著者は、学問をそれをになう人、同時代の状況とのとりくみをとおして、学問をうきぼりにする。その仕事は、学習にたいする創造的破壊であり、読者の学習を能率的でなくするワナをしかける。
「俺にも神田の夜を賑やかにしてみせようという魂胆がある」-新宿、銀座と渡り歩いてきたバーテンダー・仙田は、神田の地に再びバー・ルヰを構え、最後の男の夢を賭ける。過去を背負った女たち、老やくざ、そして芸人たち。さまざまな人びとが交差する都会の夜を、小説の魔術師が小気味よく描く名品。
CIAの協力者が未発表の回想録を遺して死んだ。その葬儀の直後から、息子の元刑事グラニーの周囲の状況は急変した。父の愛人、旧友が殺され、CIAと匿名の人物が回想録の買収を申し入れてきたのだ。内幕暴露を恐れる者が暗躍しているらしい。命をも狙われ始めた彼は、回想録を餌に反撃の罠を張るが…虚々実々の駆け引きをスリリングに描く巨匠屈指の傑作。
スキャンダルと美意識の間。絵画と批評、美学と政治学が交錯する地点で「近代芸術」の成り立ちそのものを問い直す。
17世紀末、水の都。若きヴィヴァルディが奏でる、絢爛たる悦楽の巡礼-。
津田は小さな雑貨の卸売会社に勤める28歳の独身男性。今日は、15人の社員のうち5人が休みで、目のまわるような忙しさだ。奇妙な電話は、そのさなかに掛かってきた。「助けて…殺される」あの声は、幼なじみの依子。確か山の中の小さな町で小学校の教師をしている筈なのに…。閉鎖された町で連続して起こる、動機不明の殺人事件。狂気、憎悪、蔑視、混乱の果てに隠された恐るべき事実と結末。意外な犯人の素顔は。
今井美樹の代表曲をやさしいピアノ・ソロにアレンジしました。
ビースト・ガーディアン頼往凱の奮闘によって、吸血貴族の魔手から逃れた女子高生ナオ。ところが、自らもガーディアンとして働くことを決心した矢先、またもメデューサの少女にまつわる事件に巻き込まれてしまう。ガーディアン初仕事に張り切るナオを待ちうけるものは!?好評のヴァンパイア・ガーディアンシリーズ第2弾。
本書は一九九六年十二月から翌九七年七月にかけて、朝日新聞経済面に随時連載した「なにわ金融事件簿」シリーズの正編、続編、続々編、それに二回の対談編を、ほぼ全面的に再録したものである。