戦時中、国際都市上海は列国情報のメッカとして宣伝謀略、間牒とび交い、白昼暗殺横行する魔都であり、上海事変、支那事変は起こるべくして起きたと云える。上海憲兵隊はこの渦中にあってどう対処し、どう活躍したかを憲兵史編者が多数の証言と資料を駆使して刻明に画く。元憲兵100名以上の、証言と資料提供による、国際軍事警察軍団のドキュメント。
終戦直前まで、幸せな少女時代を過した上海。いま、36年ぶりに再訪する上海。5日間という限られた旅程のなかで、響きあう二つの上海の意味を問う秀作。昭和58年度女流文学賞受賞作。
「中国のなかの外国」租界の都の光と陰。革命と反革命のうず巻く国際都市を舞台に、明日の自由を求めて命をかけた人々の熱いドラマ!
〈インドネシアでツチノコ大捕獲〉〈早大生、恐竜モケレ・ムベムベを求めてコンゴへ〉〈ネッシー探しにハイテクのメス〉〈中国の竹渓県で民兵が“野人”を射殺〉〈カナダの峡谷に恐竜の卵ゾロゾロ出現〉〈アルタイの秘境に幻の怪魚〉最近、日本のマスコミは、幻の生きものたちの話題で、大いににぎわっている。科学技術が高度に発達したこの現代に、未知の動物たちが生き残っている可能性はあるのだろうか?はたして、それらの正体は?フランスの学者バルロワが豊かな知識とあふれる情熱をもって書きあげた、世界の未知動物徹底ガイド!
秘密結社青〓(チンバン)の首領・麻薬王・共産党員虐殺の主犯・恒社(ホンシャー)理事長・国民党陸軍少将・中匯銀行設立者・上海市参事会議長・60社の大会社社長…。様々な顔をもつ杜月笙の生涯を軸に、激動期上海の血塗られた裏面を暴く史実小説!
よこに羽織袴姿の、恰幅のいい日本人が1人。背景はブロードウェイマンションだ。「1943年秋、上海電影常務でおられた時分だ。隣りは郷康弘。上海電影の二枚目俳優だった。上海娘にモテてね。2人ともブロードウェイマンションの18階の一室に部屋を借りていて、上海脱出のお別れパーティもその部屋でやった。黄〓は上海租界の興行権を一手におさえ、熊谷、郷両氏との結びつきもその縁からです。もう一つ、黒衣社という秘密結社もあって、守彦氏は、こっちの首領とも仲が良かった。我々にとっては、最大の抗争相手だったが」-終戦の騒乱の中で謀殺された魍魎が、いま甦って、魔界と下界は破天荒な大混戦!
粋と無頼が匂いたつ街、SHANGHAI。豪壮な西洋建築が屹立するウォーターフロント空間=外灘(ハンド)。瀟洒なアールデコが華開く領事館世界。租界を一歩外に出れば、中華古来の迷路空間=県城や、蘇州河川向こうの日本人街=虹口(ホンキュウ)。「魔都」を舞台に列強や民族がくり広げる、権力と独立への夢と矛盾。上海をくまなく歩き、河岸にたたずみ、アジアの近代化の意味を、もう一度問い直す。
マルクス主義の立場から書かれた、政治・法学説史。
歴史上、つねに要害の地となった南京、越王勾践と呉王夫差があい争った水の都・蘇州、中国近代史の中心・上海、古くから文明が栄えた杭州、「香鑢峰の雪」で名高い廬山と磁器の景徳鎮を擁する江西、中国の臍・洞庭湖をはさむ湖南・湖北、国際貿易港として栄えた福建、山水の町・桂林、中国の南の窓・広州。バラエティに富んだ文明が重層して独特の文化を築いた中国の全体像を描く、歴史と旅の長篇紀行。
船舶保険訴欺のプロ・岩内亮はひょんなことから米軍の極秘最新兵器を手に入れた。さて誰に売りつけようかと思案するうち、米国、ソ連、中国の秘密情報局員、さてはイスラエルのモサドまで現われての四ツ巴追跡劇が始まって五島列島はてんやわんや。冒険小説界の旗手が放つ奇想天外の長篇スパイ小説。