アガサ・クリスティーの傑作にして問題作『アクロイド殺し』。語り手=犯人とされる大胆な設定は探偵小説への挑戦であり、これまで多くの解釈がなされてきた。その奇妙な物語世界は、語り手の冤罪の可能性を示す「余白の声」や不確定性を、そして因果連関と「運命の相似形」をめぐる、果てなき問いの深淵を覗かせる。作品の精読と、それが書かれた時代的・社会的背景の探索から「言語」それ自体の謎に肉薄する。
日本語には古来多くの一人称二人称の代名詞があるが、そのどれもが使い易くはない。他方印欧語、中国語のそれは何千年にもわたってほぼ安定し、しかも使い易い。この違いは何に由来し、またどのような影響をそれぞれの文化に及ぼしてきたのだろうか。『ワレ』や『テメエ』などの一人称がどうして軽侮の二人称になるのか。上下関係を強く織り込んだ日本語敬卑語の問題を、世界の多くの言語と比較対照しつつ意味論的・文化論的に追究する。
不可視の電磁波に覆いつくされ“電磁波帝国”化する私たちの生活空間。電磁波防護指針の合法性を根拠とする電磁波無害言説に抵抗すべく、アレント、ネグリ、コーネルに拠り新たな“構成的権力”の構築を模索する。
デリダが光をあて発展させたフッサールの言語考察、その思索の流れを辿り、現代の言語哲学に道標を与える。
一見、無意味に聞こえるアノ言葉から、みるみる相手の心が、そして性格が読めてくる。30年にわたる「言葉ぐせ」研究の著者が、「論理より心理で説得する法」を教えます。中間管理職、営業マン必携の一冊です。
「アフリカ人作家はアフリカ諸言語と一つにならなければならない」英語で書く作家からアフリカの民族語で書く作家へ。21世紀。アフリカの自立、人間と文化の解放の道をさぐる。ノーベル文学賞候補グギ・ワ・ジオンゴの言語・文学・文化論。
まえがき
序 章
1. 1 はじめに
1. 2 本書の目的
1. 3 本書の構成
1. 4 自閉スペクトラム症とは何か
第2章 自閉症から自閉スペクトラム症へ
2. 1 自閉症の歴史
2. 2 診断基準と原因論
2. 3 実験による自閉スペクトラム症者の認知形式の評価
第3章 言語人類学と社会的コミュニケーション
3. 1 自閉スペクトラム症者の社会的コミュニケーション
3. 2 言語人類学における社会的コミュニケーションの考え方
3. 3 言語人類学と記号論との接点:「指標性」
第4章 自閉スペクトラム症者の
4. 1 自閉スペクトラム症者の現状
4. 2 コミュニケーション・イデオロギーとは何か
4. 3 ソーシャルスキル・トレーニングのコミュニケーション・イデオロギー
4. 4 自閉スペクトラム症者のコミュニケーション・
4. 5 考察
第5章 初対面会話における「自己紹介」
5. 1 データについて
5. 2 会話参与者
5. 3 自己紹介場面の分析
5. 4 考察
第6章 Cの「他者のまなざし」の取り込み方
6. 1 当事者会で収録した自閉スペクトラム症(に類する)者同士の会話の分析
6. 2 当事者会で収録した自閉スペクトラム症者と定型発達者の会話の分析
6. 3 考察
第7章 Cの「言語的ストラテジー」
7. 1 Cのアイデンティティ呈示に用いる言語的ストラテジーの分析
7. 2 考察
第8章 Cの「コンテクスト」の取り込み方
8. 1 公共施設で収録した自閉スペクトラム症者と定型発達者の会話の分析
8. 2 考察
第9章 結論
9. 1 本書のまとめ
9. 2 自閉スペクトラム症と社会文化的背景
9. 3 「あのとき・あの場所」と「いま・ここ」の自閉スペクトラム症
あとがき
参考文献
《資料》
索引
アメリカの天才的言語学者サピアが、天馬空を行くような想像力と透徹した洞察力をもって、言語の特質、言語と思考の関係、言語の要素、言語の音声、文法的過程、文法的概念、言語の類型、言語変化、音法則など、言語学の諸問題を原理的に考察し、さらに言語と人種・文化・文学とのかかわりに説き及んだ言語学入門。
ビジネス、お金、人生の問題に100%役立つ!!数学嫌いの文科系の人間にも、人生で最高のツールが手に入る。数学とは問題を見つけ出すものである。誰も気が付かない問題を見つけ出して、一瞬にうちに解くーこれはビジネスでも同じで、結果が見えていることこそが数学的な思考なのだ。
伝統的な国学を基盤とし、西洋の文法概念が折衷された国文法。その国文法と、従来疎遠な関係にあった生成文法や、記述研究としての日本語学、近年の歴史語用論、社会言語学等の理論を包括的に踏まえ、日本語文法史を捉えようとする画期的な試み。形態論、統語論、接辞、代名詞、直示・人称指示、語用論的ルールといった観点から分析し記述する。
人間はどこから来て、どこへ行くのかーー。誰もが知りたい究極の問いへの答えを探すため、たけしが最先端の科学者たちと語り合った。ヒトはいかにしてサルから進化した? 人工知能やアンドロイドに乗っ取られる未来はやってくる? 脳の複雑すぎるシステム、言葉と人との深い関係……。すべての謎は、ニンゲンから生まれていた! 自分がもっと見えてくる刺激的サイエンストーク、人間編。
世界で話されていることばは、およそ7000もある。しかしいま世界では、科学技術の発展とともに、数少ない人が限られた地域で用いている「小さな」ことばが次々に消えていってしまっている。本書は、世界の50の少数言語の中から、各言語の研究者たちが思い思いの視点で選んだ「そのことばらしい」単語に文と絵を添えて紹介した、世にも珍しい少数言語の単語帳。耳慣れないことばの数々から、「小さな」言葉を話す人々の暮らしに思いを馳せてみてください。
002 著者まえがき
004 目次
006 世界地図
008 ルルン/アヤクチョ・ケチュア語
010 マク/ネワール語
012 オンデョカ/バスク語
014 シャターシュッマユッ/ジンポー語
016 ヒライス/ウェールズ語
018 モチ/シナー語
020 オイボン/サハ語
022 マンパー/ティディム・チン語
024 セルゲ/ブリヤート語
026 ンブラ/フィジー語
028 ヘペーン/トゥバ語
030 デゥバッ/ラマホロット語
032 ラシカルガイプ/コワール語
034 ヴェヴァラサナ/ヘレロ語
036 カランガ/マテンゴ語
038 ラタ/カルデラーシ・ロマニー語
040 ボハーントィーアハト/アイルランド語
042 ナティン/トク・ピシン
044 ショチャン/ラダック語
046 マラマラアク/ブルシャスキー語
048 ボルトガイ/ダグール語
050 ボロソコモダップ/ドホイ語
052 ドー/ラワン語
054 アムアアムアマー/ボントック語
056 スカーマ/サーミ語
058 オオル/アミ語
060 プルデュユーヴン/ワヒー語
062 バサーオ/ポポロカ語
064 ディエフ/シベ語
066 グイカ/ドム語
068 シシン/セデック語
070 ディジュベー/テオティトラン・デル・バイェ・サポテク語
072 パイラク/カラーシャ語
074 モサ/メチェ語
076 ウィヌクジュガージュトゥグル/コリャーク語
078 マカイ/ハワイ語
080 ソグボマ/ナーナイ語
082 テリン/サタワル語
084 ビジン/ウルチャ語
086 ツウォホ/ツィムシアン語
088 ポティ/ニヴフ語
090 ハンジ/ハイダ語
092 シン/ドマーキ語
094 チョウグミャートゥ/ウデヘ語
096 シマナ/ウイルタ語
098 オヒュコ/スライアモン語
100 ブガイ/アルタ語
102 アルフス/イテリメン語
104 イヨマンテ/アイヌ語
106 マラミク/大アンダマン混成語
108 著者略歴、画家略歴、協力者
言語聴覚士養成校で学ぶ「発声発語障害学」のテキストとして最適な1冊。第3版では新たな取り組みとして、冒頭に「発声発語障害学の基礎知識」と題する章を設け、本書で取り扱う分野の基盤となる知識をわかりやすくまとめる。また、各項目の冒頭に設けた“学修の到達目標”は、日本言語聴覚士協会が作成の「言語聴覚士養成教育ガイドライン」(2018年)の内容を踏まえており、学生が学びを進めるうえでの指針とする。
日本語学習者の中には、古典日本語で書かれた資料を用いて研究を行う人たちがいる。日本研究を行う彼らに必要とされる言語教育上の支援とは何であるのか。この疑問に答えるために、海外教員への質問紙調査や学習者へのインタビュー、読解過程の分析等を通して彼らの古典日本語学習・理解の実態を明らかにし、それに基づく授業実践を行った。今まで明らかにされてこなかった古典日本語習得の実態とその支援について考える画期的研究。
中国語を母語とする日本語学習者が日本語で書いた作文は、文法としては正確なのに、「何か」が違う。それは何なのか。それは何に由来するのか。この疑問に答えるため、本書では日本・中国それぞれの国語における作文の規範に注目する。両国において模範と見なされる文章の分析を通じて、「意見はどのように書かねばならないか」「どのように論証しなければならないか」という枠組みの差異を多面的に明らかにする画期的研究。