第一次大戦後の「新世界秩序」の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を図り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げた。しかし各国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小が重なり挫折、中国・アジアに経済発展の活路を求める。だが、それは広域経済圏という名のブロック経済構想となり、満州事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。本書では、幣原喜重郎、松岡洋右、有田八郎らがなぜ「経済外交」の限界を読み切れず、大東亜戦争に至ったか、その外交戦略の失敗を検証する。
ナチス政権前夜の伯林と、戦中戦後の聖林で活躍したドイツ系映画監督の巨匠フリッツ・ラング。その全作品を独特の視点、独特の文体で解析する本格的ラング映画論。
ついに“黄昏の時”がやってきた…!ニル・ライアーが不審な自殺を遂げる中、地上では北欧神話になぞらえG・Oたちの『ラグナロク』がはじまっていた。一方、人類の切り札であるヴァルキュリアたちと竜一郎の溝は深まるばかり。世界は、着実に破滅へと向かっていく…。そんな時、ついに真珠は決心する。竜一郎のために、みんなのために、世界を救う、と。そして真珠は心を込めてパウンドケーキを焼きはじめるのだった。激動の第3巻。
没にされた幻のプロローグ。独眼竜政宗にはだかる壁、若き幸村の悩み…。シリーズでは決して語られなかった五つのエピソード。
ヨーロッパ随一の美貌を謳われ、世の讃美を一身に集めたエリザベト。しかし、妹の焼死、幼なじみのバイエルン王ルートヴィヒの狂死、マイヤーリンクでの息子の情死、そして自らも凶刃にー時代に先んじた自意識を持ち、宮廷生活を厭う皇妃に悲劇はふりかかる。
「人が殺された。あなたのせいよ」別れた妻からの突然の電話。放送作家の岩城浩平は姿を消した元妻を探すが、何者かに襲われ、持っていた原稿を奪われた。残酷で淫らなビデオに映された「生け贄のイブ」、都市伝説の少女が、岩城を危険な迷宮へ引きずりこむ。愛と官能が渦巻く長編サスペンス・ハードボイルド。
「アンクル船長」、船キチ歴55年の集大成。船、港、そしてお酒が織りなす良平ワールドをこの1冊に凝縮。油彩、水彩、切り絵など50数点を一挙掲載。
『椿姫』を生んだイタリアの大オペラ作曲家ヴェルディは、自分の個人的生活をほとんど語らなかった。ワーグナーと同年に生まれ、厳しくて頑固一徹。その劇的生涯を、しだいに円熟していく作品群とともに追う。