日本の26倍の大地に総延長5万5千キロにおよぶ鉄路が延びる中国。その中国をこよなく愛する著者が行く先々で繰り広げる人と自然との出逢いをカメラと文で綴るフォトエッセイ。
一流の画家でおくる、子どもたちのための、楽しい詩のシリーズ!どうぶつのテーマで集めた10編の楽しい詩と、みじかいおはなし。幼児から小学校1・2年生に向けておくる詩の絵本。
上海の学者によって選ばれた単語と発音指導。品詞別分類だからひきやすい、覚えやすい。辞典としてもフルに使えるよう索引を完備。やさしくていねいな発音・文法解説つき。
母と私がはじめて会ったのは、高校卒業の直前だった。新聞の上海特派員だった父は、私の誕生以前に腸チフスで死に、母は祖父・村松梢風の意志で、祖父の籍に入れられた私を残して他家へ嫁いだのだ…。不安定な思いを胸に抱きながら母とともに、幼児期を過ごした千駄ヶ谷の家を探し、上海を訪ねる自伝的長篇。
満州事変後の排日抗日の風潮の中、聯合通信上海支局長として中国へ赴いた著者は、日中戦争勃発をはさむ6年間、上海を舞台に取材、報道にあたった。その間、中国を始め、内外の政治家・外交官・財界人・ジャーナリスト等との多彩な交友を通して、日中正常化・和平への実現に尽力した。日中外交折衝の渦中にあった著者が、40年来の情熱をこめて綴った歴史の現場からの証言。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。全3巻。
日本で二・二六事件が起り、中国では抗日テロが頻発する昭和10〜11年。広田外相・有吉大使が進める対中親善外交の一方で、現地陸軍が推進する「華北自治工作」-日本の対中外交は二元化する。その間、汪兆銘が狙撃され、蒋・汪合作政権の対日親善外交は破局への道を歩み始める。更に知日派要人・抗日のテロが相次ぐ中、日中関係はとみに険悪化してゆく。日中戦争前夜の緊迫する外交折衝を、渦中にあった著者がつぶさに回想する。
港区南青山に住む堤聖一(29歳・独身)は、アイドル歌手の間で超売れっ子の作・編曲家。彼のライフスタイルの基本は、軽井沢、彼女、シャンパン、この3点セット。つまり、軽井沢の別荘で彼女と息抜きをするために、せっせと仕事をしているようなもの。彼は自他共に認める“軽井沢病”なのである。音楽業界人には珍しいくらいロマンチストの彼の前に、風のように訪れたつかのまの恋…。音楽業界純愛コメディー。
本書は、神経生理学の最新の成果の上に立って、「脳と心の生物学」の歴史と現状、未来への展望を提示した画期的な総説であり、脳の神経への最良の道案内である。人間の中に存在するものは「精神」ではなく、「ニューロン」(神経細胞)と「シナプス」(神経細胞の連結)であるという大胆な理論を展開した。
バラライカと盲人用タイプライターを背負って、盲目の青年詩人がはるかモスクワより単身日本にやってきた。ワシーリィ・エロシェンコ、童話作家・エスペランチストでもある彼は、日本語により童話を口述創作し、ギターとバラライカの演奏で、ロシア民謡を歌いながら、各地のエスペラント会で講演した。しかし、詩人の人々を魅了するこうした行為の危険性を見て取った内務省当局は、彼を〈帝国ノ安寧秩序ヲ害スル〉ものとみなし、日本から追放する。本書は、外務省の秘密報告書、三都で刊行された大量の新聞・雑誌、〓周作人日記〓など文革後公開された新資料を用いて、その跡を追う。そして、そこにエロシェンコに熱い共感を寄せつつも冷静にみつめる1人の中国知識人、魯迅の視座をも加えて、1920年代における文学と社会とのかかわりを鮮やかに浮き彫りにする。
世界的スクープとなった、所謂、西安事件、張学良による蒋介石の監禁は、結局、中国の一致抗日をもたらし、蘆溝橋事件の突発から、ついに日中全面戦争へ突入する。だが、失敗に帰しはしたものの、そこには歴史に記録されるべき、心ある人々の平和のための闘いがあった。回想録の白眉、西安事件を始め、自らも関与した汪兆銘の和平運動等を中心に描く。国際ジャーナリストとしての声価を高めた、著者の代表作。
昭和20年終戦前夜、日本軍占領下の上海・蘇州を中心とする華中戦線。江南の地に迫る中国紅軍の前衛、米軍上陸作戦の情報におののく在上海第十X軍司令部、そして見習士官・伊勢が護衛を命ぜられた謎の女!108号とは?…
本書は、ドイツ・ラインガウ地方のブドウ地方のブドウ商人の家に生れ、後にロンドンでブドウ酒関係専門の一流弁護士となった著者が、ドイツ・オーストリア・フランス・イタリアなどワイン産地の本場で行われてきた不正行為を暴露したものである。
「枯葉」が「愛の讃歌」が「詩人の魂」が聞こえてくる。ただひたむきに歌を求め、自由を求め、愛を求めてきた日本のシャンソン歌手・詩人・作曲家たちの鮮烈な生の軌跡。