本書は、我が国に現代的な言語・聴覚障害のためのリハビリテーションが生まれた当初から言語臨床と研究、そしてその教育に携わってきた著者が、その経験を若い世代の言語聴覚士に伝えたいと考え、執筆されたものです。
「ヒトと言語」という最も基本的なトピックから、言語聴覚障害の評価と治療という具体的なトピックまでの理解の仕方まで、まさに言語聴覚療法の概論で知っておくべきすべての内容がこの一冊にまとまっています。著者自身の経験も含めて、各章は言語聴覚臨床の生き生きとしたエピソードから始められ、そこで描かれている人々の姿を念頭に読み進めることによって、言語聴覚士として働くために欠かすことのできない必須知識を吸収することができます。
言語聴覚士をめざす学生から若い現職者に至るまでの広い層に、親しみやすく読んでいただける入門書です。
第1章 言語聴覚士
第2章 コミュニケーション
第3章 言語の発達と老化
第4章 言語の障害
第5章 言語障害の評価
第6章 言語障害の治療
第7章 言語障害の改善事例
付録 言語障害学の歴史と現況
現代中国語のシンタクスの諸相を細緻に多面的に描き出す。
大航海時代の宣教師たちから、オランダ商館の人々、幕末の外交官、明治のお雇い外国人まで。立場を背景にした強靱な使命感と知的好奇心によって、“内”の視点では気づきにくい日本語の特質を、“外”から鋭く観察して書物を残した。LとRの発音の区別がない、格変化や性・数の別がない!と驚きながらも、辞書や文法書を作って後進のためとし、海外に日本学の種を播いた彼らに光を当てる。
第I部では、他の文法モデルとの対照も交えて認知文法の独自な枠組みを詳細に解説し、それがいかに現実の言語使用から必然的に導かれ、第2期と呼ばれる近年の進展を要請するものであるかを示す。第II部では、「構文」概念の拡大と変遷の観点から様々なアプローチの意義と問題点を明らかにし、構文文法の多様な発展の様子を跡付けて現状を概観する。あわせて、隣接関連領域への応用などの今後の展望についても論じる。
本書は、言語現象そのもの、とりわけ文レヴェルの構文に注目しながら、認知言語学や認知文法の枠組みから私たちの言語能力や言語知識が(規則の集合ではなく)深く認知に根ざした存在であることをいくつかの角度からわかりやすく示したものである。
言語類型論は、世界の諸言語の構造に関する普遍性とバリエーションの解明はもとより、個別言語の興味深い現象の分析にも重要な貢献を果たしてきた。本書は、格標示、文法関係、品詞、従属化(関係節・補文・副詞節)・非従属化といった単文および複文に関わる形態・統語現象に関する類型論的分析、類型論の知見を2言語の詳細な対照に援用した比較類型論、さらには近年進展が著しい移動表現の語彙類型論といった、言語類型論の多角的な展開を概観する。
第1章 言語類型論研究の現状と課題
第2章 格と文法関係の類型論
第3章 品詞の類型論
第4章 従属と非従属の類型論ー語用論と構文の関係を中心にー
第5章 比較類型論の観点からの言語対照ー日本語と韓国語を対象としてー
第6章 移動表現の類型論の構築
第7章 移動表現の類型論の解体
第二言語習得研究の史的変遷、研究成果と理論などを踏まえた上で、第二言語不安を含む情意要因の研究の位置づけと理論的枠組みを整理し、心理言語学の視点から他の各情意要因と第二言語不安との関係にアプローチすることにより、実証的な研究の上で第二言語不安の本質と実態を分析し、効果的な教育支援策を提案。研究データの収集方法と、他の各情意要因と第二言語不安との関係にアプローチすることにより、第二言語不安の本質と実態を分析する。
言語にはさまざまな移動現象が存在する。それらをどう説明するかは、生成文法研究の主要な課題である。本書では、この課題に対し、各章で独自の理論や分析を提案し、その帰結を探る。各章では、二重側方移動という新たな形態の移動、素性一致や転送のメカニズム、疑問詞解釈に与える顕在的・非顕在的移動の影響、および移動のコピー理論から導かれる演算子の作用域設定の諸相といった観点から議論を展開する。
目次
第1章 併合と移動の新たな可能性
第2章 素性一致メカニズムと移動現象
第3章 疑問詞移動の量化依存的解釈
第4章 移動のコピー理論と焦点辞の解釈