イン/ポライトネス研究は新たなステージへ。政治、AI、ソーシャルメディア、マウンティングなど「協調」と「非協調」、「ポライト」と「インポライト」のスペクトラムを捉える。本書は、複雑化、多様化する社会の幅広いコミュニケーションへと視野を広げ、イン/ポライトネス研究の地平を開くことを目的とする。
上田万年は(中略)西洋言語学を日本に導入した人という評価は変わらない。その評価はどこまで正しいのか。そこが本書の出発点である。(中略)長田(2003)で「上田万年はどうみてもアマである」(本書271頁参照)と宣言したので、その検証もすべきだ。さいわいにも新村出筆録・柴田武校訂(1975)『シリーズ名講義ノート・上田万年言語学』というテキストがある。それを丁寧にみていけば上田の西洋言語学理解がわかるはずだ。また、このテキストに取り組んだ人はまだいない。こうしてできあがったのが本書である。
英日翻訳の基礎となる技術を身につけながら、言語と文化について理解を深めることができる翻訳の入門書。
なぜ、方言はうらやましがられたり、馬鹿にされたりするのか。『となりのトトロ』のサツキとカンタの会話から、何が分かるのか。あの人はなぜ自分のことを「オレ」と言ったり「ぼく」と言ったりするのか。ママと呼んでいたのがかあさん、おふくろ、母親、と変化するのはなぜか。状況に合った敬語が使えるようになるにはどうしたらよいのか…。学校では教わらない、でも、一番「伝わる」日本語とは…?「生きた言葉」と、環境(社会)との関係を科学するー「ことばの社会学」の入門書。
幾多の思想家を触発してきた稀代の言語学者エミール・バンヴェニスト(1902-76年)。『一般言語学の諸問題』第1巻の邦訳(みすず書房)から30年の時を経て、待望の第二論文集、完訳なる。
印欧語から世界の日常用語、そして「ネット語」など新たなカテゴリーの言語へー。言語は民主主義で、誰かが強制できるものではないであろう。多くの言語を学習してきた言語学者・中村教授が、日々目にし、耳にする文字、言葉、韻律、会話に導かれ、言葉の深い森を彷徨する。
英語ばかりが外国語じゃない!いつもこころに文法を。長い道のりだからこそ、ときには道草、外国語。各駅停車でのんびりすすむ外国語への旅。
最近の言語学と関連諸科学の研究成果をふまえながら、生きたことばの構造・心理・社会・文化の側面を捉えて、ことばと人間の関係をトータルに鳥瞰したもの。
本書は、言語学の性質、起源、そしてこの分野で今何が問題となっているかということに関するチョムスキーの考え方をもっとわかりやすく述べたものです。チョムスキーは、いくつかの基本的な概念から始めて、上の問題に対して私たちが現在与えることができる解答の概略を説明し、将来の研究の見通しについて語っています。
言葉はなぜかわるのか。人間活動の所産であることはもちろんだが、巨視的にみれば、自然環境が重要である。なぜなら、気候の変動によって民族移動が起こり、それが言葉の変化をもたらし、ひいては現在の世界の言語分布にいたっているからだ。本書は、地理学の碩学が言語年代学の成果をふまえながら、気候と言語のダイナミックな関連性を一万年の人類史の中で実証するという野心的試みである。
13歳まで言葉に接することがなかった「現代の野生児」ジーニー。彼女の言語空白期が、知能の発達になにをもたらしたか。その回復の軌跡を、精神言語学により追った本書は、子どもの発達や現代社会の教育にかかわる根本問題を提起する。
「ことば」との素晴らしい出会い。ある本とのふとした出会いから言語学に引き込まれていった著者。彼をこれほどまでに魅了しつづけてきたものは何か…。際限のない言葉の宇宙を見据え、1つまた1つと新星を見つけ出した時の興奮を伝える。