怒濤の勢いで侵攻してきた薩摩軍に琉球軍はわずかひと月で降伏。奄美諸島は薩摩に割譲され、尚寧王は日本本土へと連れ去られる。属国へと堕ちながらも、明に対しては独立国の体面を見せねばならない王国の苦悩。しかし琉球の誇りを胸に秘め、「南海王国」建設へ人々の胎動が始まる。大河歴史小説、完結編。
戦いのあと
国破れて
鐘魔の踊り
二艘の船
嵯峨野の寮
反問の書
庚戌正月
伏見まで
雨中往還
悲しき帰郷
壬子の年
乱離の海
幻影海流
王たちの死
歳 月
落日を浴びて
加賀藩の若き侍・大槻伝蔵は、その経済感覚を買われて藩主・前田吉徳の寵臣となり、藩の財政再建に取り組む。しかし、二百三十石取りから三千三百石取りの大身に出世した伝蔵に、反目する前田土佐守ら守旧派による逆襲が待ち受けていた…。巷説、俗説にまみれた「お家騒動」の実態を追究し、“極悪非道の逆臣”とされてきた伝蔵の真の人間像を描き出す長編歴史小説。
高杉晋作が尊王倒幕の運動に奔命したのは、五年に過ぎない。五年の運動によって、盤石の徳川幕府はゆらぎ、倒壊は時間の問題となるに至った……。若すぎた死がさまざまな伝説を生んだ長州の英雄・高杉晋作。その五年の歳月、晋作の客気を描いた歴史小説。死が訪れる最後の最後まで、晋作は革命を決して諦めなかったのだ。その生には感動しかない。
7 登高四望
8 海濤の賦
9 髀肉の嘆
10 雲煙飛動
11 風塵の警
12 溝壑の死
あとがき
信州善光寺の行人・次郎三郎と仲間たちは、領地の切り取りに鎬を削る戦国大名たちを相手に、敵味方なく馬や兵糧などを取り引きする武辺の商人。織田勢に包囲された城に潜入して米を届けるような、度肝を抜く知恵と行動力で乱世を生き抜いている。次郎三郎とは誰あろう後に大坂方の知将として名を馳せる真田幸村の祖父・幸綱その人であった。真田一族の栄枯盛衰を描く戦国大河小説第一弾!(書下し)
朝日小学生新聞で連載中の『戦国姫』、書籍化第2弾!
書き下ろしの姫も収録!!
大大名に嫁ぎ政を指揮した三女・振姫、大脱出劇で命拾いした養女・栄姫、第三代将軍の生母・江姫、信長と家康の血を引く孫娘・熊姫、天皇の生母となった孫娘・東福門院和子、有能な秘書で側室の阿茶局。
家康の天下取りにかかわった、6名の愛しき姫君の物語。
町火消し朝沼頭取の愛犬が伊勢参りを済ませて江戸へ帰ってきたーー妙なことに、金刀比羅宮を仰ぎ見る瀬戸内の塩飽衆の元吉と奈々と名乗る、見知らぬふたりも一緒だった。事情を訊けば、彼らに自治の特権を与えた徳川家康の朱印状が狙われているという。朱印状は讃岐丸亀藩京極家の協力で仁清の壺に入れられ、船便で江戸に送られることとなったが、その途中、荒くれ者の船子がこれを奪って逃げ去った。無事に取り戻せるのか? 慎之助の剣が一閃する!
これだけは死ぬまでに読んでおきたい歴史・時代小説傑作100選。稀代の読み巧者が、ジャンルを広げた埋もれた名作も激賞。ネタバレを怖れない傑作ガイド。
将軍家と縁続きである“葵の若”こと勝田慎之助は、直心影流小太刀の遣い手ながら、父の死により寺の住職となっていた。が、突然、「上様をお守りせよ」との予期せぬ命を拝する事態にー。諸藩をも巻き込み、将軍の座を狙う御三卿の田安宗武と一橋宗尹。“公人朝夕人”の後見人となった慎之助は御側御用取次の大岡忠光、九代家重を陰で警固する葛西衆らとともに天下の大乱を防げるのか!?
安吾が描く、孤絶のバガボンドたち。全3巻完結編!
《目次》
道鏡
道鏡童子
柿本人磨
源頼朝
真書 太閤記
島原一揆異聞
島原の乱雑記
島原の乱 第一稿
猿飛佐助 草稿
わが血を追う人々
天草四郎
勝夢酔
安吾下田外史
安吾武者修行 馬庭記念流訪問記
花さける石
道鏡
道鏡童子
柿本人磨
源頼朝
真書 太閤記
島原一揆異聞
島原の乱雑記
島原の乱 第一稿
猿飛佐助 草稿
わが血を追う人々
天草四郎
勝夢酔
安吾下田外史
安吾武者修行 馬庭記念流訪問記
花さける石
無頼派作家×天下のタワケモノ
坂口安吾が描く、若き日の信長の姿とはー
将軍家重は大奥の灌仏会で出された甘茶を気に入り毎日飲むようになった。だが甘茶には田安一橋一派が仕込んだ鉛が含まれており、家重の身体を少しずつ蝕み始める。同じ頃、将軍の御側御用取次大岡忠光と公人朝夕人の土田伊織の元に奇妙な書付けが届く。そこには根来寺の寺紋である三つ柏と<梅坊主>という名前だけが記されていた。一方、公人朝夕人後見人の慎之介は密教寺院の灌仏会で梅坊主一味から大麻入りの酒を飲まされ……。人気シリーズ第4弾!
慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角ー南部の秘宝・片角となる。平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいたー。次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記!
志賀小太郎が長州で指南、そして会津へ来た長州藩士。戊辰戦争前の会津藩と長州藩の交流とは?余話「保科正之」「越前藩主松平春嶽」も掲載。
なによりも無粋を嫌う、風流大名の姫路藩主榊原政岑(まさみね)の楽しみは、身請けした吉原の高尾太夫ーー今ではしずやと名を改めた恋人との、ふたりきりでの散策だ。今日も浴衣姿で愉しんでいると、遊女の総角(あげまき)と、札差を営む大口屋の長男清太郎とが心中したという瓦版売りの声が聞こえてきた。しずやが禿(かむろ)時代に世話になった総角にいったい何が起きたのか? 事情を知りたい政岑としずやは……。
古代の水の女神・瀬織津姫は東北と深い関わりがある!!「大祓の祝詞」に封印された女神の真の姿は?北東北の伝承の小説化「だんぶり長者の遺産」に続き、主婦探偵?遙菜が瀬織津姫の謎に挑む渾身の第2弾!
女流カメラマン千沙が、古都金沢をテーマにした写真集でデビューする直前、相次いで事件が起こった。編集部長が射殺され、金沢では千沙の実姉が事故死した。千沙が撮影した金沢の写真が原因か?十津川が捜査一課の若い刑事・西本を金沢に派遣すると、秘かに千沙に思いを寄せる西本は彼女のためにある妙手を思いつくが…。円熟の筆で金沢を旅情豊かに描く傑作推理。
2018年の大河ドラマは西郷隆盛! 坂本龍馬や大久保利通など西郷を取り巻く人々を通して、謎多きその実像を浮き彫りにする傑作短編集。
時代遅れとの批判に抗して書かれた鴎外の代表的歴史小説7編を収録。「堺事件」は、官命で堺を治める土佐藩士とフランス兵との衝突後の武士の処断を巡る抗議の顛末を、「護持院原の敵討」は江戸中期の敵討ちに至る苦難を、「阿部一族」は、肥後藩家中の重職の阿部一族が上意討ちで全滅した事件を描く。「高瀬舟」は、落ち着いた様子の島送りの罪人の事情を、「最後の一句」は、死刑となる父親を救うための娘の嘆願の顛末を、「安井夫人」は、大儒学者の安井息軒の妻お佐代の清廉さを、「じいさんばあさん」は、老夫婦の仲睦まじさの背景を描く。
中国・明からの使節を迎え沸き立つ17世紀初頭の沖縄・琉球王国。だが、この国の平和は幕府を後ろ盾にした薩摩によって侵されつつあった。侵攻に膝を屈するか? 独立をかけて抵抗するか? そして宗主国・明は助けてくれるのか? 生き残りを賭けて琉球の闘いが始まる。
波之上
雲と竜
大和事情
冊封使の季節
中秋の宴
重陽の菊酒
冊封使去る
一官の旅
南北多難
白鶴寺聴琴楼
冊封のあと
前夜
甲螺の館
七島灘を越えて
ティサージ
薩軍上陸
城下の盟
なんとしても帰りたいー破船・漂流の果てに待つ、異国での過酷な境涯と歴史の翻弄。そして、時代は彼らの帰還をどう迎えたか。