骨折りや苦心が適度に分担され、同僚や家族に認められ、順当に報われること、そして労働の場と生活の糧が保障されること。人間が生きていくうえで欠くことのできないこれらの課題を、社会科学の観点から追究し、学問と暮らしが接する面を広げ、ジェンダー・バイアスのない新たな承認と包摂のあり方をめざす、経済学、社会政策、労働法学、社会学、政治学の試み。
二元的なジェンダー制度をもつ主流文化に対抗するクィア芸術家ボーンスタインの精神と肉体の履歴。
女性は古来、その身体性、また、身分や階層などに由来する多元的な差別の対象とされ、社会進出を阻まれてきた。歴史的に構築された強固な「壁」は、今日もなおあらゆる分野に屹立し、男女共同参画社会の形成を阻害している。その「壁」の本質を法学、政治学、経済学、社会学、行政学などの視点から検証し、「壁」を超えてジェンダー平等を実現するための課題と処方箋を示す。
私たちは「男は仕事,女は家庭」という意識にとらわれていないだろうか。ジェンダー格差を明らかにするとともに,少子高齢化の現在,企業,社会のとるべき施策を展望する。就職,結婚,子育て,キャリア形成など,働き方に悩む女子へのメッセージ。男子も必見。
第1章 男らしさ・女らしさ
第2章 教 育
第3章 就職とキャリア形成
第4章 結 婚
第5章 出産と子育て
第6章 性別分業
第7章 正規労働者と非正規労働者
第8章 日本的雇用制度と女性差別
第9章 日本が変わるために
拡張的変革を続けるジェンダー・スタディーズ!フェミニズムと女性学をふくむ多領域の学を、50のキーコンセプトで読み解く。
ジェンダー二元論の規範の中で、“女”や“男”の身体はどのように生き、抵抗してきただろうか。生物学的宿命論もバトラー流の幻想論も拒否して“女”の身体にこだわる。
産む/産まないを決める“エコノミー”とは何か?中・韓・日の調査によるジェンダー分析。新自由主義化する東アジアの経済とジェンダー意識の変化を実証経済学の視点から数量的に調査し、加速する少子化の新たなる背景を読み解く。
かっこよく見える事柄の裏を読んでみよう。ファッション、テレビドラマ、恋愛、結婚…この世は、ジェンダーという“お約束”で成り立っている。
現代社会で育まれた先鋭な視点を通して第二波フェミニズムの諸テーマを再検討し、フェミニズムの新たなステージを切り開く。現代の生・性・思想に貫通するカラクリを探き出す挑戦的16編。
小学校4〜5年生くらい(思春期)の子どもをもち、性教育についてどうしたらよいか悩んでいるママ・パパに向けて、「子どもの体の変化をポジティブにとらえる」、「自分の“ふつう”は本当にふつう?」、「子どもの性的関心にどう向き合うか」、「ジェンダーについて」など、「おうちで、こう話してみよう!」がわかる本です。小中学生を対象とした「いのちの授業」や性教育の講座などで広く活躍中の著者が、子育てで実際に直面するさまざまな悩みに寄り添い、マンガ多めで読みやすく解説しました。「思春期を迎えてからでは遅いのか?」「性教育には抵抗感がある」などと困っている方でも大丈夫!今からでも遅くありません。性、いのち、ジェンダー、防犯、人権について。これぜんぶ性教育です。あなたの子育てをアップデートしませんか?
本書では、トラウマとジェンダーが重なる問題として、対人的なトラウマ、それも親密な関係における長期反復的なトラウマであるドメスティック・バイオレンスや性暴力、児童虐待の事例を数多く取り上げ、議論しているが、これらは社会的にも対応に危急を要するテーマでもある。臨床にすぐ役立つ、ジェンダー・センシティブなアプローチの要点を提示し、さらに、臨床現場にトラウマとジェンダーの視点をとり入れることで、具体的にクライエントの何を見、どのような働きかけをし、どんなことに気を配るかを事例検討で明らかにしている。
生殖技術や終末期医療の進展により、身体の自己決定の重要性が増している。しかし今日、その多くは、個人の決断を超えた、患者と医者、家族と本人を取り巻く複雑な社会関係・権力関係のなかで行われる。自己決定にかかわる現場の論理を、著者が行ったインタビューの結果も交えながら、ジェンダーの視点から丁寧に掘り下げる。
刑事司法は性暴力加害者をどのように扱ってきたのか。連続レイプ事件加害者への長期間にわたる接見や往復書簡、裁判分析等により、性暴力加害者の経験に肉薄。強姦加害者の責任を問う法のあり方をジェンダーの視点から検証し、性暴力加害者の責任を問う法のあり方を提言する。
女性は生まれつき異常という先入観。男性より数学能力に劣り,月経前症候群という病人にされ,更年期には女でなくなる。「科学」の名のもとに定説とされ、社会的な女性の不平等を招いた神話の数々。フェミニストとして、科学者として、それら性差研究にひそむ偏見と誤謬を冷静に指摘し、混沌に満ちた性差の科学に新たな指摘を提示する。
現代産業社会の要請する男らしさ・女らしさ、日本文化固有の「男」「女」の世界、そして諸個人の人間としての個性。この複相的な様態は、現在どのように編制され、かつての歴史の中での「男・女」と、どのように同質でかつ違っているのだろうか。複雑で多様なジェンダー研究に心的世界からせまり、実際生活と学問的認識のありかたに重大な再考をうながす。
世界中で職場での従属的地位に異議申したてする女たち。浮かびあがる女性労働の国際的普編性。