京の笛師・智太郎は頼朝の落胤であった。姉弟同然に育った白拍子の珠子は、日蔭の子である弟を世に出したい一心で、鎌倉武士の恋を容れ、智太郎と二人京を発つ。鎌倉では、北条義時の命で動く猫(みょう)と呼ばれる宋人が暗躍していた。弟・頼家を退けてまで天下に号令する気のない智太郎は、宗像水軍の船に乗り筑紫へ去る。
北条氏の隠謀はやがて将軍頼家の命をも狙う。筑紫の海の豪族、宗像水軍の財力と威力を後ろ楯に、智太郎は弟・頼家のため立ち上がる。北条の密偵・猫は敵か、味方か。幽閉の身にある頼家、正気を失った妻・若狭に時政の討手が迫り、修禅寺は炎に包まれる。頼家は死んだのか?物語は意外な結末を迎える。
この本には、日本の歴史で活やくした人物の中から、特に重要な人物をえらんでのせてあります。また、まんがでえがいてあるので、楽しく読みながら、歴史の移りかわりを学ぶこともできます。
日美子の後輩女子大生、2人が誘拐され、犯人はそれぞれに1憶円の身代金を要求する娘から届いた暗号文も解けぬまま二階堂警部は苦悩するが、教師までもが誘拐され、父親の1人はヨットで殺される。真犯人の狙いは何?さざんか咲く寺で殺されるのは誰?からみあう糸をほぐす日美子の名推理。
ただ「花」といえば「桜花」を指すといわれるほどに、春爛漫の桜は日本人に格別の意味を持つ。ようやく長い冬が去り、光あふれる春の訪れ。その証しとして美しい薄桃色の花が万朶と咲き匂うとき、私たちの春の歓びは極まる。桜と日本人のかかわりの歴史を、上古より現代まで七期に分け、桜花にまつわる逸話・詩歌・人物のあらゆる事柄についてまとめた。国文学研究の第一人者による比類なき“桜”讃歌。
消えて行く貴重な中世の遺産-鎌倉街道をせめて写真として残すことを念願して18年。平板な記録を超えることを目指した成果がここに漸く結晶した。
本書は『宇佐神宮史』鎌倉時代3として弘安元年(A.D.1278)〜慶長元年(A.D.1311)の史料を収め「史料篇巻6」とした。
日本棋院の重鎮・滝川九段の鎌倉・胡桃谷の静かな邸で愛娘妙子の、結納が取りかわされていた。そこへ、乱入したライフル強奪犯二人組。彼らは婚約者に重傷を負わし妙子のネックレスを奪って逃走した。犯人を追う、妙子の兄でハンターの真一。だが、その直後に二人の強奪犯が次々と何者かに殺されて…。事件の裏に隠された鎌倉の史跡に繋がる宿命の出会いと悲しい女の性。古都を舞台に情趣感あふれる推理2選を収めた特選珠玉作。
数多くの花の寺とともに、ここ鎌倉の歴史的風土は、四時、人を魅了してやみません。じっさい鎌倉とは、ただ鎌倉幕府があった古都というばかりでなく、禅宗と日蓮宗の本拠地であり、日本で初めて社会事業としての施療が行なわれた処であり、文学史上では初めて『万葉集』が読解され、初めて『源氏物語』が書物になった処でもあるのです。そして少し前は、無名時代の芥川龍之介や萩原朔太郎らが温かい人情に包まれて、その才能を伸ばした処でした。しかし、僅か半世紀前の彼らの足跡すら既に失われようとし、数多くの「やぐら群」や「切通し」などの鎌倉古道は、風化と損壊の危機に瀕しています。この本は、今ならばまだ私たちが先人たちの足跡を辿ることが出来る最後の機会だということを踏査し実感して書かれたものです。
ダイアモンド、水晶、オパール、黄鉄鉱…。鉱物の魅力のすべてを教える入門エッセイ。
時代を動かした歴史上の事件や出来事を、新聞にまとめたわかりやすい日本史のシリーズです。写真資料やさし絵も満載、たのしみながら日本史の知識が深まり、学習に役立ちます。