人権思想の成立を近代ヨーロッパに求め、アジアでの展開など、「生きる権利」を世界史の中に探る。植民地・女性問題などで、絶えず人権がふみにじられてきたことを通し、人権は「終わりなき旅」であることを宣言する。
さまざまなタイプの作品が陸続と出現し、昔の単純なジャンル区分では捌ききれなくなってきた海外ミステリ。“パラダイムの転換”は、推理小説の世界でも着実に進行しつつあるのだ。こういう混沌とした状況のなかで、本当に面白い作品を、独特の語り口で紹介しようと試みた俊英・瀬戸川猛資の代表的著作が、装いも新たに甦る。
本書は,主として工学の諸分野で必要とされる情報数学を、高等学校の低学年の数学に直結して講じています。そのために理論の基礎づけの部分には厳密な数学的な扱いをする反面、図による解説を多用して、直観的な理解と使い馴れに重点を置きました。そのような教科書が必要とされる時代であります。先生方が予定された時間にあわせて講義できるように工夫しました。とくに短時間で一通りの学習をさせたいときのために、先生方の講義内容は左側の頁を中心とし、右側の頁の“より理解を深めるために”以下の部分は、学生の復習に任せてもよいようにしました。
標準テンプレートライブラリ(Standard Template Library:STL)により、プログラムの記述方法が変わろうとしています。この画期的なコンテナ技術を使用すると、かつては200〜300行のコードが必要であった処理を2〜3行で書けるようになります。これは誇張ではなく、事実です。STLを使用すれば、データの格納、読み込み、操作などを、標準化された効率のよい組み込みオブジェクトやアルゴリズムを使って行うことができます。たとえば、データをリストに格納する場合はlistクラスを使用でき、プログラマ自身がリンクリストのコードを記述する必要はありません。最大の利点は、データを統一的に処理できることです。多くのプログラムでは、データの操作が重要な部分を成しています。STLを使用すると、より簡単で正確なプログラミング可能になります。本書では、STLを使いこなし、各自のプログラムに役立てる方法について説明します。
1930年代の思想はファシズム、ナチズム一色であったのか。第一次世界大戦によって生鋭化した近代ヨーロッパ文明への危機意識は、社会と文化、そして「知」そのものへの問いへと向かった。ヨーロッパの危機と再生を、20世紀を代表する三人の哲学者が提起する。
近代の思想史的系譜を探る。幕末から明治期の百姓一揆や新興宗教の史料を博捜し、日本の近代化を追究した画期的労作。
西洋語では、「危機」という言葉と「批評」という言葉は語源を同じくする。その意味で、今、「批評」が求められている。コンピューターの2000年問題が騒がれているが、2000年を間近に控えて、政治の分野で、経済の分野で、教育の分野で…あらゆる分野で時代は混迷の様相を呈している。多様な価値観が併存するこの現代という時代にあって、文化・文明の批評には、何が求められているのか、どのような可能性を持っているのか、どのようなことが問われねばならないのか。気鋭の論者が語る批評論の展開を通じて、現代における批評の役割を検証する。平成五年度の懐徳堂記念会春季公開講座「文化と批評-その現代的意義-」の講演をもとにした論集。
近代英米文学の巨匠たちの“ゲイ小説”を集約。新たな視点による大作家の読み直しとしても、英米文学の「古典」としても、読み応えある作品集。これぞゲイ・キャノン。
仏教に関する不思議な話。善い報い、悪い報いを受けた話…。人間の欲を描いて、善行を勧め、極楽往生を目的にまとめられた奈良時代の説話集大成。
『書経』は歴史を、『易経』は予言の論理を、『礼記』は君臣・親子・男女のあり方を、『詩経』は文の風雅を、『論語』は人の上に立つ者の生き方を、教える。中国ばかりでなく、日本人の心にも浸透し、長く倫理の規範であった四書五経、入門。