SDGsでは性感染症予防やジェンダー平等が明記され、保護者の強力なニーズもあり、性教育に注目が集まっている。国際標準の性教育は学校が拠点となる。日本のボトルネックは何か、いかに打開し実践を切り拓くか、理論的に論じる。
はじめにーー性教育のさわやかな風を吹かそう
第1部 包括的性教育とは何か
第1章 性教育の新しい時代を拓く国際的スタンダード
--『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』初版から改訂版へ
【補足資料1】アメリカ性情報・性教育協議会(SIECUS)の「包括的性教育ガイドライン」(第3版、2004年)
第2章 性教育におけるテーマ主義と課題主義
--テーマ主義を悪用された都議会での性教育バッシング質問にも触れて
第3章 “青少年の性”はどう捉えられてきたか
--戦後日本の性教育政策と国際的スタンダード
第2部 包括的性教育をすすめる
第4章 乳幼児期から包括的性教育をすすめる
--人生のはじめだからこそ偏見のない性の学びを
【補足資料2】乳幼児の性教育で「からだ学習」をすすめる10のポイント
第5章 学校教育の現場で包括的性教育をすすめる
--学習指導要領の問題点と国際的スタンダードへの展望
第6章 包括的性教育の立場で「性教育の手引」を発展させる
--東京都教育委員会「手引」の問題点の解明と性教育実践の展望
第7章 性教育をすすめるとき、すすむとき、そして立ち止まるとき
--ゆたかで多様な実践の可能性
おわりにーーいまこそ性教育政策の転換のとき
性教育というのは、誰とどのように関係を築いていくかを考えていくことも大切な学びでもあるのです。
「性」は人間にとって豊かに、そして幸せに生きるためのもの。(略)からだや生殖のしくみだけでなく、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等、幸福など「人権」を基盤とし幅広いテーマを含む性教育を包括的性教育と言います。(プロローグより)
「赤ちゃんはどこから来たの?」「LGBTQってどういう意味?」「付き合っていたら手を繋ぐのは当たり前?」
心とからだに変化が訪れる思春期、わたしたちは沢山の「なぜ?」に出会います。あなたなら何と答えますか?
まずは科学的に自分自身のからだを知ること。それはあなたを守ることにも通じます。からだの仕組みのほか、「男らしさ」「女らしさ」の根っこにある思い込み、性感染症、デートDV、バウンダリーといった他者との関係づくりのルールなどなど、現場の教員や大学研究者と作り上げてきた性教育プログラムの実践内容をぎゅぎゅっと一冊の本にまとめました。
性を学ぶことはあなたにとって大切な権利。心とからだが発達し始める中学一年生から、どこから伝えればいいかわからないという家庭や教育の現場まで、幅広い世代にこそ手に取ってほしい、人との豊かな関係を作るための「性の教科書」です。
プロローグ
1 性について学ぼう
2 いのちのはじまりと誕生
3 いろいろな性のあり方
4 大人に向けて変わりつつあるからだ
5 人間の性行動
6 恋愛とデートDV
7 日本の性教育を変えていこう
エピローグ 対等で尊重し合える社会を目指すために
巻末資料 事前アンケート・授業内アンケート/情報サイト・書籍・相談窓口
いま新たに問う、男子・男性の性のあり方。悩み多き男子の性の実態を明らかにし、再生への道を示す。
幼稚園・保育園・小学校・保健施設等での授業、公開講座になくてはならない性教育の決定版。性教育講座の手順を実践をもとに丁寧に紹介します。「いのちのもと」(受精卵)ができてから赤ちゃんが生まれるまでの過程を、紙しばいとホワイトボードシアターを使って伝えます。紙しばいのほか、胎児マスコットづくりなどの体験を通して、子どもたちだけでなく大人も、いのちの大切さ、いのちの重さを実感でき、「生まれてよかった!」「産んでよかった!」と感じられる内容です。
本書は助産師の性教育において「生命」のありようを伝えること、及び、「豊かなセクシュアリティ」を目標とした。
子どもたち一人ひとりに遍く開かれた教育をめざしてー。「人種のサラダボウル」と呼ばれ、多くの人種・民族が共生するアメリカ。しかし昨今、様々な分野で人種・民族間の格差拡大が叫ばれている。特に、「子どものエンパワメントの格差」は、大人になった後の知識や技術などを決定づけるという点で、格差問題の構造に深く根を下ろしている。本書は、イリノイ州シカゴ学区(CPS:Chicago Public School)の市民性教育の詳細な事例分析を通し、そこでのカリキュラム計画・実践の方途を明らかにするとともに、「子どものエンパワメント格差」の是正に向け必要となる具体的要素の抽出を試みる。同じく格差拡大が問題視されるわが国にも重要な示唆に富んだ一冊!
「性について、子どもの発達段階に応じて、明るく大らかに、こたえられるおとなであってほしい」-北沢杏子。著者の実践から生まれた、保護者と子ども、先生と児童に役立つ本。
現代の性教育に疑問を持つ保健体育教師・辻先生は、赴任先の女子高で彼女もち女子、BL好き女子、ただの猫好き女子などを相手に、大胆な性教育を試みるーー!!
「女の子同士の安全なセックスって?」「前向きなオナニー?」「フクロモモンガに膣が3つあるのはどうして?」
下ネタ以上、マジメ未満。セックスエデュケーションコメディ。
異端の女教師とJKによる、とにかく明るい性教育が始まるよ!
【コミックス限定の描き下ろし漫画を収録】
辻先生の中学時代のエピソード「下ネタの女王」をコミックス完全描き下ろし!
性教育って何を教えるの?はじめるのはいつ、誰が?産婦人科医・養護教諭・カウンセラー等が、性の正しい知識や生命のたいせつさ、すばらしさを伝えます。
トランスジェンダーなど性的少数者に対する素朴な疑問・誤解から偏見・不安を煽るデマや陰謀論まで事実と人権に基づき一問一答。日本の性教育を再び後退させないため各分野のエキスパートが結集!
競技スポーツ等の身体運動は「健全なる精神」の育苗装置。知育・徳育の基盤こそ体育。-これら、うたがわれることのない図式こそ、知性の欠落にもとづく思考停止、無責任な楽観主義の産物というべきだろう。自明視されてきた「身体教育」の本質を再検証し、栄養学・性教育・救急法などをふくめた保健体育・家庭科ほか「広義の体育」が本来はらむ可能性を提起する。
なぜ、ひとは一人では生きていけないの?なぜ、リスキーなセックスを求めるの?社会学者と小学校の先生がコラボするこれまでにない「恋と愛と性」の授業。