「コロナの時代」の寡黙劇
いつの日か、その街のコインランドリーは、最終営業日を迎えた─。ネオンの光も香ばしく滲ませる飲食店街の、語られぬ思いが渦巻く、滑稽で哀切な人間ドラマ。これぞまさしく、「コロナの時代」の寡黙劇。
〈小説なのか戯曲なのか「区分け」の曖昧な文章を、あえて書きました。(…)「虹む街」とは、執着やこだわりから解放されたシームレスな場所を意味し、それは演劇、劇場そのものでもあると言えます。(…)私たちは、いま、「内面に向き合うこと」を強いられています。生きてもいて死んでもいるかのような、「優しい亡霊」として〉(本書「あとがき」より)。
本作は、いわゆる戯曲の形式(役名と台詞とト書きの列挙)ではなくて、小説やエッセイのように散文的なテクストとして記されてゆく。それは、まるで「観客目線小説」といった赴きだ。その書きぶりにおける実験性や、舞台設定(アジアの多様性あふれるコミュニティ)などもあいまって、タニノクロウの「ネオ・アングラ」なる資質を大きくはばたかせている。
「新しい戯曲」として、未来にアーカイブされる文学作品。カバーイラストは森泉岳土、カバーデザインは吉岡秀典。
住友本社の次期総理事というトップの座を約束されながら、五十四歳で住友を去った川田順。著名な財界人として、また皇太子の作歌指導役まで務めた優れた歌人として名を馳せた彼が、六十歳なかばにして落ちた「老いらくの恋」を、端正に香り高く描く谷崎潤一郎賞受賞作。巻末に「困った宿命」「小説『虹の岬』について」二本の自作解説を付す。
阿津川辰海、推薦!
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小五の夏、少し年上の恭助たちに出会った。
今、大人になって再会する恭助たちは、「ふるさと」のように愛おしく、眩しい。
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少年少女を本格ミステリの世界へ導いた、青春ミステリの金字塔が復活!
わたし、野村響子。
虹北商店街に暮らす、もうすぐ中学三年生。
名探偵の恭助は、相変わらず海外を旅して回ってる。
(こうして、可愛い幼馴染みが待ってるってのに!)
名探偵不在の商店街にも、ふらりと謎は訪れる。
夢の中で結婚するクラスメイト。
池の鯉が惨殺される殺鯉事件。
クリスマスイブの夜に現れるウサギのサンタ。
謎が現れたのなら、名探偵も現れる!
「もう、旅に出ないよね?」って聞いたら、「ずっと日本にいるよ」っていつか恭助は答えてくれるのかなーーーー
著名なスイス史研究者と連れ添って55年。1970年夏、統一前の東ベルリンで大事件に遭遇。そして、スイスで得た様々な叡智への誘い
1 1970年夏 ベルリンにてー思わぬことに出会ってー
スイス滞在/西ベルリン/森田 東ベルリンで急病になる/
入院二日目「森田氏」に会う/鉄格子越しの面会/入院六日目/
退院と出国検問所での最後の検問/・・・そしてその後/ベルリン
の壁が崩壊して/ベルリン再訪
2 子どもと絵本と私
3 スイス旅日記ー1992年9月15日〜10月4日
4 生活スケッチ
5 ルター宗教改革ゆかりの地を訪ねる旅ーその後
さまざまな特性のある、虹色のこどもたちの感じ方・考え方を理解し、仲間同士で助け合うための方法を提案します。一人ひとり異なった色であることを尊重することによって、こどもは輝き、生きやすくなっていきます。
なんでも1 番 正義のみかた……レッドくん
こころやさしい あわてんぼう……オレンジちゃん
すばやく動く 人情家……イエローちゃん
繊細な きちんとさん……グリーンくん
孤高の天才……アクアちゃん
ゆっくり おおらか……ブルーくん
甘えん坊の さみしがりや……パープルちゃん
解説
寿司漫画の金字塔「江戸前の旬」スピンオフ最新作の舞台は、回転寿司店!!美味しく、安く、そして楽しいのが回転寿司。そう信じる回転寿司チェーンの開発担当・篠崎沙羅が、お客さんが虹を見たときのようなときめきや幸福感を味わえる「虹のひとさら」を作るべく、日々奮闘する!!
第1皿 ようこそ、地獄の一丁目へ!!
第2皿 コハダとサバ
第3皿 お母さんのポテトサラダ
第4皿 クリスマス
第5皿 妻恋いなり
第6皿 出張回転寿司
今年一年、このクラスのみんなで
ゲームをしませんか?
頁を捲るたび濃度を上げる不穏、不安、不吉さ……
だからこそ、一気読み不可避。
作家・朝井リョウ氏、推薦。
柿埼先生に、手紙を書こうと思うーー中学三年になる春、山坂百音は、かつて通っていた小学校の元教員・田児あやめにそう伝えた。三年半前に起きたできごとについて、五年三組の担任だった柿埼に向け当時の思い出を綴ってゆく。「どうでしょう。今年一年、このクラスのみんなでゲームをしませんか?」柿埼の考案した奇妙なゲーム〈ニンテイ〉。それが彼らの未来を大きく左右する事を、このときは誰も予想していなかった。衝撃の傑作、待望の文庫化。
磨くほどに輝く宝石のような心を持った全盲の少女・珠輝。
人と分かり合えない孤独の中で、“未知”に指先で触れて見た世界を描き出した、自伝的小説。
ジュエリー作家・桐山勇三氏 推薦
「生まれながら一筋の明かりも無い事としっかり向き合い、
このような素晴らしい自伝を書き上げた珠輝さんの勇気と行動力に敬意を表します」
昭和二十二年、夏。丸山家に生まれた元気な女の子・珠輝は、両の眼球のない子どもだった。
“人と違うこと”で周囲の人間や親族からも理不尽な扱いを受ける子ども時代は、
彼女にとって苦難の日々だった。
しかし、輝きを決して失わない心を持つ珠輝は、いつしかかけがえのない存在に
囲まれていきーー。
強く、しなやかに生き抜く姿に心揺さぶられる、実話をもとにした物語。
大人気「虹の島のお手紙つき」の新展開!! 今回は、学園寮のダイヤモンドルームの物語。魔法の学園ユニコーン・アカデミーの授業や行事、学園寮のメンバーとの共同生活、パートナーのユニコーンにめざめる魔法など、夢いっぱい!
★★ 虹の島で起こる不思議な事件。学園寮で同じ部屋になった5人が順に主人公となり、知恵と勇気で切りぬけます! ★★
☆イギリス発! 世界25か国以上で翻訳され、アニメでも大人気の『UNICORN ACADEMY( ユニコーン・アカデミー )』シリーズが日本語版に! 日本オリジナルのアレンジやくふうもいっぱい!!
☆「ダイヤモンド編」のテーマは「友情」。個性あふれるルームメイトたちとのやりとりを通じて、自分の性格について考えると同時に、友情のヒントが見えてきます。
☆1冊ごとに主人公とイラストレーターが交代するから、同じ登場人物を毎回新鮮な気持ちで見られます! それにいろんな主人公の立場を体験できちゃう! どの巻から読み始めても楽しめます。
☆たくさんのユニコーンたちに出会えます。性格、ルックスなど、どの子もとってもキュート!
☆最後のページには封筒がとじこまれてあって、開くと主人公からのお手紙が! パートナーのユニコーンや学園寮のルームメイトからのメッセージも書かれています。
さらにお返事用の便せん封筒もついていて、感想を送ったり、主人公と「お手紙交換」体験ができちゃう!
【この巻のストーリー】
主人公は、はりきり屋さんのジュリエ。同じお部屋の仲間と校舎や敷地内を探検したり、いっしょに冒険に出かけたり、友情やチームワークをはぐくむのが夢です。
勇気を出して、みんなを誘ったり、いろんな提案をするのだけど、のってくれる子とそうでない子がいて…。
やさしくてエレガントなユニコーン、デアときずなを結んでいく様子も必見!
地球によく似た星の江戸と呼ばれる町に暮らす異母兄弟たちに7人目の兄弟が現れた!そんな彼らの助平親父の正体とは…!?
水野家の留守居役・深貝文太郎は、大規模なお手伝い普請が行われるとの情報を入手した。巨額の普請は、下手をすれば主家の破綻に繋がるーー。普請回避のため、文太郎が奔走する!
プリズムで光を分解すると、虹の詩情は消え去るか? いや違う、新たな美と驚異の世界が開かれるのだーー不朽の科学論を初文庫化
【東京創元社×カクヨム学園ミステリ大賞優秀賞受賞作】
四月の教室における、あなたの居場所について。
謎解きゲームと、友だちづくり。
ふたつの難問に向き合う一年一組の生徒たち。
誰をもひとりにしない願いの物語。
新鋭が放つ清新な学園ミステリ!
秋湊高校新入生初登校の日、一年一組全員の机のなかに、小さなカード三枚と何者かからの挑発的なメッセージが入れられていた。曰く「諸君、入学おめでとう。君たちに入学祝いを用意した。これから出題する謎をすべて解き明かすことができたら、賞品を差し上げよう」──かくして謎解きゲームの幕は上がった! 新鋭が贈る「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」優秀賞受賞作。
わたし、小5の子鹿はおばあちゃんとふたりぐらし。ある日、おばあちゃんの入院を理由に、半年間だけママと生活することに。ドキドキしながらお家へ行くと、そこにいたのはママと、見知らぬイケメン&美人すぎる4人の子ども。まさかの、わたしのきょうだいらしい。さらに、ママはお仕事で外国に行くようで、きょうだい「だけ」でくらすことになってしまいーー!? 個性豊かな4きょうだいと、ヒミツの子どもぐらし? 超ドタバタ・ハートフルコメディ第1弾!!!
旧満州に設立された満州建国大学。「五族協和」を掲げ、五つの民族の若者達がともに青春を過ごした。満州国崩壊後、卒業生はどのような戦後を送ったのか。その実態に迫るドキュメント。(解説/梯久美子)
かつて夢水清志郎&怪盗クイーンの祖先が訪ねた、はやみねかおるワールドの特異点!
陽炎村へようこそ!
わたし、野村響子。
虹北商店街に暮らす、高校一年生!
中三の冬からもう半年以上帰ってこない幼馴染みの名探偵・虹北恭助を連れ帰るため、フランスまで来ています!
恭助と再会し辿り着いた陽炎村で待ち受けていたのは、古城に住まうミリリットル家の人々と、村を古くから支配し続ける亡霊の謎!
でも今回の謎解きに、恭助は苦戦しているようでーー
「ぼくは、まだ自分の場所がわからない」
「まだぼくは、響子ちゃんに一緒にいてほしいって言えないんだ」
大切な人たちの死、がん宣告。喪失と絶望から、人はいかにして救われるのか。がん闘病の途上で、キラウエア火山やグラストンベリーの頂で、「生きている」ことの神秘に出会う連作ノンフィクション。
ラビューランド王国にやって来た、ユッコ一家。でも、楽しいはずの家族旅行が、大変なことに。噴火しそうな火山に、マックラーミ団三人組。さらに伝説のティアラを持ったヤイバアまであらわれ、ユッコたちは大ピンチ。はたして世界の未来は守られるのか。そして最後のエンゼル・ストーンの行方は?「虹色ティアラ」シリーズ、愛と勇気と友情の完結編!