本書は3部構成になっている。第1部では、第1章において生物多様性における保全遺伝学の役割を示し、第2章では生物進化からみた保全遺伝学の課題にどう対処するかを論じ、第3章では種内多型からみたその課題を列挙し、保全遺伝学の意義づけを示そうと試みた。また、第4章では、国際的見地を含めた、いくつかの遺伝的多様性保全プロジェクトを紹介した。第2部では、染色体レベル、タンパク質レベル、DNAレベルから、それぞれ保全遺伝子の方法を概説し、さらに野外でのサンプリング法についてもふれた。バイオテクノロジーの専門書はすでに多数出版されているので、ここでは野生動物を対象とした分析法にできるだけ的を絞って、基本的な留意事項を紹介するよう心がけた。第3部では、大型哺乳類から昆虫まで、プロジェクトの研究成果を中心に野生動物の保全の実際を紹介した。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていたー。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。
「百姓は農民ではない」今までの常識をくつがえすこの提言は何を意味しているのだろうか。中世の民衆像、ひいては封建制度そのものを再検討した、著者入魂の力作。
ひょっこりやってきたおばあちゃん。子どもたちと遊びはじめた。お手玉、おり紙、あやとりと何でも上手。すごーい!みんなのおばあちゃんは。
世界の傑作機「零式艦上戦闘機」を生み出すにいたる日本航空界の苦難に彩られた二十五年の道のりを、海軍航空の立役者が綴る戦闘機絵巻。大正十年に製作された初の国産一〇式艦戦から、海軍最後の戦闘機二〇試甲戦まで、模索と研究と試行錯誤、犠牲と努力の上に花開いたファイターの技術開発、用兵成果の全容。
ピアノもヴァイオリンも弾きこなし、日本人として最初のソナタ形式による本格的な器楽作品も書いた姉の延。日本のヴァイオリン音楽界の基礎を築き、日本人として初めて国際音楽コンクールの審査員にも招聘された妹の幸。日本の洋楽黎明期を支えた偉大な音楽家姉妹の物語。
高低差がない海に、海流があるのはどうしてだろう?エルニーニョが近隣諸国だけでなく、遠い日本にも影響をおよぼすのはなぜだろう?大海原や広大な空でおきる不思議な現象の数々を演出する「コリオリの力」の正体に迫りながら、海洋物理学から気象学、気候学までわかりやすく解説する入門書。
核兵器が二度と使われないように。原爆症のため12歳で亡くなった佐々木禎子の悲しみが、折り鶴とともに世界の人々の心に伝わった。「おりづる」が世界にはばたいていった道すじを、平和への祈りをこめて描くノンフィクション絵本。
現代に語りつぐ勝利への空戦哲学!大空の決戦に出撃すること二百余回、幾たびか死線を超えて不死鳥のごとく生還を期するエース坂井が、人生に何事かを成し遂げんとする現代の人びとに贈る一冊!
「赤城」「隼鷹」の艦爆隊長として、緒戦の真珠湾攻撃からマリアナの航空決戦まで大空の戦いに身を挺して奮戦、敢闘した空の男の不屈の青春記録。“艦爆の神様”江草隆繁少佐の下、射撃、急降下爆撃、空中戦等々、苛酷な猛訓練に耐えぬいた開戦前の海軍航空隊の“旭日”の勢いなど搭乗員が知る第一線の息吹きを伝える。
幼少期から祖母に預けられ、家庭の雰囲気というものを知らずに育った洪作は、高校受験に失敗し、ひとり沼津で過ごす。両親がいる台北に行くべきだという周囲の意見をかわし、暇つぶしに母校へ柔道の練習に通ううちに、「練習量がすべてを決定する柔道」という四高柔道部員の言葉に魅了され、まだ入学もしていない金沢へ向かう。-『しろばんば』『夏草冬涛』につづく自伝的長編。
金沢の四高柔道部の夏稽古に参加し、練習する日々を過ごした洪作は、柔道のこと以外何も考えないという環境と、何よりも柔道部の面々が気に入り、受験の決意を固める。夏が終わると、金沢の街と四高柔道部の皆と別れ、受験勉強をしに両親のいる台湾へとひとり向かう。-柔道に明け暮れ、伊豆、金沢、神戸、台湾へと旅する、自由で奔放な青春の日々を鎮魂の思いを込めて描く長編小説。