本書は、生と死をめぐるこころの問題について、世界6ヵ国の第一線の臨床家及び研究者が参加して行われた国際シンポジウムをもとに編まれた。ターミナルケアア・自殺予防・尊厳死の3項目をめぐって議論が展開し、ホスピスやエイズに関する心理的ケア、老人や子供の自殺への適切な対策、海外における治療戦略など精神医学的視点からの積極的な意見が述べられている。とくに現在センセーショナルに取り上げられる尊厳死については、安楽死が認められたオランダの事情、またナチスの悲劇をふまえたドイツの人の論考が収められ、日本も本格的な死をめぐる議論を起こす時期にきていることがあらためて認識させられよう。死にゆく過程を否認することなく正面から取り上げ、生の尊厳を見つめ直すための果敢な試みである。
本書は、医学生物学的基礎研究、疫学と自然史、ワクチンの発見と開発および他の予防戦略、HIV感染とその合併症の治療法の発見と開発、小児HIV疾患の5領域において、NIAIDが実施している多数の研究活動の概要を示します。
本書は“エイズ”を医学・生化学はもちろん、社会科学的な面からも正確に伝えつつ、読み物的な内容を入れ、一般の方々にもエイズを理解していただくとともに、学生諸君には将来“エイズ”に取り組む気持ちをもってもらうことを狙った。
阪神大震災、オウム事件、55年体制崩壊など激動の4年間。フジテレビ記者が取材日記をもとに綴る、報道を報道するルポ。
本書はテレビアニメ『きこちゃんすまいる』の最後に、1問ずつ出される“きこちゃん天才クイズ”のコーナーを、1冊の本にしたものである。
本書は、現代社会が要請する危機介入、援助活動の理論を展開し、それにもとづく実践方法論について、体系的に、的確かつ具体的に、わかりやすく述べた手引書として好評のCrisis Interventionの第7版の全訳である。これまでの内容を大幅に改訂し、現代社会の危機的な状況すなわち薬物依存、強姦、児童・老人・妻の虐待、セクハラをはじめ新たな社会問題やライフステージ上の危機(エイズ、心的外傷後ストレス障害、燃え尽き症候群、アルツハイマー病、死など)に焦点を当て、それらの問題を詳しく取り上げている。これらはもちろんアメリカ社会の問題にとどまらず、わが国においても共通のものであり、その対応・対策が問題になっている。これから医療・看護・福祉などの援助専門職をめざす人にはもちろん、現任者にも格好のハンドブック。
1983年、厳格で信仰厚い父が死んだ。45歳、エイズだった。その日から残された家族の生活は一変し、苛酷な試練がはじまった。非難や好奇のまなざし、自分たちの健康の不安、崩れていく家族の絆…。わたしは苦い真実を、同性愛者としての父の隠された顔をおいもとめる。生涯、真実を語ることのできなかった父の鎮魂と自らの癒しのために、祈りをこめて綴る、いたましくも美しいノンフィクション。
血友病患者のエイズ認定はなぜ2年も見送られたのか?“エイズ第1号が2人”という異常事態はなぜ起きたのか?10年以上も前に輸血によるHIV感染が起きていた!薬害エイズ事件の埋もれた附分を克明にたどるうちに筆者はHIV感染の途方もない広がりと意外な起源に気づいた。NHKの93年入手資料と96年の厚生省公開資料の徹底検証から浮上した行政の「情報秘匿」と「不作為」の驚くべき連鎖。
原因ウイルス発見から遺伝子治療まで、エイズの全てを語る。
その闘いは大阪で始まった!ヘルパーT細胞の数を示すCD4。まるで砂時計の砂がこぼれ落ちるようにその数値が減っていく。刻々と迫る死を見据えながらなぜ彼らは立ち上がったのか。なぐりつけてくるような運命のなかで、人を信じ、人を愛し、魂を輝かせ続けた人々の群像を、いま初めて語られる訴訟の真実とともに描ききった感動のノンフィクション。