未婚の女帝でありながら道鏡との性的関係を噂され、露骨なセクシャル・ハラスメントでバッシングされた称徳天皇。藤原氏に生まれ、文徳天皇の後宮で皇太子を産みながら、憑きモノの噂と好色なスキャンダルにまみれた染殿后。愛しい男を追いかけ大蛇に変身する「日高川の女」…。中世の説話に数多く登場する典型的な“悪女”を中心に、女性たちの真の姿と、“悪女”伝説がつくりあげられてゆく謎を解明する。
麻太郎と源太郎が花火の夜に出会った飢えた姉弟。二人は母の情人に虐待されていた…。か弱き者を救おうとする少年たちの、凛とした姿が鮮やかな表題作他六篇を収録。
日本や中国の史書を独自の観点で読み解き、未だ謎に包まれた「倭国」の存在を軸に、日本古代史に新たな光を当てた一冊。
蒋介石との直接交渉は未遂に終わり、軍部に睨まれた文隆は兵役に取られ満州へ赴任、そして終戦と同時にソ連軍によってシベリアに抑留された。安否を気遣う家族の許に届けられた手紙には「夢顔さんによろしく」という謎の言葉が添えられていた。果たして「夢顔さん」とは誰なのか、そして文隆の運命は。
南太平洋上で回収中の人工衛星が何ものかに強奪されてしまう。どうやら衛星搭載のハイテク機器を専門に狙う大掛かりな海賊組織の犯行らしい。重大な関心を抱いた米国国務省は、海軍特殊部隊司令官マッキンタイアの推挽で地中海に作戦行動中のギャレット大佐率いるシーファイター任務部隊に出動を命ずる。目標はインドネシア。
都会もパーティーもうんざり、憧れの田舎で静かに暮らしたい。そんなロージーの夢がとうとう叶うことになった!一方“売れっ子女優”サマンサも、トレンドは田園とばかりに引っ越しを画策するが…。ロンドンのおしゃれな人人と、村の素朴かつお節介な面々との温度差がひたすらおかしい、キュートなシンデレラストーリー。
明治天皇が五人の側室を持ったのは好色のせいではない。次代の天皇たる皇子が皇后に生まれなかったからである。大正天皇と貞明皇后は四人の皇子に恵まれたが、天皇は病弱で国権の総攬者としての役割を果たせず、皇后の苦心はひと通りではなかった。昭和天皇は心身ともに健康だったが、皇子がなかなか誕生せず、側室を置こうとする動きさえ現れた。天皇は男系の男子皇族でなければならないという掟から生ずる数々の難問。そして、いま女帝論が…。
これまで浮世絵春画は、ともすれば誇張された性器の表現ばかりが注目され、たとえその芸術的価値を認める者であっても、春画=男性用のポルノグラフィであることには疑いを持たなかった。しかし、図中に書き込まれた「詞書」「書入れ」などと呼ばれる文章を読み解けば、まったく異なる世界が拓けてくる。それは、江戸人の多様な「愛のかたち」を、和歌や漢詩といった古典の世界に「見立て」て楽しむ、高度な表現形式をもつ芸術であった。
悩める女性注目!子宮筋腫はこわくない!ちょっぴりまじめ、めっちゃおもろい爆笑病床エッセイ。
お前ちょっと来い、ここに来てよく診れ!厳しくて、物言いもぶっきらぼう。諸武芸にも秀で、体格もがっしり、声も大きく、弟子たちを叱りつけるーそんなこわい師匠のもとで学んだこと、それは人として成長すること、そして、他者への深い愛。
サンジャヤは、ジャンブー大陸(閻浮提)における創造を述べる。そして、非常に残酷で恐ろしい戦闘が行なわれる。ビーシュマの活躍により、ユディシティラの軍は非常に悲惨な状態に陥る。偉大な叡知を有するクリシュナは、迷妄により生じたアルジュナの戦意喪失を、条理を尽くして除去する。苦楽、得失などのあらゆる相対的なことを離れ、すべてを平等に見れば、我々はもはや行為の結果に束縛されることがない、と説く。それが『バガヴァッド・ギーター』の教えである。偉大な弓取りアルジュナは、前に女性であったシカンディンを先頭に立てて、鋭い矢で射て、ビーシュマを戦車から落とす。
ミセス順、本名・安達順三郎。化粧をして原色のマンボズボンを穿いたその人は、田舎町の嘲笑と注目を一身に集める有名人で、しかも母の叔父にあたる人だった。ずっと避け続けた「彼女」に確かめたいことがあって「わたし」は、再びあの町を訪れたー。表題作のほか「観音谷パラダイス」「仮宿」の二篇を収録。人間が本来的に抱える孤独を、温かく癒す著者真骨頂の中篇集。
研究・教育の場で長年に渡り、活躍。傘寿を目前にした今なお、後進の指導に打ち込む同志社大学・内田名誉教授の温かい人柄が伝わる随筆集。
宝山左衛門(六世福原百之助)傘寿の芸談。野球大好き少年の江戸っ子“英ちゃん”が、名人の父・五代目百之助から六代目を引継ぎ父子二代の研究で、篠笛は世界に通じる現代楽器に成長していく…。“芸に遊ぶ”とはどういう心境か?80歳にしてはじめて見えてきた芸道の奥を解き明かす改訂新版。
土練りや中心のとり方など初めの段階から、明確でわかりやすい文章と順を追ったカラー写真で丁寧に基本的な方法を解説。花瓶やティーポット、アロマバーナーなどを含む12の演習は、器の内側の指使いが見えるユニークな写真を使ってわかりやすく解説されている。さらに、削りの章では、出来上がった器の削りのほか、基本の形をマスターした後、作品を更に個性的にするための高台や蓋のつまみ、取手の様々なバリエーションを紹介する。