世界の様々な経済システムを、独創的・統一的視点から分析した「新しい比較経済学」。経済システム論と開発経済学の接合を通じて、多種多様な国民経済の共存と進化に向けた理論的分析枠組みを提示し、経済システム上および政策的領域の諸問題に対するその有効性と応用性を実証する。
外来種問題は、生物と環境の関わり方をさまざまな時間的・空間的な広がりのなかで捉えることでその構造を解き明かすことができる。これは自然科学だけでなく、人びとの意思決定に関わる社会科学の問題に関しても同様である。本書の目的は、自然科学と社会科学の双方の視点から外来種問題を捉え、外来種が生物多様性と人間社会にもたらす影響を考察することにある。これは、いままで国内外で出版されてきた書籍にはない斬新な試みといえる。
本書には、やや専門的な内容も含まれているが、類書にはない最新の研究成果や斬新な視点が随所に盛り込まれている。外来種問題に関心のある学生、一般人、そして専門家にいたる幅広い読者層の方々にそれぞれの立場から楽しんでいただけることだろう。
第1編 外来種が生物多様性にもたらす影響
1.遺伝子浸透 -遺伝的乗っ取りのメカニズムー
2.外来植物による生態系改変とその影響 -機能形質に着目したアプローチー
3.外来植物と植食性昆虫の相互作用と適応進化
4.外来捕食者の駆除と中位捕食者の解放 -その発生機構と生態系の復元戦略ー
5.外来種同士の相互作用と在来種の進化適応
6.すぐに増える,ゆっくり増える,やがて消える? -外来種がもたらす影響の時間変化とそのしくみー
第2編 外来種が人間社会にもたらす影響
7.侵略的外来昆虫が農林業へ与える経済被害とその対策
8.水産業における外来種の利用と被害
9.在来種と外来種の管理に対する人びとの意識
10.外来種の管理に対する人びとの支払意志額
11.ローカルな「問題化の過程」と「外来種問題」 -地域特性と歴史的文脈を踏まえた政策的取り組みー
第3編 生態系と人間社会のつながりを考える
12.外来種の適正管理に向けた総合的な取り組みへ
社会事業は、その成立過程の中で人々の認識の変化によって、その形も対象範囲も変化してきた。本書では、社会事業に関わっていた人々が、その際に社会事業とその対象範囲をどのように捉えてきたのかを、彼らが持っていた意識に焦点をあてる内在的視点という手法を基に丹念に分析し、「救済」という概念・思想が社会事業を特徴づける「防貧」という形態に制度化されていく過程を明らかにすることを通して社会事業の再カテゴリー化を行い、新たな社会事業史の描き方を提案する。
対米依存しつつも、アメリカとは一線を画するカナダ経済の独自性を、州経済の多様性と自動車産業を中心として、鮮やかに描き出す。第21回カナダ出版賞受賞作。
本書では、自由主義、保守主義、家族主義という三つの異なる福祉レジームにおいて、グローバル化や高齢化などへの取り組みがどのようになされているのかを分析し、福祉国家再編の共通性と相違を明らかにする。
競争のない多様な学校、学校を選ぶ親の権利、教師の授業の自由ー日本の教育を蘇らせる為に。
豊かな地球のあり方を身近なことから理解する。生命誕生のドラマから、グリーン都市のつくり方まで、私たちの生活と密接にかかわる“生物多様性”。その本当の大切さを、やさしく解説する連続公開講座の講演集。
劇的・魚の生活。魚類の形態、機能、行動、発生、生理、遺伝など16の話題。
水と森の島ー知られざる素顔に迫る。樹齢7200年の縄文杉、幻の竜王滝、霧に育つ巨木、世界最大の照葉樹林、日本最多年間1万ミリの雨、亜熱帯に冬の吹雪など、30年に及ぶ取材の集大成。
本書は、生体で受容される種々の外界情報(光、味、匂い、電界、化学物質、物理的刺激など)が、生体内でどのように処理されて、また内部で創られた情報がどのような役割を果たしているかについて、種々の系に共通する「自己組織化」という観点から述べている。またこの自己組織化は非線形・非平衡系(開放系)において初めて実現するものであり、ここでは生体系をミクロからマクロへという立場で理解することを試みる。つまり、各要素がいかに結合され、全体を構築し、機能を発現するかについての第一線の研究が異なる種々の対象を例に自己組織化という切り口を用いて紹介される。