キャバクラやアダルトビデオなど、夜に深く迷い込んで生きていた頃、闇に落ちきることなく、この世界に繋ぎ止めてくれたものがあったとしたらそれは、付箋を貼った本に刻まれた言葉だったー。母親が読んでくれた絵本の記憶から始まり、多感な中高生の頃に出会った本、大学生からオトナになる頃に手に取った本など、自らを形作った20冊について綴る読書エッセイ。
何かとネガティブな世相の昨今だが、実は日本は「隠れ幸福大国」なのだ!ただ、バラ色老後のために足りないのは「考え癖」と「行動癖」。この二つを身に付けるための最良テキストが、哲人ラッセルの『幸福論』である。同書を座右の書とする齋藤氏が、現代日本の文脈(対人関係、仕事、趣味、読書の効用、SNSやデジタル機器との付き合い方等々)にわかりやすく読み替えながら、定年後の不安感をポジティブ転換するコツを伝授する。
中国の台頭、アメリカの後退、そしてロシアの暴走。国際環境は厳しさを増し、日本が安全保障で果たすべき責任は重くなっている。しかし日本では憲法をはじめ、一度でき上がった独特な仕組みをなかなか変えられない。危機の時代にふさわしい防衛の姿とは。日米安保条約、憲法第9条、防衛大綱、ガイドライン、NSC(国家安全保障会議)という重要トピックの知られざる歴史をたどり、日本の安全保障の「常識」を問い直す。
戦前から高度成長期にかけて多くの若者や知識人を惹きつけ、巨大な政治的磁場を作った日本共産党。東欧革命・ソ連崩壊などで深刻な打撃を受けたが、しぶとく生き残り、近年、野党共闘による政権交代を目標に据える。政権を担える事実上の社会民主主義政党になったのか、今なお暴力革命を狙っているのか。本書は、一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した百年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く。
皇極四年(六四五)、中大兄皇子と中臣鎌足は蘇我蝦夷・入鹿父子を武力で排除した。この乙巳の変が国政改革「大化改新」の序幕だったという筋書きはあまりにも有名である。だが、これに関して残された史料は中大兄・鎌足中心に事件を描く極めて偏ったものだった。クーデターの真の目的は何か。その首謀者は誰だったのか。本書は、王位継承をめぐる路線対立に着目して旧版を大幅改稿し、熾烈な権力闘争の内実に迫るものである。
イングランド、ウェールズ、北アイルランドとともに「イギリス」を構成するスコットランド。一七〇七年の合同法でイングランドと統合しグレートブリテン王国となったが、近年は独立を模索するなど、独自の歴史とナショナル・アイデンティティをもつ。ケルト文化、デイヴィッド・ヒュームやアダム・スミスに代表される啓蒙思想、「地酒」ウイスキー、ゴルフ、伝統衣装タータン・キルトなど多様なスコットランドを活写する。
人生の「仕上げの始まり」をむかえたあなたへ。ここから先は、身軽に行こう!持ち物、家族、友人、生き方、お金。身辺整理の秘訣。
苦しみの最中にある読者のためにー孤独感や孤立とどう向き合うべきか?どうすればそれらを克服できるのか?老いや死への恐れ、コロナ禍やSNSの誹謗中傷など、ますます生きづらい社会に「救い」はあるのか?著者はアドラー心理学を読み解く第一人者だが、NHKの「100分de名著」で三木清の『人生論ノート』やマルクス・アウレリウスの『自省録』を取り上げるなど、古今東西の哲学にも詳しい。哲人たちの思索の上に、自らの育児、介護、教職経験を重ねて綴る人生論。
皆さんは部活でどんな練習をしていますか?もしくは子どもの頃、どんな練習をしていましたか?水分補給禁止やウサギ跳びなど、今では考えられないことをしてきた人もいるでしょう。本書では、世界中のアスリートをサポートし、青学駅伝チームの優勝にも貢献した著者が、本当に効果的なトレーニングやケアの仕方を教えます。今、部活動にいそしむ若者をはじめ、家族・コーチ・教育関係者など、成長をサポートする人にも必読の1冊。
超常現象研究家・斎藤守弘が晩年に取り組んだ古代史研究の集大成!日本や世界の遺跡や土偶に残る「縄文三大至高神」「縄文記号」「縄文神聖数」の痕跡から、記紀や古代文明の謎を読み解く。
高い得点をとるには「手がかり再生」への対策が決め手。絵を簡単に覚える方法。全国共通保存版。
裁判官が裁判実務を幅広く、奥深く、体系立てて分類・整理!裁判実務における「取締役の責任」の判断基準を理解し、的確に取締役の責任追及・防御を行うための必携書!
日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。
物語、台詞、歌で構成される舞台、ミュージカル。ヨーロッパの歌劇と大衆的な娯楽ショーをルーツに、一九世紀アメリカで誕生した。本書はその本質を音楽に注目して探る。ティン・パン・アレーのブロードウェイへの音楽供給から、一九二〇年代のラジオの流行、統合ミュージカルの成立、六〇年代のロックの影響、八〇年代に隆盛するメガ・ミュージカル、そして2.5次元へ。歴史を辿りつつ「なぜ突然歌いだすのか」という最大の謎に迫る。
中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。中国全体の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし習近平政権のもと、ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は、多くの人々を「教育施設」へ収容するといった過酷な統治姿勢に転じたのか。新疆地域の歴史を丁寧にたどり、その現在と未来を考える。
『戦艦武蔵』『破獄』などの作品で知られる作家・吉村昭(1927〜2006)は、公私ともに独自のスタイルを貫いた。「一流料亭より縄のれんの小料理屋を好む」が、「取材のためのタクシー代には糸目をつけない」。「執筆以外の雑事は避けたい」一方、「世話になった遠方の床屋に半日かけて通う」。合理的だが人情に厚く、最期の時まで自らの決断にこだわった人生哲学を、吉村自身の言葉によって浮き彫りにする。
稲作伝来以来、日本人はコメ不足に悩まされてきた。1967年、ついに自給自足を達成する。だが、そこに喜びはなかった。直ちに到来したコメ余り時代と減反の開始、ヤミ米の拡大と食管制度の崩壊、ウルグアイ・ラウンドで生まれた国際秩序への対応、水田フル活用政策の誕生と混乱…。本書は半世紀で大変貌を遂げた日本人とコメの関係を、転換点ごとに整理。そして、残された未解決問題がもたらす最大の危機に警鐘を鳴らす。
イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを放つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。
鎌倉・江の島、伊香保・水上・草津温泉、昇仙狭・善光寺・戸隠、新潟・佐渡島…。旅行後には捨てられていく運命にあった観光案内を、地域ごとに分類して多数収載。「大正の広重」吉田初三郎ら名人の手になる見事な鳥瞰図をカラーで紹介。名所旧跡を訪ねるもよし、幻の路線・今はなき廃線や観光地を探るもよし、時空を超えた旅を愉しむ一冊。