本書は、日中両国の学校教育においてジェンダーに由来する不平等や差別が生じた社会的背景や、それを反映する法制度を法学的および教育学的見地から批判的に分析し、これからの時代にふさわしい男女の関係のあり方を模索した。ジェンダーと法という比較的新しい学術分野において、日中両国の学校教育におけるジェンダー問題を究明した先行業績は少ない。その意味で本書は、当該分野に新たな光を当て、最新の理論と情報を提供することによって、日中両国における両性平等教育、ひいては両性平等社会の実現に資する有意義な研究であるといえよう。
国民国家建設のなかで展開される「良妻賢母」論と女子教育論。また既存の性規範に抗う「新女性」の出現。日本・韓国・中国・台湾・「満洲国」におけるジェンダー秩序の形成過程を実証的に検討する。
女と男の分断を超え新しいパラダイムの構築へ。不安定就労の増大、所得格差の拡大、福祉の削減…。90年代アメリカで展開された議論が、日本の課題をあぶり出す。
平等のために必要な教育とは?形式的な男女共学の反省に立ち、教育におけるジェンダーの意味、ドイツにおけるその展開と課題を概説する。
調べたいテーマについての統計図表が、どの資料の、どこに、どんなタイトルで掲載されているかをキーワードから調べられる索引。2014〜2025年に国内で刊行された白書・年鑑・統計集448種から、女性・ジェンダー問題に関する表やグラフなどの形式の統計図表9,509点を収録。
教育現場における「ジェンダー」と「言葉」の教育について、大きく「教師力」「国語力」「国語教材」の視点から考察する。これまでの国語教科書の歴史的背景、近年の全国語教科書とジェンダーをまとめた一覧表・資料つき。
家父長制度を当たり前として育ってきた団塊の世代の著者は、日本共産党での活動の中で出会った「ジェンダー問題」について、仲間とともに学ぶ機会を得た。
Fエンゲルスの著作『家族・私有財産・国家の起原』を軸に様々な文献にあたりながら、あらゆる角度からジェンダー平等について考える。
また第2章では最愛の亡き妻との想い出や、自身の生い立ちを通してジェンダー問題を論じている。
はじめに
「野川ありきさんを偲んで」
第1章 ジェンダー論
「起源」を導きの糸として
「起源」を導きにして(日本)
家父長制度について
教育におけるジェンダー問題
身体の歴史性社会主義革命との関連
ジェンダー平等の闘い
ジェンダー平等をめぐる闘い
アメリカフェミニズム
河野談話について
令和の米騒動
戦争は女の顔をしていない
第2章 私記
女の一生ー美津子の場合
美津子の学生時代
私の幼少期
愛染明王
『五番町夕霧楼』を読んで
「起源」の研究と妻との別れ
第3章 詩
おわりに
ジェンダーに関連する書籍を体系的に収録したレファレンスツール。セクシュアリティやフェミニズム、社会制度や運動の歴史、労働・教育・文化など、多様な分野を横断。研究・教育の現場で、多角的にジェンダーを理解するための一冊。
ジェンダー・バイアスに基づく差別や法制度への影響を明らかにし、社会の常識を問い直す。アンコンシャス・バイアスなどの項目を追加し、第3版刊行(2019年)以降の法や判例、社会変化を反映して改訂。
ロングセラー!〈男装の少女〉を切り口にした卓抜な現代少女マンガ論の新増補版!-〈第3回女性史学賞受賞作品〉(旧版は彩流社から刊行)手塚治虫の『リボンの騎士』から池田理代子の『ベルサイユのばら』…オスカル以降の〈男装の少女〉『少女革命ウテナ』…、ゼロ年代の〈男装の少女〉『桜蘭高校ホスト部』…。
誰が語り、誰が支え、誰が沈黙させられているのか
NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』を題材に、軍人の秋山真之・好古兄弟、彼らの幼馴染で俳人の正岡子規、その妹・律や、日清・日露戦争で亡くなった兵士たち等にも焦点を当て、階級、出自、教育、職業、地域といった諸条件を踏まえながら、「男/女」の二項対立を超えた先の現代のジェンダー観を捉え直す刺激的論考!
[序章]より
優れた軍略家でありながら倫理的葛藤を抱える秋山真之、沈黙のうちに責任を引き受ける秋山好古、病と闘う正岡子規、そして戦場で死にゆく名もなき兵士たちーーそこには、「男らしさ」の名のもとに要請される役割と、押し殺される感情が複雑に共存している。その一方で、本作は女性の物語を前面には語らない。だが、それは女性たちが物語の周縁に押しやられていることを意味しない。むしろ彼女たちは、感情を媒介し、制度を映し出す存在として物語に深く組み込まれている。
序 章 なぜ今、『坂の上の雲』なのか?--近代国家の叙事詩をジェンダーから読み直す
第1章 秋山真之はなぜ英雄になったのか?--多層化するマスキュリニティのゆらぎ
〈コラムエッセイ〉
明治のアイドルはいかにして現代のアイドルになるのか?--広瀬武夫と時代が求める英雄
第2章 古武士的美学は現代的男性性といかに響き合うのか?--秋山好古の責任・判断・越境におけるマスキュリニティ
第3章 秋山兄弟はなぜかっこよく見えるのか?--不可視性から再構成される英雄像
〈コラムエッセイ〉
明治の英雄はなぜ髭を生やしたのか?--髭という身体装飾
第4章 なぜ「正岡子規」か?--戦わない男の闘うマスキュリニティ
第5章 英雄の戦略はどの身体のうえに成立したのか?--戦争を成立させるマスキュリニティの分業
〈コラムエッセイ〉
明治の英雄はなぜ地方の声で語るのか?--方言がつくる男性性の形
第6章 「後方」の女性はいかにして特権的主体へと反転するのか?--ジェンダー秩序を貫通する階級の論理
第7章 正岡律は「一身独立」をもって何を撹乱したのか?--「温存」という聖域に生じた逆説
〈コラムエッセイ〉
なぜ神は「父」でなければならないのか?--検証されない男性的権威の聖域
終 章 「坂の上」の「雲」とは何だったのか?--戦勝の空洞化と単一化されたジェンダーの歴史的帰結
なぜ歴史学にジェンダーの視点が必要なのか?
家族 資本主義 労働 帝国 戦争 クィア インターセクショナリティ……
15の重要テーマにジェンダーの視点から迫るオムニバス講義を通して、これからの歴史理解に欠かせない「ジェンダー史」の思考法を体得する。歴史を学ぶ人もジェンダーを歴史的に理解したい人も必読の入門書。
【「序」より抜粋】
身体的差異それ自体も歴史的なものである以上、性差のあらゆる次元は歴史的に構築されたものとして分析することが可能になりますし、また必要になります。いつ、どのような状況で、いかなる人びと・勢力・制度によって、どの次元にどのような性差が作り上げられ、その結果何が起こったのか──それを問うための視点を、ジェンダー概念はもたらしてくれます。
このようなジェンダー理解は、歴史学の対象となるあらゆる領域をジェンダーによって分析することを可能にします。そして、ジェンダーが(唯一あるいは最も重要とは限らなくとも)歴史を説明するために不可欠な構成要素であることも明白になります。女性史はジェンダー史によって不要とはならず、むしろジェンダー史と女性史の協働が重要になります。こうして、ジェンダー史は歴史学の一特殊分野であることを超えて、歴史学そのものを書き換えていくのです。
序(弓削尚子・兼子 歩)
第1講 歴史学(弓削尚子)
第2講 フェミニズム思想(梅垣千尋)
第3講 家 族(山口みどり)
第4講 男らしさ(兼子 歩)
第5講 資本主義(小田原 琳)
第6講 労 働(石井香江)
第7講 帝 国(並河葉子)
第8講 植民地主義(水谷 智)
第9講 外 交(兼子 歩)
第10講 戦 争(中村江里)
第11講 ファシズム(小野寺拓也)
第12講 政 治(水戸部由枝)
第13講 優生学・優生思想(貴堂嘉之)
第14講 クィア(前川直哉)
第15講 インターセクショナリティ(土屋和代)
図版出典一覧
索引
執筆者紹介
従来,その労働実態がほとんど注目されず,家事労働と農作業を担う「元気な母ちゃん」という肯定的イメージを付与されがちだった農村女性。しかし,そのイメージはジェンダーバイアスによって事実を隠蔽する負の機能をもつ。既存の認識に異を唱える渾身の意欲作。
第1章 「農村女性」に関する研究の動向
第2章 「配偶者問題」にみる農村へのマイナスイ・メージ
第3章 ジェンダー視点からの分析枠組み
第4章 農業労働における性別役割分業の生成パターン
第5章 家族農業経営における女性労働の問題構造
第6章 酪農の近代化と女性労働
第7章 販売労働とジェンダー
終 章
文化、経済、教育、宗教、言語、科学、健康、セクシュアリティ、メディアといった多様な視点からジェンダーの概念を読み解き、現在の社会の問題点を考え、意識と行動を変えていくことをめざす。東京大学の教養学部でおこなわれた分野横断的講義を書籍化。
目次
まえがきーー編者を代表して(伊藤たかね:東京大学副学長(ダイバーシティ教育、SOGI多様性)/東京大学多様性包摂共創センター長)
第1講 ジェンダーの基礎概念と日本における男女共同参画社会の課題(小川真理子:東京大学多様性包摂共創センター特任准教授/ジェンダー・エクイティ推進オフィス副オフィス長)
第2講 国際比較で見た日本のジェンダー(本田由紀:東京大学大学院教育学研究科教授)
第3講 労働市場のジェンダー・ギャップ(谷口智穂:東京大学大学院経済学研究科特任研究員、山口慎太郎:東京大学大学院経済学研究科教授)
第4講 言語とジェンダー(伊藤たかね)
第5講 学校教育におけるジェンダー(浅井幸子:東京大学大学院教育学研究科教授、日比健人:東京大学教育学部附属中等教育学校保健体育科教諭)
第6講 宗教とジェンダー(藤原聖子:東京大学大学院人文社会系研究科教授)
第7講 ジェンダーから見た不妊(小西祥子:東京大学大学院医学系研究科准教授)
第8講 スポーツとジェンダー(能瀬さやか:ハイパフォーマンススポーツセンター、国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部門産婦人科医)
第9講 誰もが暮らしやすい社会をつくるにはーーLGBTQ+に関する取り組みやムーブメントから学ぶ(松中 権:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表/東京大学総長室アドバイザー)
第10講 科学史とジェンダー(隠岐さや香:東京大学大学院教育学研究科教授)
第11講 ポピュラーカルチャーを通じてジェンダー観を変えられるか(板津木綿子:東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)
第12講 なぜ東大は男だらけなのか?(矢口祐人:東京大学大学院総合文化研究科教授/東京大学グローバル教育センター長)
第13講 ケアするのは誰か?--再生産費用の分配問題をめぐって(上野千鶴子:東京大学名誉教授/認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長)
あとがきーー未来のジェンダー平等社会をつくっていくみなさんへ(林 香里:東京大学理事・副学長(国際、ダイバーシティ&インクルージョン)/東京大学大学院情報学環教授)