貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、
不条理にキラキラのポストモダン、
結婚というタフなビジネス……
「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て!
注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本
・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?
・フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ
・パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!〈翻案の効用〉とは
・『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし
・「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか……etc.
閉塞する現代社会を解きほぐす、鮮烈な最新批評集!
女性への抑圧はいったい何に由来するのか。著者は主婦・家事労働に着目しつつ、階級闘争でも性解放運動でも突破しえなかった、近代資本制社会に特有の女性抑圧構造を、理論的、歴史的に明快に論じてみせた。マルクス主義フェミニズムの立場を打ち出し、研究の新たな地平を拓いた記念碑的著作。
前人未到の読書案内『松岡正剛千夜千冊』の著者が贈る人生を変える読書術。この「一冊」で「千冊」が読める。
売られたケンカは買い、連帯は国境や世代を超えて呼びかけるー。上野千鶴子の発言は、折にふれ共感、時に物議をかもしてきたが、背景にあるのは、自身の率直な思いと、女が女であるがままの解放をめざすフェミニズム思想。四〇年間、その最前線を走りつづけてきたフェミニストの、迫力のリアルタイム発言を一挙公開。
今、この人の話していること、聞かないとだめじゃないかな。
耳を傾けるだけじゃなくて。体ごと傾けて。
ーー斎藤真理子(翻訳者)推薦
ー - - - - - - - - -
あなたに死なないでほしい。
家父長制、資本主義、天皇制に抗して、あらゆる生存のためになにができるのか、なにが言えるのか。金子文子やデヴィッド・グレーバーを参照軸に、アナーカ・フェミニストの立場からこのくにの歪みを抉り出す、ライター高島鈴の初エッセイ集。脈打つ言葉は、きっと誰かの心臓と共鳴する。
「どうせ生まれてしまったんだから、他人のために、少しでもこの世をマシな方向に動かそう。自分のために殺意を使うな。首にかかった手を外して、ゆっくりと社会に向かって拳を握り直そうではないか。いろいろなものに追い詰められて、布団の上に横たわったまま動けずにいる身体は、あなたの意志ひとつで蜂起に参画できる。私はあなたと、そういう戦いをしたいのである」(本文より)
◎目次
序章
第1章 アナーカ・フェミニズムの革命
第2章 蜂起せよ、〈姉妹〉たち
第3章 ルッキズムを否定する
第4章 布団の中から蜂起せよーー新自由主義と通俗道徳
第5章 動けない夜のためにーーメンタルヘルスと優生学
第6章 秩序を穿つーーナショナリズム/天皇制に抗する
第7章 儀礼から遠く離れて
第8章 死者たちについて
終わりに
初出一覧
序章
第1章 アナーカ・フェミニズムの革命
第2章 蜂起せよ、〈姉妹〉たち
第3章 ルッキズムを否定する
第4章 布団の中から蜂起せよーー新自由主義と通俗道徳
第5章 動けない夜のためにーーメンタルヘルスと優生学
第6章 秩序を穿つーーナショナリズム/天皇制に抗する
第7章 儀礼から遠く離れて
第8章 死者たちについて
終わりに
初出一覧
日本の何が問題なのか?
母娘問題、セクハラ、結婚・恋愛・子育て、団塊世代と大学闘争、性暴力などについて徹底的に語り合った7時間!
・日本の女が大変なワケ
・世代でくくると見えてくるもの
・結婚、恋愛、ナメんなよ!
・子どもを産むのは親のエゴイズム
・オヤジは再生産される!?
・性暴力は女性ではなく男性の問題
・私たちは山ほど洗脳されている!
<著者について>
上野千鶴子(うえの・ちづこ)
1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクショネットワーク(WAN)理事長。
専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間、教育と研究に従事。
著書に『家父長制と資本制』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(朝日文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)など多数。
田房永子(たぶさ・えいこ)
1978年東京都生まれ。漫画家、ライター。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ
『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)がベストセラーに。主な著書に『ママだって、人間』(河出書房新社)、
『キレる私をやめたい?夫をグーで殴る妻をやめるまで?』(竹書房)、『「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました』(大和書房)など。
これは現代に待ち望まれた小説である。男と女の問題が、かつてないスケールで考察されている。真摯に愛を探究するすべての人のためにこの物語は書かれた悪夢と幻想の女性優位社会。
急成長した若い集団。そのパワーの源泉はミーイズムであった。事件を生んだ企業人意識のインサイド・レポートと変わりつつある日本社会。
「助けて」路地の奥から聞こえた叫び。うら若き男性が三人の女にレイプされている。会社帰りに暴行事件にまきこまれた青年いさぎは、まるで“女のように”強い男に助けられる。たくましい女性と結婚して楽しい家庭をきずき、〈男の花道〉で命をまっとうしてますらお神社に英雄として祭られるのが男の幸せ…。徹底した女性優位社会に疑問を感じたいさぎはその男にすすめられるままに、メンズ・リブ運動に身を投じるが。
ミス・コンテストの問題や、性の商品化をめぐる問題などにおいては、いったい何が差別なのか、したがった何がどうなれば平等だといえるのか、必ずしも明確ではない。「男性と女性が平等である社会とはどういう社会か?」という問いは、今や答えることのもっとも困難な問いになっているのである。本書は、この困難な問いをけっして放棄することなく、常に問い続けるという姿勢を貫きながら、…暫定的ではあるが、「平等な社会」について、一つの明確なイメージを浮かび上がらせようとするものである。
山田詠美、林真理子、森遥子、吉本ばなな、荻野アンナ、柴門ふみ、ヒラリー・クリントン、ジャンヌ・モローらの、「女を磨く」選び抜かれた150フレーズ。
現代人にとっては、あまりにも当たり前のことになってしまった避妊。それはいつ、なぜ、どのようにしてはじまったのでしょう。生殖をコントロールするのが「正しい」ことになってゆく過程で、私たちはなにを失い、なにを得たのでしょう。これは、産む、産まないをめぐる熱い闘いについての「歴史」であると同時に、「いま」の私たちの位置についても考えるための本です。
隠されたメッセージを読み解き、文学史の書き換えを迫る。気鋭の批評家・研究者12人による書き下ろし評論。
西欧・男性の視線のエキゾチズムを超えた場所で、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの女の言葉は何を生み出しているか。彼女たちは何者なのか、それはどのような差異をかかえた言葉なのか。アカデミックな人類学やフェミニズムの枠を破って“男から盗んだ言葉”の枷をはずし、想像力あふれる言葉や語りの引用と著者自身による映像のコラージュを織り込みながら、文化をめぐる複数の問いを交差させる試み。注目の俊英、ベトナム女性映像作家による、新しい思想の予感に満ちた書。
本書は、進化論の失敗を含めた歴史的背景を振り返り、差別思想、倫理観、宗教観、フェミニズム、心理学などの既存の領域を進化論的側面から掘り返す。その上で、新たな思想の足場となる生物学的な人間観を提示した、画期的な書。
反射し拡散し、新たに焦点を結ぶ三つの言葉と三つの主題。「近代国民国家と暴力」にまつわるフェミニズム論争の万華鏡。
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないかー。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。
正当な地位を獲得すればするほど進む若い世代のフェミニズム離れ。それはなぜか。近代主義的な言説の厚む幾重もの屈折を解きほぐす。
『装置としての性支配』(1995年)につづく第五論集。90年代後半から今日までのフェミニズム、ジェンダー論を中心とした著者の代表的な仕事を収める。「女の時代」と呼ばれた80年代から一転して90年代のフェミニズムは、普及と拡散という事態に直面し、フェミニズム離れという現象すら起きている。少子化、晩婚化、経済不況の深刻化のなかでフェミニズムが抱えている課題を明らかにする。総論から各論へ、女性全体の問題から個別の問題へ、という時代の変化の意味を探っていく。性の商品化、性暴力、自己決定、セクハラなどの問題群をどう考えればよいのか。
音楽療法からフリー・ミュージックまで最先端の音楽シーンに立ち会って考えたこと。
身体、そのリアリティから生起する今日の倫理を問う。