文化装置の解読。ナチスとはどのような人びとか!?1933年に製作された劇映画『ヒトラー青年クヴェックス』の分析を通し、ナチスを再生産するプロパガンダの構造を解明する。文化人類学、精神分析等の方法を縦横に駆使した、文化のエピステモロジー。訳者による解説「『ヒトラー青年』をどう見るか」(平井正)「精神のエコロジスト」(宇波彰)を付す。
「日本経済における世界制覇は」、あながち極論だとは言えない。世界市場における日本の力は、われわれが想像する以上に強大である。西欧諸国をはじめ、世界中がその力に脅威を感じている現実を、われわれ日本人は認識しなければならない。(訳者後記より)日米貿易不均衡がもたらした危険な歪みと反日感情。驚くべきアメリカ人の本音を知る、全日本人必読の書、ついに文庫化!
本『ヘーゲル左派論叢』全4巻は、ヘーゲル左派の重要文献でありながら未邦訳の文典を編訳し、研究者の共同利用に供しようと図るものである。本巻に輯められたのはマルクス・エンゲルス・ヘスの共著『ドイツ・イデオロギー』の直接的な前梯をもなすヘーゲル左派内部論争の主要文典4篇の全訳である。
ヘーゲル論の新しい試み。現代実践哲学復権の旗手、マンフレート・リーデルが、近代の啓蒙と科学の第1段階におけるヘーゲル哲学前史、及び弁証法的哲学を「概念の骨折り」と断罪する、あの「第2の啓蒙」の段階におけるヘーゲル哲学後史を描く。
この村研年報22号は1985年の第33回村落社会研究会大会において発表された成果を中心に編集されている。この大会において共通課題は、従来の「農政と村落」という課題をうけて、新しく「土地と村落」というテーマが設定された。サブテーマを「土地利用秩序と村落の土地管理機能」として問題への導入をはかるため、戦前の地主制から戦後農地改革による自作農主義への転換さらに高度経済成長期を経て土地利用秩序が変化するにつれて、村落の土地管理機能の変化を考えるという総論的な解明が展望された。
〈近代〉の呪縛への凝視!近代をその最高の鞍部において問い返したウェーバーの可能性を、宗教社会学・合理化論を軸に探る。
本書は1890(明治23)年ごろから1910(明治43)年ごろまでの足尾鉱毒問題にかんするジャーナリズムの記事、論説と足尾鉱毒問題にかんする世論の動向を分析することを目的としている。被害民、田中正造、ジャーナリズム、鉱山、政府、各政党など鉱毒世論形成主体相互のダイナミックスを把握し、そこにおける鉱毒報道の役割を位置づけてみたい。
ふだんなにげなく飲んでいるお茶も、飲み方ひとつで、こんなにも味わいが変わる!茶葉の選び方から効能まで、お茶好き名医がわかりやすく綴る〈お茶学〉蘊蓄集!
戦後世界経済は、史上希有の安定成長を長期にわたって続けたが、1970年代初頭のいくつかの衝撃的事件ののち混沌状態に陥った。スタグフレーションのような奇怪な事態が居坐り、現実世界は深刻な困難に遭遇した。経済分析の側も困惑し、経済理論さえ混乱した。だが、時が経つにつれて混沌期内部での歴史的比較が可能になり、理論構成しだいで状況をかなり的確にとらえ得る機が近づいたように見える。このシリーズは、この機を逸すまいとするものであるり、第一次石油ショック以降可能な限り現在に至る近時を共通の分析課題としている。
日本緑茶の80%は煎茶栽培が行なわれているので、まず、それについての収量や品質の決まり方や、診断の方法などを述べたのちに、おおい下茶栽培について述べるようにした。さらに、茶栽培で特に問題になっている点について、技術上の問題点として最後にまとめて解説した。なお、茶は摘まれたときから刻々と生化学的変化を始めて、それが品質に著しい影響を与える作物である。そのため、今日においても生産農家が荒茶までは加工工場をもって加工を行なっているのが現状である。したがって、生葉の工場への搬入から、工場においての生葉の格付け、保管方法、製茶機械の標準使用法などの概略を述べて、参考に供することにした。
貿易摩擦・自由化の全構造を浮彫りにし、日本農業の内と外と今後の針路を総力編集。