トラウマという概念がどのような歴史的経緯を経て成立したのか、また、それが文化、社会的にどのように理解され、表現されてきたのか。さらに、トラウマを典型とする社会的苦悩が宗教や文化的実践においてどのように克服されてきたのかを、文化人類学をはじめとする人文・社会科学的な視点から、多角的かつ総合的に考察する。
はじめに
序 章 いま、トラウマを考える [田中雅一]
第1部 概念の歴史
第1章 トラウマと精神分析
ーフロイトにみる「外傷」概念の分裂 [立木康介]
第2章 プレ・トラウマティク・オーダー
ー現代の一般化したトラウマについての試論 [上尾真道]
第3章 出来事とトラウマの在り処
ートラウマ論が示す歴史の方法論をめぐって [直野章子]
第4章 トラウマと日本社会 [樫村愛子]
第5章 東日本大震災のトラウマの外と後でー「こころのケア」を超えて [花田里欧子]
第2部 性と家族、共同体
第6章 社会性の条件としてのトラウマ
ーイヌイトの子どもへのからかいを通した他者からの呼びかけ [大村敬一]
第7章 アダルト・チルドレンの苦悩と回復 [木下直子]
第8章 女性への暴力、虐待、性暴力 [田中雅一]
第9章 トラウマ化された病い
ー韓国社会におけるがん・乳がんをめぐる事例から [澤野美智子]
第10章 トランスジェンダーとトラウマ [高垣雅緒]
第11章 日本の都市部におけるHIV-シンデミクス理論を用いた文化人類学的分析
[アンソニー・ディステファノ(桜井良太・萩原卓也 訳)]
第12章 クィアな記憶の継承ー森井良「ミックスルーム」論 [岩川ありさ]
第13章 スピリチュアリティのもたらす癒し
ー「トラウマ」からの回復と人と人とのつながり [河西瑛里子]
コラム 女性のトラウマ経験と文学
-インド・パキスタン分離独立時の記憶と創作 [常田夕美子]
第3部 他者/死者とともに生きる
第14章 トラウマと時間性ー死者とともにある〈いま〉 [松嶋 健]
第15章 生き延びてあることの了解不能性から、他者とのつながりの再構築へ
ーインド・パキスタン分離独立時の暴力の記憶と日常生活 [田辺明生]
第16章 大きな物語に抗するー災害の経験と記憶 [金谷美和]
第17章 トラウマから架橋へ
ー玉砕戦生還者の記憶がひらく新たな回路 [西村 明]
第18章 痛みを抱えた者が死ぬための場所
ー訪問看護ステーションひなたの看取りの経験 [西 真如]
第19章 喪われた声を聴きなおす
ー追悼ー記念の限界と死者との共在 [石井美保]
索 引
OECD/ILO両基準統計の定義・構成を実務担当者らが解説した決定版!さらに、少子高齢化、財政、雇用、女性・家族問題など重要課題との関連を、長期時系列データや国際比較データを駆使して詳細に分析。将来を見据えた冷静で建設的な政策論議に向け、確かな知的基盤を提供する。
本書は、進歩の著しい泌尿器科診断学の最先端を、多忙な泌尿器科医が日常診療で応用できるよう編纂したものである。前立腺癌や膀胱癌などの泌尿器科癌、尿路結石、不妊症、ED、尿失禁など、よく遭遇する疾患の診断法の実際と、目覚ましい進歩の見られるCT・MRIによる画像診断、将来さらに重要となる遺伝学的診断などが横断的に取り上げられ、詳しく解説されている。
子どもの「理科離れ」が大きな問題になっている。理科が好きな女の子は特に少ない。「理科は女の子に向かない」「女の子に理科は無理」という声がいまだに聞こえてくるが、そんなことはない。女性にこそ理数系を選んでほしい。科学はワクワクするおもしろいものなのだ。科学を選んだ14人の女性ー研究者の道を踏み出した助教(助手)4名と、研究者の卵である大学院生10名ーが訴える。彼女たちの歩んできた道、抱いている希望、思い描いている未来…その生の声を聞いてほしい。本書は自分の進路をしっかり選ぼうとしている多くの女子中高生に「科学のマドンナ」プロジェクトがおくるメッセージである。
世界を認識する心の感動が芸術に表現され、芸術がその感動を再現させる。心は脳の働きであり、芸術を理解することは、脳の働きそのもの。芸術を通した新しい視点から、素晴らしい脳の働きを理解しようという、国際高等研究所の研究会をもとに、参加研究者が書きおろした。芸術を生み出し芸術に表現される、時間、空間、名前、錯覚などを、脳の研究者と芸術の研究者が快い文章で描きだし、編者がコラムで読者をナビゲートする。
【執筆者】大澤五住、岡田温司、小倉明彦、小倉孝誠、北澤茂、肥塚隆、小松英彦、佐々木閑、佐藤宏道、七五三木聡、手島勲矢、新美幸二、藤田一郎、山本登朗、若杉準治
第1部 脳は時間をどのように記し、理解するのか
1. 平安朝物語における時間の階層と語り手の多様な位置
2. 歴史叙述・時間・物語ー歴史はどのように書かれてきたか
3. 時空間記憶と夢の仮説
4. 仏教の時間論
第2部 脳による「もの」の記述と物語の表現
5. 名前を「見る」と文字を「読む」-錯視の解釈学
6. 絵巻の時間と空間の表現
7. 造形芸術と時間ー古代南アジアの説話浮彫を中心に
第3部 絵画に描かれた、視覚の脳内機能
8. 絵画の根源をめぐって
9. 色と質感を認識する脳と心の働き
10. 世界は脳が見ている
第4部 脳は世界をどのように見、そして自己を認識するのか
11. 女の身体と男のまなざしー19世紀フランスは女性をどのように表象したか
12 自閉症からみる世界
第5部 感覚がつかさどる世界
13. 頭の中野サイン、コサインー「波」による視覚情報の脳内表現
14. 三次元世界を見る
15. 見続けるということーアンドリュー・ワイエス
結びにかえてー新しい芸術がはじまるとき
企業、会社、事業などの経営についてのエスノグラフィック(民族誌的)
な報告。これは経営学者と文化人類学者の両者に開かれたコラボレーショ
ン研究で、12の論文はいずれも国際人類学民族科学連合の大会ならびに中
間会議の企業人類学委員会において議論されてきた報告の記録。ビジネス
現場をフィールドとし、企業の経営システム、働き方、社会とのありよう
などを多角的に研究する。
序……八巻惠子
アジアにおける企業人類学/ビジネス人類学の意義……アン・ジョーダン
国際化する経営人類学……中牧弘允
第1部 ものづくりーーねうちづくり
第1章 グローバル社会での質実剛健な家族主義と信頼
--ブラザー工業株式会社の経営理念の継承と伝播……藤本昌代
第2章 経営理念は文化の壁を超えるのか
--パナソニックの初期インドネシア展開の事例から……住原則也
第3章 ブルガリアのヨーグルトをめぐる「聖」なる空間
--食ビジネスにおける価値形成……マリア・ヨトヴァ
第4章 会社の規範は社員に受け入れられるか
--京セラフィロソフィとアメーバリーダーの事例研究……寺本佳苗
第2部 働き方ーーふるまい方
第5章 東洋水産株式会社におけるMRSPARC(女性活躍促進戦略)と管理職意識
改革のエスノグラフィ……浜田とも子
第6章 雇用と自営の狭間にある働き方
--ヤクルトレディの働き方からみえるもの ……奥野明子
第3部 企業の社会的責任ーー世のため人のため
第7章 観光ビジネスにおける日本的サービスの受け取られ方
--中国広州市の日系・美高旅行社における異文化経営……田中孝枝
第8章 文化・芸術分野のフィランソロピー活動がもたらす社会経済的価値……高島知佐子
第9章 ホームホスピスの誕生ーーケアの経営人類学的研究 ……八巻 惠子
第10章 地域活性化におけるコミュニティ内企業の複数の役割
--美山ふるさと株式会社の事例より……堂下恵
第4部 フィールドワークのオルタナティヴ
第11章 パウダーメイカー問題
--またはビジネスエスノグラファーはなぜ業界紙誌を読むべき
なのか……ジョン・マクレリー
第12章 文化人類学の視覚と方法論を実務に活かす
--ビジネスエスノグラフィの可能性と課題……伊藤泰信
執筆者一覧
国境を越えるフィリピン人たちの日常と「戦術」をみる。国境を越えて広がるネットワークのなかで多様な背景をもつフィリピン人たちは、様々な問題にどのように向き合い日常を生きているのかー個人を中心とする民族誌の実践。
ドラッカー、ポーターしか知らないあなたへ。
「ビジネススクールで学べる経営学は、最先端からかけ離れている!」
米国で10年にわたり経営学研究に携わってきた気鋭の日本人学者が、
世界最先端の経営学から得られるビジネスの見方を、
日本企業の事例も豊富にまじえながら圧倒的に分かりやすく紹介。
世界の最先端の「知」こそが、現代のビジネス課題を鮮やかに解き明かす!
【Part1】いま必要な世界最先端の経営学
第1章 なぜビジネススクールでは最先端の経営学が学べないのか
第2章 「経営学は役に立たない」についての二つの誤解
【Part2】競争戦略の誤解
第3章 あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
第4章 成功しやすいビジネスモデルの条件とは何か
【Part3】先端イノベーション理論と日本企業
第5章 イノベーションの絶対条件!「両利きの経営」を進めるには
第6章 なぜ大企業は革新的イノベーションについていけないのか
第7章 「チャラ男」と「根回しオヤジ」こそが、最強のコンビである
【Part4】最先端の組織学習論
第8章 組織の学習力を高めるには、「タバコ部屋」が欠かせない
第9章 「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い!
第10章 「失敗は成功のもと」は、ビジネスでも言えるのか
【Part5】グローバルという幻想
第11章 真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない
第12章 「世界がグローバル化した」「フラット化した」を疑え
【Part6】働く女性の経営学
第13章 日本企業に、ダイバーシティー経営は本当に必要か
第14章 男性中心職場での「できる女」の条件
【Part7】科学的に見るリーダーシップ
第15章 これからのリーダーシップに向くのは、どのような人か
第16章 成功するリーダーに共通する「話法」とは
【Part8】同族企業とCSRの功罪
第17章 日本最強の後継社長は「婿養子」である
第18章 CSR活動の思わぬ副次効果とは
【Part9】起業活性化の経営理論
第19章 日本の起業活性化に必要なこと(1)簡単な「キャリア倒産」
第20章 日本の起業活性化に必要なこと(2)サラリーマンの「副業天国」
第21章 成功した起業家に共通する「精神」とは
【Part10】やはり不毛な経営学
第22章 「もうかる理由って結局なに?」を突き詰める学者たち
第23章 「リソース・ベースト・ビューが捉えきれないこと」とは何か
【Part11】海外経営大学院の知られざる実態
第24章 ハーバードを見て、米国のビジネススクールと思うなかれ
第25章 米国の大学の裏事情は、中国人が一番知っている
第26章 来たれ! 世界最先端の経営学を語る人材よ
【経営学ミニ解説】
(1) メタ・アナリシス
(2) リアル・オプション理論
(3) 知の探索
(4) トランザクティブ・メモリー
(5) AAA分析
(6) 組織の進化論
(7) 内発的な動機
(8) エージェンシー問題
(9) 四つの不確実性
▼人口と家族のダイナミズムを理解する
少子高齢時代における日本とアジアの家族や男女の働き方を詳細なデータに基づいた実証分析によって透視する。
序章 人口変動と家族ーー日本と東アジア(津谷典子)
第1部 低出生力社会における家族・人口変動のダイナミズム
第1章 出生水準が長期的な人口動向に及ぼす影響について(石井 太)
第2章 歴史人口学から見る低出生力社会の養子慣行
ーー近世東北農村1716-1870 年を中心に(黒須 里美)
第3章 国内人口移動の現状と変動要因(直井 道生)
第2部 低出生力社会における就業パターンの変化と格差
第4章 就業寿命
ーー戦後わが国における長寿化、晩婚・未婚化と就業パターン(菅桂太)
第5章 女性博士のキャリア構築と家族形成(小林 淑恵)
第6章 家族の変化と就労収入の格差(四方 理人)
第3部 低出生力社会における夫婦の生活時間
第7章 日本の夫婦の生活時間と子ども(吉田 千鶴)
第8章 韓国における有配偶夫婦の時間配分(ソウ 成虎)
第4部 東アジアにおける超低出生力の特徴と少子化対策
第9章 東アジア先進諸国における少子化の特徴と背景要因(松田 茂樹)
第10章 台湾における育児休業制度の利用と女性の復職(可部 繁三郎)
第11章 子育て支援施策の変遷と地方と国の予算の推移(前田 正子)
津谷典子教授 履歴・研究業績
耐え難い冷えに悩む女性に朗報 抑うつ気分を緩和する処方を科学的に立証。
王が、妃のために探し求めた伝承的な生薬からの有効物質を発見。
悩める女性はもちろん、そのご家族、パートナーへ
はじめに
第一章 女性ホルモンの分泌と心の変調
第二章 閉経周辺期とは?
第三章 閉経周辺期の自覚症状を測定するには?
第四章 抑うつ気分と抑うつ状態
第五章 抑うつ状態を緩和するには?
第六章 精神機能に及ぼす効果を評価するには?
第七章 抑うつ状態を雌動物に起こさせるには?
第八章 抑うつ状態を改善する天然物は?
1 オタネニンジンに含有される抑うつ状態を改善する物質
2 ペルシャザクロに含有される抑うつ状態を改善する物質
3 他の天然物に含有される抑うつ状態を改善する物質
⑴ 甘草
⑵ ローヤルゼリー
第九章 耐え難い冷えに悩む女性に
第十章 冷え症に効く天然物は?
1 ヒハツ
2 オタネニンジン
3ローヤルゼリー
おわりに
引用文献および関連文献
閉経周辺期自覚症状の質問紙
自覚症状の評価表
変化の直中にあるアボリジニ社会。その歴史的背景や社会的実践のあり方を、しなやかで力強い生き方を見せる女性たちに着目して描き出す民族誌。男女の関係や平等のあり方は決してひとつではないことを示し、人類学的方法のオルターナティブを提案する。
女性のオーガズムは何のために進化した? オーガズムの本質と科学のバイアスにいどむ哲学者による、痛快な知的興奮の書。
様々な分野の科学者を魅了してきたヒト女性のオーガズム。多くの進化学者は「生き残りや繁殖に役立つ」と答えるが本当に?進化論に通暁する哲学者である著者は彼らの主張に潜む問題点に切り込み、その思考の背後にある男性中心主義などのバイアスを次々に暴いていく。「ニューヨークタイムズ」など全米で話題となった本書がついに邦訳!
【原著】Elisabeth Lloyd, The Case of the Female Orgasm: Bias in the Science of Evolution (Harvard University Press, 2005)
第一章 はじめにーーなぜ女性のオーガズムの進化を語るのか
第二章 ヒト女性のオーガズムの基礎
第三章 女性のオーガズムの〈ペアの絆〉説
第四章 女性のオーガズムについてのさらなる進化的説明
第五章 副産物説
第六章 適応についての対立するアプローチ
第七章 精子競争説
第八章 バイアス
注
謝辞
訳者あとがき
文献
索引
かつて経験したことのないスピードで少子化・超高齢化・シングル化が進む日本の経済と社会はこれからどうなるのか。人口問題の専門家と経済学界の第一人者が一堂に会し、労働力や年金・医療問題を中心に議論する注目の書。
1990年代以降、人口学教育において若手・中堅研究者を中心に利用されるようになったミクロデータについて、各種テーマに沿って利用可能な公開ミクロデータを用いる分析方法を丁寧に解説する。今後人口研究者を志す読者や、分析結果を解読する必要に迫られた人口研究者に情報を提供する一冊。
1920年代から1950年代に中国共産党によって土地法が制定され、中国の農村女性は土地所有権を獲得した。しかし、その後の中国の高度成長の過程で、農村の女性たちは土地の権利を次第に喪失していき、権利の侵害現象は「農稼女問題」と名付けられるようになった。
中国農村女性の農地をめぐる権利の侵害「農嫁女問題」はなぜ高度成長期に発生したのか。ジェンダー秩序の再編は資本蓄積の中でどんな役割を果たしたのか。本書は「農嫁女問題」の発生原因を歴史、政治経済の2つの側面から分析するとともに、農嫁女の抵抗運動についても実地調査をもとに紹介する。
序章 問題の所在と本書の目的
1 研究背景
2 本書の構成
3 先行研究
4 理論的枠組み
5 研究手法
第1部 農嫁女問題の歴史分析
第1章 平均主義、フェミニズム、土地権
1 概況
2 平均主義と土地権
3 フェミニズムと土地権
4 小結
第2章 近代中国女性の土地権の変遷
1 はじめに
2 井崗山土地革命期と中華ソビエト政権時期(1928〜1934年)
3 日中戦争期(1937〜1945年)
4 国共内戦期(1946〜1949年)
5 建国直後(1950〜1952年)
6 初級、高級農業生産合作社時期と人民公社期(1951〜1978年)
7 改革開放の初期(1978〜1983年)
8 小括
第2部 農嫁女問題の政治経済学的分析
第3章 改革開放以降の農村女性土地問題に関する報道ーー『中国婦女報』(1984〜2010年)を中心に
1 はじめに
2 農村女性土地問題をめぐるフレーム分析についての研究
3 研究の方法
4 『中国婦女報』における農村女性土地問題報道(1984〜1986年)
5 農家生産請負制における女性の合法的な権益擁護に関する連載(1999年)
6 「出嫁女」の土地権益に関する連載(2010年)
7 小括
第4章 女性への略奪を赦免された国家介入型資本主義ーー婦女聯の農嫁女問題に対する認識・対応
1 はじめに
2 婦女聯の創設と改革
3 婦女の合法的権益の擁護者(1978〜1992年)
4 婦女聯主導の「開発とジェンダー論」(1992〜1998年)
5 夫方居住婚の伝統づくりへ(1998〜2007年)
6 農村土地請負経営権登記の推進役(2008年〜)
7 小括
第5章「農嫁女問題」とはーー現代中国における進行中の本源的蓄積
1 はじめに
2 農嫁女問題の発端
3 農嫁女問題の全国化
4 農嫁女問題と一人っ子政策
5 小括
第3部 農嫁女たちの抵抗運動
第6章 現代中国土地開発における農嫁女と彼女らの抵抗運動ーー河北省A村を事例に
1 はじめに
2 A村
3 A村土地開発による農村女性の農地をめぐる権利の侵害
4 A村女性の抵抗運動の開始と展開
6 小括
第7章 社会主義法治への探索ーー民間法律援助組織と農嫁女の連帯を中心に
1 はじめに
2 民間女性法律組織と農嫁女との連帯に対する認識
3 北京衆沢女性法律相談サービスセンター
4 中山大学女性とジェンダー研究センター法律支援部
5 X民間法律組織
6 小括
第8章 終章
1 本書を振り返って
2 現代中国の継続的な本源蓄積
3 今後の課題
参考文献/資料/索引/あとがき
本書には、全部で六つの講演記録が収められています。内容は、(1)異国から日本へ来て、高齢者の介護をする女性たちとその日本における対応について、(2)出産という行為(場所)が自宅から施設へと変化することによって、当事者の主客逆転が起こっていることについて、(3)女性の稼ぎとその財産の管理の方法と、その変化のことについて、(4)産業化とそれが家族に与えた影響について、(5)戦後日本の農村生活改善事業の特徴と生活改良普及員の生き方について、そして、(6)教育社会学の立場から見て、日本における「しつけ」がどのように変化してきたのかについてなど、となっています。一般の読者の皆さんだけでなく、学問に従事する若い人たち、あるいは女性の暮らしや生活に関心を持っている若い人たちにとって、本書が新しい研究や調査の分野を切り開いていく一つのきっかけとなることを願っています。
第1回 東アジアの高齢化とケアの国際移動 安里 和晃
第2回 出産の近代化がもたらしたもの -日本とアジアとの比較からー 松岡 悦子
第3回 女性の稼ぎと家財管理、そしてその変化 波平恵美子
第4回 岐阜既製服産地における縫製業の盛衰と家族 前田 尚子
第5回 戦後日本の農村生活改善と「女性の人生」 小國 和子
第6回 一九五〇〜一九六〇年代の社会変動と子どもの生活 広田 照幸
あとがき
「生」をめぐる帝国の権力を可視化する
植民地朝鮮において産婆や胎教がいかに存在し機能したのか。
朝鮮社会の葛藤を、新聞・雑誌などの言説空間に注目して浮かび上がらせる。
日本統治下にあった20世紀前半の朝鮮における「出産の場」、とくに産婆や胎教がどのように機能していたか、言説分析を通して明らかにする。「出産」をめぐって日本人の役人、医師、朝鮮人産婆、優生学者などが、新聞・雑誌でさまざまな言説を展開した。「近代の知」が旧弊の「風習」とときに対立し、ときに協力関係を結ぶといった複雑なせめぎあいがあったことを実証的に論じ、出産する女性をとりまく様相を起点に「歴史叙述を女性へ取り戻す」ことを試る。
序章 「出産の場」の「生政治」
1 研究背景ーー産婆と胎教の位置づけ
2 研究方法ーーフーコーの「生政治」と「言説」、そして〈現実〉
3 研究史ーー「出産の場」を支える四つの柱
4 研究目的ーー植民地朝鮮の「出産の場」を解明する
5 本書の構成
6 本書における用語と記号の定義
第一部 出産風習と産婆制度
第一章 植民地朝鮮における出産風習と産婆養成政策
はじめに
1 近代日本の産婆制度と植民地への移植
2 朝鮮の出産風習
3 日本人衛生医療関係者の見た朝鮮の出産場景
4 植民地朝鮮における産婆養成
おわりに
第二章 朝鮮人産婆の労働環境と社会的位置づけーー1920年代の新聞・雑誌に見る産婆の物語
はじめにーー職業婦人としての産婆
1 植民地期女性の職業としての産婆
2 産婆が語る朝鮮の労働の〈現実〉
3 1920年代の産婆の経済的・社会的位置
おわりに
第三章 産婆と風習のせめぎ合い、そして出産医療の〈現実〉
はじめに
1 「旧慣」を駆逐し、産婆を利用せよ
2 伝存する出産風習と衛生との葛藤
3 産婆が語る朝鮮社会と「出産の場」の様子
4 京城の都市貧民を取り巻く、出産医療の〈現実〉
おわりに
第二部 胎教と「生政治」
第四章 出産風習としての胎教と「優生学」
はじめに
1 前近代の胎教と植民地朝鮮における伝存
2 1930年前半の優生学と胎教
3 1930年代後半の胎教を取り巻く論争
おわりに
第五章 韓半島にもたらされた「近代の知」と胎教ーー女性教育、民族改造、〈朝鮮学〉振興運動
はじめに
1 「女性教育論」と胎教言説
2 植民地期の「民族改造論」と胎教
3 女性医師・許英肅の民族改造論と胎教
4 1930年代後半の「〈朝鮮学〉振興運動」と『胎教新記』
おわりに
終 章 近代化する「出産の場」と女性
1 生き残った出産風習と植民地朝鮮の近代
2 「出産の場」を眺めるということ──本書のまとめ
註
初出一覧
引用・参考文献
あとがき
索引