ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字等、世界的にも珍しい多文字種環境を有する日本語。古来、日本人にとって「文字」は、意思疎通のための情報ツールであると同時に、彼我の文化に架橋するための媒体であった。古代から現代までを視野に「書く」「読む」「学ぶ」「残す」という文字の諸機能に着目し、日本語における「文字論」の豊穣な世界を示す初めての一冊。
大学で言語学やロシア語を教え、時にはチェコ語で講演もする。スラブ諸語を研究する言語学者が何より愛するのは小説である。『犬神家の一族』を英語版で楽しみ、『細雪』のロシア人一家についてあれこれ推理。スウェーデン語に胸をときめかせ、物語に描かれる大学教授の人望のなさに溜息をつく。文庫版書下ろしエッセイ「長い長い外国語の話」も収録。言葉はきっとあなたの世界を広げる翼になる。
本書は日本語のアクセントとイントネーションを、鹿児島方言およびその近隣方言と東京方言の調査研究をもとに、一般言語学と対照言語学の視点から分析したものである。計4つの章からなり、最初の3つの章では主にアクセントを、最後の第4章ではイントネーションを考察する。
ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652。知的でスマートなコミュニケーションの技。
われわれ人間とは何者なのか?先史時代から未来へ、そして、ゲノムレベルから地球生態系へー悠久にして広大な自然人類学の世界。進化をはじめ、ゲノム科学や考古学、身体機能や言語など、文化をもつ生物「人間」の謎にせまる。東京大学の人気講義を書籍化。
信頼関係の出発点には、いつもそのひと言がある!初対面、仕事、友人関係、家庭内…人間関係がまるくなる20の方法・全500フレーズ!どこをほめる?気持ちを乗せるには?ゴマスリにならないコツは?
本書はエヴァンズ博士によるThe Language Mythの全訳である。ここでいうMyth(神話)とは根拠のない仮説が広まり通訳となったもの、とりわけ言語生得説や言語普遍説などを指す。筆者は、言語は独立した本能として存在するのではなく、実際の運用を通して文化的に学習・継承されるものであること、すべての言語を超越した抽象的な普遍文法なるものは存在しないことを、具体的な言語事実と最新の諸科学の知見をもって多角的に論証していく。
古典現代語訳、ジャポニスムの和歌歌曲Waka-Liederから、村上春樹、世界文学、アイヌ文学者の自己構築、3・11に詩の集合性へと帰る東北おんば訳啄木まで。「文学と翻訳」は決してありきたりのテーマ設定でないどころか、文学において翻訳の探究の厚い蓄積がある日本で、これほどにも可能性に満ちている。刺戟的な全8篇。
東京大学大学院教授伊藤たかね先生が2021年3月末で退職されることを記念し、長年にわたり先生と言語研究の楽しさと楽しみを共有してきた研究者、元指導学生、現役大学院生などによる46編の論文が収められた論文集。テーマは形態論、語彙意味論から統語論、心理言語学まで多岐にわたり、分析対象言語も日本語や英語にとどまらず中国語、韓国語、ドイツ語やスラヴ諸語と多様で、先生の研究教育領域の幅広さが反映されている。