社会事業は、その成立過程の中で人々の認識の変化によって、その形も対象範囲も変化してきた。本書では、社会事業に関わっていた人々が、その際に社会事業とその対象範囲をどのように捉えてきたのかを、彼らが持っていた意識に焦点をあてる内在的視点という手法を基に丹念に分析し、「救済」という概念・思想が社会事業を特徴づける「防貧」という形態に制度化されていく過程を明らかにすることを通して社会事業の再カテゴリー化を行い、新たな社会事業史の描き方を提案する。
対米依存しつつも、アメリカとは一線を画するカナダ経済の独自性を、州経済の多様性と自動車産業を中心として、鮮やかに描き出す。第21回カナダ出版賞受賞作。
本書では、自由主義、保守主義、家族主義という三つの異なる福祉レジームにおいて、グローバル化や高齢化などへの取り組みがどのようになされているのかを分析し、福祉国家再編の共通性と相違を明らかにする。
組織の隠れたメカニズムを3つの視点で解明する。リーダー必読の書。ゲーム理論の先駆者・アクセルロッドによる初の組織論。
インドを理解することは、至難といわれている。宗教、言語、種族をはじめ、類をみない多様性のなかで、国家として統一を保ちつづける。滞印一八年の外交官が、40年にわたる交流研鑽をもとに、八億人を超えるインドの全体像を簡潔に描く。
競争のない多様な学校、学校を選ぶ親の権利、教師の授業の自由ー日本の教育を蘇らせる為に。
豊かな地球のあり方を身近なことから理解する。生命誕生のドラマから、グリーン都市のつくり方まで、私たちの生活と密接にかかわる“生物多様性”。その本当の大切さを、やさしく解説する連続公開講座の講演集。
近年、保健活動はヘルスプロモーションに見られるように、地域住民の思い(主観性)を重視する方向へと発展している。一方、福祉活動においてもノーマライゼーションは対象者の思い(自立性)の重視が基本である。ここに地域保健福祉という理念の根拠がある。とはいえ、地域保健福祉の実践はさまざまな要素が絡み合う複雑な活動であり、そう簡単に割り切れるものではない。本書で提起したのは、複雑な事象を無理に単純化してしまう誤りをおかさないための分析法である。その意味で、地域の保健福祉の従事者が日頃の貴重な体験を客観化し、分析し、表現することに役立つものと考える。また、本書で述べた地域保健活動の展開は「生活者としての多様性を持つ個人と地域社会(コミュニティ)をつなぐ」という今日的な課題に寄与するものでもある。保健・福祉・医療にかかわる人のための基本書。