イギリスの庭園思想をリードしたのは、「エデンの園」「アルカディア」という相異なる「夢の楽園」に対する憧れであり、「癒しの庭園」を創ろうと試みる中で、2つの庭園観は相克と融合を繰返した。やがて、近代化過程で「神の創った自然」から「人が管理する自然」へと自然観が変り、世界各地の植物がもたらされ、東洋庭園の影響も受け、庭園様式は大きく変貌を遂げた。本書は、英文学、本草誌、ガーデニングの本などを素材に、イギリス庭園史を追い、併せて、日本人の自然観、日本の庭園史との比較を随所で試みる。図版多数。
奇病が流行った。ある者は角を失くし、ある者は翼を失くし、ある者は鉤爪を失くし、ある者は尾を失くし、ある者は鱗を失くし、ある者は毛皮を失くし、ある者は魂を失くした。
何千年の何千倍の時が経ち、突如として、失ったものを再び備える者たちが現れた。物語はそこから始まるーー
妊婦に翼が生え、あちらこちらに赤子を産み落としていたその時代。森の木の上に産み落とされた赤子は、鉤爪を持つ者たちに助けられ、長じて〈天使総督〉となる。一方、池に落ちた赤子を助けたのは、「有角老女頭部」を抱えて文書館から逃げだした若い写字生だった。文字を読めぬ「文字無シ魚」として文書館に雇われ、腕の血管に金のペン先を突き刺しながら極秘文書を書き写していた写字生は、「有角老女頭部」に血のインクを飛ばしてしまったことから、老女の言葉を感じ取れるようになったのだ。写字生と老女は拾った赤子に金のペン先をくわえさせて養うが、それが「〈金のペン先〉連続殺人事件」の発端だった……
歌集『Lilith』、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇集『月面文字翻刻一例』の新鋭、初の幻想長編小説。
たとえば日本人旅行客にも、インバウンド客にも大変な人気を誇る、京都・東福寺の方丈庭園「井田の庭」。近代日本において「永遠のモダン」を標榜した作庭家・重森三玲による設計で、伝統的な市松模様をサツキの刈込みと葛石(かづらいし)で表現した、大胆な意匠です。
京都には、ほかにも伝統と現代的センスを融合させたすばらしい庭がたくさんあります。本書では、三玲の孫にあたる作庭家・重森千青氏が、京都に行ったらぜひ見てほしい“和モダン庭園"を選び、京都の庭園写真に定評のある写真家・中田昭氏の写真で解説。新旧問わず、「モダン」な庭は、なぜ、見るものにそう感じさせるのか。その秘密を、美しい写真と庭鑑賞のためのキーワードから読み解き、背景にある庭園設計思想などを紹介します。ビジュアル編(第一部。写真+ミニ解説)には英訳付き!
まえがき
第1部 京都 和モダン庭園案内 解説・重森千青(英訳付) 写真・中田昭
三千院/慈照寺/詩仙堂/平安神宮/天授庵/法然院/無鄰菴/金地院/宝泉院/実相院/妙満寺/真正 極楽寺(真如堂)/正伝寺/上賀茂神社/龍源院/真珠庵/源光庵/瑞峯院/龍安寺/東海庵/天龍寺/東林院/本法寺/桂離宮/盧山寺/相国寺/梅小路公園/松尾大社/東福寺/龍吟庵/光明院/一華院/醍醐寺
第2部 和モダン庭園鑑賞のツボ
自然の縮景ーー四季、時刻、天候による変化
庭園形態の違いによる楽しみ方
3つの様式/池泉庭園/枯山水庭園/露地
なぜ日本庭園はモダンなのか
植物が果たす役割
植物における見立ての美/植栽表現
永遠不変性を表現する石組
石における見立ての美/石組の妙、石の種類/鶴、亀、蓬莱石組
余白の構成
「借景」--自然を取り込む造園手法
借景の美しい庭園
直線と曲線の妙
「和モダン」な庭園はなぜ生まれたか
付録 モダンな庭園を設計した作庭家たち
夢想疎石/千利休/小堀遠州/片桐石州/第七代小川治兵衛/重森三玲
あとがき
本書(第1部)に出てくる社寺
京都 和モダン庭園マップ
楽園という解釈以前に「自然」と「技巧」、「暗喩」と「現実」が共存し紡がれてきた庭園群。7〜20世紀まで、世界81庭園を豊富な図面、写真とともに検証。
旧藩主の銅像、文明開化の象徴たる博物館や博覧会、市民広場に集う市民、迫りくる都市化の波……。近代の大名庭園には、じつに多様な行為が入り乱れている。そして大名庭園は、そうした「雑音」を取り除きつつ、近世の空間を期待してくる観光客のために、近世らしい空間を演出し、ときにはそれを創造してきた。
現代の大名庭園からは失われてしまった近代における変化の痕跡を、画像資料(絵図、地図、古写真、絵葉書)を中心に紹介。従来注目されなかった独自の視点から収集したビジュアルを盛り込みつつ、現在の庭園空間に近代が与えた影響を明らかにする。
【収録庭園】
岡山後楽園
金沢兼六園
水戸偕楽園
高松栗林公園
彦根玄宮楽々園
小石川偕楽園
広島縮景園
鹿児島仙厳園
沖縄識名園
贅を尽くしたカントリー・ハウスからさり気ない街角まで、貴族も庶民も情熱を傾ける英国の庭。生まれながらの庭師・英国人の「趣味」の歴史をたどり英国人気質に迫るユニークな英国文化論。
ルネサンスの大富豪メディチ家がフィレンツェ郊外トスカーナ地方に所有していた14の別荘と庭園(2013年ユネスコ世界遺産に登録)を、初めてまとめて紹介!!
各々を訪ね歩き、建築史・庭園史、滞在者・訪問者や出来事、美術・文学・音楽・思想などとの関係、周囲の景観や動植物などを探る画期的な一書。美しい写真・図版300点余を掲載。巻末に別荘で見られる植物小事典を付す。
取り上げた別荘と庭園 ▶▶▶
1.カファッジョーロの別荘:ムジェッロ地方の領主の城館/2.トレッビオの別荘:ムジェッロ地方のもうひとつの領主の城館/3.カレッジの別荘:プラトン・アカデミーの聖地/4.フィエーゾレの別荘:眺めのいい理想郷/5.カステッロの別荘:動物のグロッタ/6.ポッジョ・ア・カイアーノの別荘:古代神殿風ファサード/7.ペトライアの別荘:ダンスホールになった中庭/8.チェッレート・グイディの別荘:ジグザグの大階段/9.セラヴェッツァの別荘:僻遠の要衝/10.ラ・マージャの別荘:狩りの休憩所/11.アルティミーノの別荘:領域支配の中心/12.ポッジョ・インペリアーレの別荘:新古典主義のファサード/13.ボーボリ庭園:市内のイタリア式庭園/14.プラトリーノ庭園:イタリア式庭園からイギリス式庭園へ
【サイズ】52.7 x 38 cm
【枚数】7 枚
【三大特徴】
・6枚の美しい英国ガーデン
・花好き女子が選んだセレクション
・メモ欄がある2ヶ月表示デザイン
【暦掲載情報】
大安
【商品詳細説明】
花と緑で包まれた英国スタイルの美しいガーデンを厳選したカレンダー。
お花好きな方は、季節に関係なく1年中きれいな花を眺めたいはず。
そんな方におすすめなカレンダーです。
アール・デコ・リヴァイヴァル!
激動の時代を越えて守り抜かれた奇跡の建築「旧朝香宮邸」。
その歴史がひもとかれたとき、 “美のタイムカプセル”は開かれ、
アール・デコの栄華が再び眼前に姿をあらわす!
「アール・デコ」様式で統一された優美なデザインで、他の美術館とは一線を画する東京都庭園美術館。2015年には国の重要文化財に指定された同館は、都心とは思えない緑豊かな庭園とともに多くの来館者を魅了しています。
みなさんは、この美術館がかつて「朝香宮家」という皇族の邸宅であったことをご存知でしょうか。建物が誕生したきっかけは、朝香宮ご夫妻がパリに滞在中の1925年に訪問した「アール・デコ博覧会」でした。当時のデザインや芸術の精華に魅了されたご夫妻は、東京にアール・デコの館を建てることを思い立ち、帰国後、その建設に情熱をもって取り組みます。主要部分の内装は、当時のフランスを代表する装飾美術家であるルネ・ラリックやアンリ・ラパンに依頼、基本設計は宮内省内匠寮の建築家だった権藤要吉が担当することで、朝香宮邸は当時の最先端の様式を同時代に採り入れた建築となりました。
戦後、朝香宮家がこの館を去った後、新たな主となったのは吉田茂でした。旧朝香宮邸は外務大臣公邸(のちに首相公邸)として使用され、サンフランシスコ講和条約締結の構想を含む、戦後の重要な局面における舞台の一つとなりました。吉田茂が去った後も、「旧朝香宮邸」は迎賓館として外国の要人を迎え入れたり、一般に開かれた結婚式場として利用されたりと、その時々に主を変え、利用者に愛されながら、今日まで守られた奇跡の建築です。
本書では、この世界でも稀に見るアール・デコ様式の館を往来した人々の歴史と記憶を、「旧朝香宮邸物語」としてまとめました。1933年の朝香宮邸竣工当時の貴重な写真の数々とともに、「旧朝香宮邸」を巡る物語をお楽しみください。
近年、再評価の機運が高まる「アール・デコの館」の魅力に迫り、また東京都庭園美術館がこの建物をどのように活用、保存し、未来へとつなげていくかの出発点となる書籍となっています。
幽玄、瞑想的、平安そして広大な宇宙観が投影された悠久の空間とは、中国庭園に抱いてきた根強いオリエンタリズムの幻想。されば実際の庭園とは如何なる場所だったのか。さまざまな相貌を持つ庭園の実像を、絵画・文学から園芸・植物学、風水そして政治・経済的側面まで踏まえ自在に論じつくし、固定観念を粉砕する第一級の空間論・文化史。
今や海外からも絶賛されている日本庭園。
自然と調和し、四季折々に移り変わる美しさは、まるで屋外美術館のようで、見飽きることがありません。
平安神宮・東神苑に咲くサクラ(京都府)、青モミジと苔が織りなす昌禅寺庭園(長野県)など、掲載された写真からは、日常の喧騒を忘れ、こころが洗われるような風情を感じます。
改めて日本庭園の伝統美に気づく、やすらぎのカレンダーです。
◆仕様◆
・サイズ : 縦300×横420mm (開いた時のサイズ : 縦600×横420mm)
・スマホ壁紙12枚のダウンロードQRコード付き
・写真上部が丸まらない透明ホルダー付き
・鮮やかな色彩を実現した高品質な印刷
・2026年 年間カレンダー付き
・環境に優しいFSC認証紙を使用しています
・抽選でQUOカードプレゼント!
◆掲載写真◆
【1月】圓光寺/京都府 左京区
【2月】長谷寺/奈良県 桜井市
【3月】平安神宮・東神苑/京都府 左京区
【4月】毛越寺/岩手県 平泉町
【5月】詩仙堂丈山寺/京都府 左京区
【6月】観音寺/京都府 福知山市
【7月】妙心寺退蔵院/京都府 右京区
【8月】高野山金剛峯寺/和歌山県 高野町
【9月】昌禅寺/長野県 長野市
【10月】天龍寺/京都府 右京区
【11月】真正極楽寺・真如堂/京都府 左京区
【12月】圓徳院/京都府 東山区
【翌年ページ】明月院/神奈川県 鎌倉市
◆注意事項◆
法律の改正等により、国民の休日等が変更になる場合があります
販売目的の額装不可/禁無断転載
掲載月と撮影月が異なる月もございますので、ご了承ください
◆QUOカード プレゼントキャンペーン◆
アンケートへご協力いただいた方の中から
抽選でQUOカードをプレゼント!
20,000円分: 1名様
10,000円分: 3名様
1,000円分: 50名様
締切:2025年1月31日まで(詳しくは商品をご覧ください)
御所・離宮や公家屋敷と寺社の町京都には歴史的な名庭園が数多く残されており、庶民もまたウナギの寝床と形容される独特の家屋「町屋」に趣向を凝らした庭を工夫してきた。将軍や大名の庭から庶民の園芸までが花開いた江戸や町人の文化が隆盛した大阪とはひと味もふた味も違う、世界遺産の都ならではの庭園の魅力をあますところなく描き出す。下巻は神社仏閣と町屋を紹介。
第5章……寺社の庭園1
1 京都の寺社
2 徳川家菩提寺の庭園
3 東西本願寺の庭園
4 門跡寺院の庭園
5 幕府と寺院の関係
第6章……寺社の庭園2
1 寺社の観光地化
2 禅宗寺院の庭園1
3 禅宗寺院の庭園2
4 その他の宗派の庭園
5 寺院の庭園の特徴
第7章……町屋の庭園
1 京都の町人
2 京都の町屋の庭園
3 祇園の御茶屋の庭園
4 島原遊郭の庭園
5 町人の庭園の特徴
第8章……江戸時代の京都
1 山水河原者の消滅
2 東山の寺院の貸席
3 明治の庭園破壊
4 庭園からみた三都
おわりに
図版一覧
索引
住宅建築における庭づくり・植栽の基本知識やプランニングの基本として必要な用語約2600語を図版・写真約330点をまじえて簡潔にわかりやすく解説した、本格的な庭園・植栽用語辞典。
建築家だからこそ見える、微地形の息づかい。建物も見える1/2000の地形模型で見る世界遺産の「境内」の微地形。境内と奥山の関係、庭園のデザインや必然性が一目瞭然に!
芸術的な作品としても世界から認められている日本の庭園。美しい写真と構図でその魅力を表現します。
※壁掛け・月めくり、サイズ:縦30cm×横38cm、六曜
光と影がうつろい、鳥がささやく。刻一刻と変化する日本庭園をアーカイヴすることは可能かーー日本庭園を総合的に知覚するために。日本文化研究の新鋭が、現代のテクノロジーを駆使して日本庭園の知られざる側面を明らかにするとともに、その新たな姿を描く。アプリ上で読むことができ、譲渡・売買可能なNFT電子書籍付。NFT電子書籍には、特典として著者・原瑠璃彦さんと津川恵理さん(建築家)が実際に東京都内の日本庭園を散策しながら対談した記録を収録。【取得期限:2025/7/17 23:59】