ラスティ-さび色という愛称のとおり美しい赤毛のレベッカ。モデルとして今までそれほど目立たなかった彼女が一流のファッション雑誌『エラン』のモデルに抜擢された。撮影のためエジプトへ行くことになったラスティに同行するのはやり手とはいえ、ひと癖ありそうな編集者ダイアナ・バリー、ダイアナが連れてきたもう1人のモデルのルイーズ、そしてカメラマンは有名なジャン・リュック・スジュルネだ。ルイーズは彼に夢中でダイアナは彼とラスティを近づけまいとする。確かに彼はすてきだけれど私は恋ではなく仕事をしに来たのに。だがジャン・リュックのまなざしになぜかラスティの心は乱れた。
ヒラリーは舞踏会へ出かける支度を終え、鏡に映る姿をじっと見た。わたしも引っこみ思案な18歳のころとはだいぶ変わった。7年前の当時、ヒラリーはホテルに勤めていたが、そこで名バイオリニスト、クライブと知り合って恋に落ち、結婚した。だが、その結婚生活も1年とたたないうちに破局を迎えた。なぜなら母が…。いや、母ばかりを責めるのはよそう。今ではヒラリーはアンティークの店を経営し、インテリア・デザイナーとしても引っぱりだこだ。婚約者もいる。舞踏会で婚約が発表されたあと、ヒラリーはふと辺りを見回した。まさか!長身の男が近づいてくる。前夫のクライブだった。
ルーシーはある雪の日、息子を寄宿学校に送っての帰り道、運転を誤って車ごと溝に突っこんでしまった。なんとか車から抜け出し、歩いてやっと我が家にたどり着くと、電気はつかず、ホールは水浸しだ。雪で水道管が破裂したらしい。そんな窮地を救ってくれたのは、ジョナス・ウッドブリッジだった。彼にだけは助けてもらいたくなかったのに。あれは11年前…ジョナスの弟サイモンの突然の死後、サイモンとつき合っていた私が妊娠していると知った時の彼の態度。あの冷たい態度は忘れられない。その時以来ルーシーは、ウッドブリッジ家には頼らず独りで子供を産み育ててきたのだ。
政治家との結婚に夢破れたフォト・ジャーナリストのリンダは、思いがけずジャッドと再会する。ジャッドは、7年前の恋人で、テキサスの牧場主、そして、一度は結婚しようと夢見た相手だった。リンダは胸をときめかせ、ジャッドと会うが…。
悪女役をやらせたら右に出る者のない女優ケリー・ウェスト。彼女はスターの座を捨てて、今テキサスに帰ってきた。カリフォルニアから4日間もかかる車の旅で、故郷の町にたどり着いたとき、ケリーは疲れきっていた。1杯のコーヒーを求めて懐かしいデイリー・バーに立ち寄ると、そこで幼なじみのマットに出会った。今や、彼は町中の敬愛を一身に集める医者になっている。2人は昔と変わらぬ親しげな言葉を交わす。ところが疲労の極に達していたケリーは、その場で気を失い、マットの腕の中に倒れ込んでしまう…。
ダイナの恩人である、ソーシャルワーカーのレオのもとに、彼が面倒を見ていた女の子の一人から、救いを求める手紙が届いた。南米で、身重の体を抱えて困っているらしい。だが、レオは二ヵ月前に亡くなっていた。死の床にある彼から女の子たちのことを頼まれたダイナは、さっそく車で南米へ向かった。ところが、目的地も間近の山道で、車が動かなくなってしまった。そんな彼女を、ヒッチハイク中のジョーという男が助けてくれる。ジョーにはどこか人を寄せつけないところがあるが、仕事を持たずに放浪していると話す彼にダイナは心を惹かれた。
ビクトリア・レッサーは若い男女の仲を取り持つのが趣味で、今夜も自分が紹介して結婚した2組のカップルとディナーのテーブルを囲んでいた。その席で、2組のカップルは、お礼の意味をこめてビクトリアをカリブ海への宝さがしツアーに招待する話をまとめた。喜んで招待を受けたビクトリアは、姪のシェイを連れて港へ行くが、彼女たちを待ち受けていたのは、大学でラテン語を講じる教授と、彼の甥、ノアだけだった。こうして、2組のカップルが乗り合わせた古めかしい帆船は、コスタリカに向けてカリブの海へと帆をあげた。
ヴァレリーは胸の動悸をきっぱりと無視するとペンを取った。この面接だって、ほかの面接と変わらないはず。たとえ机の向こうに初恋の人ジェイが座っていたとしても。彼の履歴書は文句なく立派なものだった。でも、どうしてシカゴの大手法律事務所をやめて、故郷アムズデンの郡検事補という下級職に応募したのか。ヴァレリーは尋ねなければならなかった。大手ではなかなか法廷に出られない、と嘆いてから、ジェイはまっすぐヴァレリーを見つめた。「もちろん、個人的な理由もあります」ヴァレリーは、赤くなってはだめよと自分に言い聞かせた。それがわたしと関係あるはずないじゃないの。あれからもう何年もたつのだから。
探偵志願のチャーリーは、早く実務に取りかかりたいのに、ボスが言いつけるのは雑用ばかりで、手持ちぶさた。そこへ大学教授のデービッドから、失踪した母親捜しの依頼の電話が…。チャーリーは二つ返事で引き受けると、ボスに内緒でベテラン探偵になりすまし、二人で母親の追跡旅行に…。活発で機敏なチャーリーと、学問以外はからきし不器用な、どじのデービッドが、熱い思いを交わすのに、1週間とかからなかった。だが、旅の途中でチャーリーの嘘がばれ、怒ったデービッドは彼女を首にしてしまう。諦めきれないチャーリーは、密かにある場所を突き止め、独力で捜し出してみようと、目的地へ向かった。
都会の雑踏に紛れて、忘れかけていたものを探しにでかけた南の島。抜けるような蒼い海と澄んだ空。さわやかな風に吹かれて髪をなびかせ、暖かい光に抱まれていると、本当の自分がみえてきます。夢のような毎日が続き、白い肌が太陽と同じ色に変わった時、私はおとなの“女”になっていくのです。そしてもう一度、都会が待っているあなたのもとへ帰ってきます。ピュアーな気持ちと一緒に…。もし街の片隅で偶然にでも出逢えたら、手を広げて迎えて下さい。優しく抱きしめて下さい。’90クラリオンガール、かとうれいこの新たな旅立ち。
新らたなる生き方を求め、狭い日本を飛び出し、さすらいの狙撃手「虎」と呼ばれ恐れられるまでに成長した、神出鬼没の弾丸無宿…。その実像は誰も掴みきれないが、ブロンド美女の誘惑に乗り欲望を満たしながら、国際詐欺団の陰謀を追う強靱な男の決死の活躍は。