試験で、なんらかの形で法律・制度が関係する出題が、240問中40問程度ありました。
医療や福祉には多くの法律が関係しているため、看護師になるためには幅広く法律・制度を押さえておく必要があります。
「キーワードを解説、関連条文、過去問題も掲載」
法律や制度を成り立ちからひも解くと長く複雑でわかりにくくなります。
本書では、今知りたい事柄やキーワードを取り上げて、ワンテーマでコンパクトに解説しているので、知りたい情報にすぐにアクセスできます。
しかも、関連する条文(法律の文章)は必要最低限にしているので、読むのも苦になりません。また、最近の看護師国家試験に出された問題も掲載し、受験勉強の参考になります。
【主な目次】
第1章 看護と法律・制度
第2章 看護師の資格や働き方に関する法律・制度
第3章 医療提供の原則に関する法律・制度
第4章 医薬品や医療機器の安全に関する法律・制度
第5章 国民の健康・保健の向上に関する法律・制度
第6章 感染症の予防、まん延防止に関する法律・制度
第7章 公的医療保険と公費負担医療に関する法律・制度
第8章 介護保険に関する法律・制度
第9章 障害者や子ども、高齢者、生活困窮者の支援に関する法律・制度
第10章 精神障害者の保健・医療・福祉に関する法律・制度
第11章 地域の健康と母子の健康に関する法律・制度
【著者情報】
望月聡一郎(もちづき・そういちろう)
湘南医療大学保健医療学部看護学科教授
東京大学医学部健康科学・看護学科卒業、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程単位取得退学。国家公務員共済組合連合会虎の門病院に勤務後、厚生労働省健康局総務課保健指導室、医政局看護課、医政局総務課、東日本大震災現地復興対策本部、社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課などで勤務ののち、国際医療福祉大学成田看護学部教授に就任。2020年より現職。