新たな共通語としての人種概念をめぐり、その歴史的検証と包括的理解に向けて人文科学と自然科学の研究者が初めて協働した画期的成果。圧倒的な欧米ヘゲモニーがもたらす狭隘な人種理解にたいし日本、アジア、アフリカから、地域を超えた強烈なオルタナティヴを呈示する。
本巻はグローバル化とローカル化という相対立する分析軸をおいて、課題に果敢に取り組んだ。それも一般論だけではなく、地域別にもみることで、問題、課題のあり方には地域的差異があることも明らかにした。
地球上における種々の物質の挙動パターンとその支配原理の解明をめざす、地球化学の全体像を紹介。元素の起源から地球、生命の誕生を経て現在に至る140億年の時間スケールと、コア、マントル、地殻から大気・水圏を含む表層までの全地球的空間スケールの中、地球化学が扱うテーマは極めて幅広い。本書はそれらを網羅的に取り上げつつも、すっきりとした章構成に整理してわかりやすく解説。また、地球環境問題への視座として地球化学が果たしうる重要な役割についても、随所で述べられている。
「外来生物法」が施行され、外国産緑化植物の取扱いについて検討が進んでいる。近年、緑化植物として導入した外来種が急増し、在来植物を駆逐し景観まで変えてしまう例などが多数報告されているが、こうした問題を克服し、生物多様性豊かな緑化を実現するためにはどうしたらよいのか。本書は、これらの課題に長年取り組み、成果を出しつつある日本緑化工学会気鋭の執筆陣が、その理論と実践事例をまとめた総合的なハンドブックである。
経済学は環境問題をどう捉えているのか。
本書のテーマは、シナリオの開発法と、政策や実践が直面する課題を方向づけるためのシナリオの活用法である。各章では、学問的に裏づけられた見解と応用可能な大変実践的なヒントが提供されている。本書は、教育を長期的な視点から考えようとする人々、親や教師、地域の指導者や教育管理職を含む学校関係者、政策の決定に関わる人々に新たな視点を提供するものである。
睡眠研究の草創期から携わる第一人者が、豊富な学識・経験をもとに、懇切丁寧な語り口でガイドする睡眠学の手引き。眠りにまつわる素朴な疑問・誤解の数々は本書で忽ち氷解。
アメリカ・イギリス型市場経済対ドイツ・日本型市場経済の二項対立からは見えてこない「資本主義の多様性(ヴァラエティ・オブ・キャピタリズム)」を解明する。来るべき時代の労使関係論。
動物を動物たらしめている特徴の一つが神経系の存在であるが、その構造や機能は動物により実に様々である。近年、ヒトなど個々の生物の脳神経系については急速に解析が進んでいるが、多様な神経系がどのような進化の道筋を経て生まれたかという全体像は、未だ謎に包まれている。無脊椎・脊椎を問わず多様な動物を比較することで、その謎に果敢に挑む。
ホルモンによる液性調節系を取り上げ、多くのホルモンの単離、その機能と受容体の解析、さらには無脊椎動物から脊椎動物まで多種多様な内分泌調節の機構を、研究の歴史をたどりながら解説。またゲノム情報に基づく研究や病気との関連など、最新の解析法をまじえて詳解。