変貌する地域社会における新たな家族と「家」文化の現在。
仏教はもともと性差別が根強いといわれる。しかし、人間としての目覚めを説いた釈尊の教えは、性差別を肯定しているのだろうか。また日本仏教の祖師たちは、どう説いたのか。女性仏教者の視点から性差別の現状を見つめ、仏教の再生へ向けてそのあり方を論じる。
神々の手によって毎年、性転換が行なわれるトバー入江。人々は20歳で『最終性選択』を行なうまでに、どちらの性を選ぶか決めるのだ。今年、少年フリンは選択を前に悩んでいた。男か、女か?そして『最終性選択』前夜、彼の前に現われた謎の他所者は、男でも女でもない『中性』だった!入江には騒動が巻き起こり、フリンは彼の運命を大きく変える冒険に乗りだすことになる。俊英のユニークな発想が冴えわたる傑作SF。
年に一度の『最終性選択』前夜、入江に現われた『中性』は、昔この地を追放された人物だった。この帰還が入江にひきおこした動揺は、ついに殺人へと発展する。他所者とともに犯人の調査を進めるうち、フリンは自らの信念を揺るがすような問いに直面することになる。神々とはいったい何者なのか?答を求めて『最終性選択』の神殿にむかった彼を待ちうけていたのはあまりにも衝撃的な事件だった…謎と波瀾の冒険SF。
現代人の心を侵すコミュニケーション不信/渇望症の原因を、自我の深部に存在するジェンダーに求め、ハーバーマスとフェミニズムを融合させることでその枠組みを根底から解体しようと試みる。隣人を理解するための実践的社会理論。
はじめに
プロローグ
第1章 現代システム社会のコミュニケーション
1 コミュニケーションと近代社会
2 コミュニケーションの社会構築力
3 コミュニケーションと欲望
第2章 ジェンダー・フリーのポリティクス
1 ジェンダーの周囲
2 ジェンダー・アイデンティティ
3 ジェンダー・フリーの公理
第3章 主体の発生論
1 フロイトの主体発生論
2 ウィニコットの「心理的実体としての母親──乳児」
3 ベンジャミンの「主体としての母親」
4 チョドローと「母親の欲望」
第4章 主体化の力学
1 主体化の力場
2 主体化の力場としてのコミュニケーション
3 近代のファルス
第5章 セクシュアリティの解放
1 解放の思想としての近代
2 セクシュアリティ解放のプロジェクト
3 フーコーの〈ビオ・ポリティック〉
4 ギデンズの〈ライフ・ポリティクス〉
5 「セクシュアリティ」を超えて
第6章 フェミニズムと女性解放
1 女性解放のプロジェクト
2 女性解放のパラダイム
3 女性解放のダイナミズム
4 新たなプロジェクトの創出に向けて
第7章 フェミニズムとポストモダニズム
1 ポストモダン・フェミニズムの近代批判
2 ポストモダン・フェミニズム論争
3 合理主義と相対主義
4 近代の内と外の狭間で
第8章 ポスト・ジェンダー社会のコミュニケーション
1 自由
2 相互理解
3 愛というコミュニケーション──愛の社会理論構築へ向けて
エピローグ
おわりに
参考文献
本書は、一般教育の講義「ジェンダー論」のテキストブックとして編集したものである。これまで編者らの大学で女性学を担当してもらった人を中心に、個別のテーマ・問題について、どんな議論が展開され、どんな論点が深められなければならないかを書いてもらった。さまざまなテーマを私たちの日常生活にそくしてできるだけ具体的に考えることができるように心がけた。
女はやさしく、男は強い。このような男女差に対する意識はなぜ生まれ、どのようにして人びとの心のなかに定着するのか。人はいったん思いこむと、それに従って人を観察したり、ふさわしいようにふるまったりする。その思いこみ-ステレオタイプをキーワードに、法や制度を整えても、なぜ伝統的な性別分業社会は、人びとの意識の上からなくならないのかを、社会心理学の立場からときあかす。
性同一性障害者の性転換手術やセクハラをはじめセクシュアリティに関するさまざまな事柄が、これからの社会問題としてさらに深く問い直されている。本書は、アンドロジニー概念およびその測定尺度BSRIの提唱者であり、ジェンダーの心理学的研究の指導的理論家である著者が、人間社会の過去そして将来におけるジェンダーのありようをジェンダー・フリー社会の構築をその基に据え考察する。人間の認知のあり方のなかに潜む問題性を、その機能である「生物学至上主義」「男性中心主義」「ジェンダー両極化」の3つの“レンズ”として指摘し、個人がいかにジェンダー化されていくのかについて“文化化されたレンズ”理論へと展開していくとともに、現実的・実践的な問題にも言及していく。全米出版社協会による1993年度心理学部門the Best New Bookの栄誉に輝く書の訳出。
本書の焦点は、セックスと政治経済の特定の関係、つまり、労働における性的分業である。それは社会の中で、性を基準としてどのように仕事が割り振られるかということである。性的分業は、単に仕事の区分だけではなく、男女に与えられる価値、地位、権力の差異でもある。それは経済的な分類であり、政治的な区分でもある。本書は、性的分業を社会生活の多様な局面や、都市や地方、家族や政府、資産取引、商業、テクノロジーというさまざまな形態において検討している。特に注意が向けられているのは、フィリピン女性の経験である。
本書は、編集方針を新たにした日本家族心理学会年報の第4冊目の特集号である。『ジェンダーの病ー気づかれぬ家族病理』として、総論2編に続いて5編のジェンダー事例の研究を掲載している。第二特集テーマ『心の危機ーライフサイクルにおける転換点』は本学会の1999年大会の主要なシンポジウムのテーマである。
生活経済論とは、経済学や家政学などを応用して、生活維持のための経済行為とそれを規定する法則を、わかるようにするための理論である。以前は家庭経済学ともよばれたこの分野に、本書では新たにジェンダーと持続可能性と生活福祉という三つの視点を取り込んだ。「今」の生活意識にマッチした、わかりやすいテキスト。
はじめに──生ー政治の方へ
1 理論的,マゾヒズム──生の内在性と装置をめぐる予備的考察──
2 性,生,公共性
第 1 章 個体化と錯 時──微生物のセックスから──
第 2 章 親密公共圏──あるいは,トラウマに基づく共同性──
3 基本文献案内
あとがき
本書では、家計研究の一つの転換点を1960年代後半以降から1970年代に見出し、これ以降において個々に指摘されてきた家計をめぐる現象を家計の内部関係という研究視点に集約して検討している。
21世紀-歴史像のパラダイム転換を迫る!ジェンダー、それは肉体的差異に意味を付与する知。
「女と男の関係」で結ぶ日本史と西洋史。
本書は、英国社会学会に所属する女性研究者たちの努力により、学会発表論文を収集したものである。
本書は、グローバリゼーション研究とジェンダー研究との接点にある問題領域を明らかにするものである。