聖徳太子(厩戸皇子)についての現存最古の伝記。仏教興隆や冠位十二階など、太子とその一族にまつわる事績や、欽明天皇から推古天皇にいたる関係系譜などを記す。引用された「天寿国繍帳」の銘文も含め、日本古代史の第一級の史料に、詳しい注を付す。
とおいみなみのひろいひろいうみに、ぽつんとうかんでいるちいさなしま、さとわぬしまのおはなしです。読んであげるなら4才、自分で読むなら小学校初級むき。
時の権力者に屈せず、地動説を唱え続けたガリレオ。たとえ罪を着せられても、自分の信念を曲げず、自分の目で見たことを信じる理性と勇気を持っていた偉大な科学者ガリレオ・ガリレイの生涯を細部まで描き込んで、美しい絵で織りあげている。宝石のような一冊。
条約制限下、英米に対抗する強力な艦隊を編成するため、個艦優越に賭けた日本海軍がその性能を極限まで追求した精強無比の巡洋艦ー排水量に比して膨大な装備を搭載し、驚異的な航続力と高速力を優美な姿に秘めた連合艦隊の軽騎兵の竣工時から最終状態までの全てを、写真・図版二百点と共にビジュアルに詳解。
油の供給の豊富なる国は光り栄え、油のなき国は自然に消滅すー。南方に徴用された石油技術者七千人、密林ふかく分け入り、石油を採掘精製して日本へ還送し、太平洋戦争を支えた石油戦士たちの知られざる戦い。石油獲得を企図として実施されたパレンバン落下傘部隊“空の神兵たち”の活躍とともに描く話題作。
ことばの意味というものは、話し手と聞き手の相互の関わりの中から生まれる。-会話での「含意」、間接的な言い回し、ポライトネスなど、語用論の基本概念を豊富な用例を用いて解説した格好の入門書。普段なにげなく使っていることばの不思議が見えてくる。
火と土が出会い、焼き物ができる。中国の陶工はその素朴な技術を何千年もかけて磨き上げ、傑出した作品を数多く産み出した。それらはまた中国の特産品として世界中に交易され、各地の港跡に散らばる破片は「海のシルクロード」を浮かび上がらせた。景徳鎮を中心に伝統の中国陶磁に秘められたドラマを描き、焼き物文化の世界史的意味を考える。
半年がかりで書き上げた長編が、やっと見本になった!推理作家・有栖川有栖は、この一瞬を味わう為にわざわざ大阪から東京へやってきたのだ。珀友社の会議室で見本を手に喜びに浸っていると、同業者の赤星学が大きなバックを肩に現れた。久しぶりの再会で雑談に花を咲かせた後、赤星は会議室を後にした。「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して…。翌日、福井の古都・小浜で赤星が死体で発見された。赤星と最後に話した関係者として、有栖は友人・火村英生と共に調査を開始するがー!?複雑に絡まった糸を、大胆にロジカルに解きほぐす本格推理。
敗戦後の福岡市民は、どう考えていたのか。アメリカ軍は、敗戦2カ月後に、福岡市民74人を呼び、戦時下の市民生活、空襲への対応、時の政府に対する反応、進駐軍の政策、さらに天皇制を含む、今後の日本の進路についての聴取を行なった。ここには、敗戦国の苦しみや、嘆きだけでなく、未来に向かう福岡市民の声があった。