高齢化、少子化の進行に伴って生産人口が減少する一方で、女性の高学歴化は進み、就業意欲も高まっている。女性の労働市場参入によって、税収は増え、家計所得が増加し、社会保障負担も減少するにもかかわらず、なぜ女性は非正規労働、補助的仕事に就かざるを得ないのか。はたらく女性をめぐる家族関係、雇用制度、社会システムをアメリカと比較しつつ検証する。福祉政策を基盤とする新しいパラダイム構築に向けた具体的提言。
本書は『精神科ケースライブラリー』の第1巻で、「精神分裂病と類縁疾患」の症例集である。この巻に収められている精神分裂病は、精神疾患の中核をなすいわゆる内因性(機能性)精神疾患で、一般人口における罹病危険率は0.8%といわれており、わが国の精神科病院の入院患者のおよそ6割を占める難病である。この疾患の概念の変遷の歴史や診断、治療、処遇については、序章で詳しい解説があるが、この病気の特徴をなすのは症状や経過の多様性にある。同じ診断名であっても、症状の組み合わせや予後はひとりひとり異なり、心理的・環境的な要因や治療によって微妙に変化する。そのような意味で、多くの治療者によって記述された数多くの精神分裂病の症例を知ることは、毎日の臨床に大きな幅と広がりをもたらすものである。
わが国国公立大学において最初に設立された静岡県立大学経営情報学部の経営・会計系を中心とした気鋭の執筆陣による意欲的書。情報化の急激な変化に対応し、現在の講義内容に最新の研究成果を加えた、学生だけでなく、研究者にとっても貴重な情報源となる一書。
社会的文化的性差がもたらす現実のなかで、女性に関する諸問題はどのようにとらえられ、解決されつつあるのか。時代・地域を超えた多角的なアプローチを試みる。
フィールドワークをもとに伝統と近代の相克の中で変わるアジア・オセアニアの女性たちを描く。
世界的な市場の飽和に直面している現代、生活のすみずみにまで「商品化」の波が押し寄せた結果として、失業、過疎、性差別、環境問題、いじめ、といった社会問題が明確に浮上している。本書はそうした市場経済の構造変化、市場社会の危機的状況を見据え、既成の理論への反省を前提に、問題の根源を市場経済システムの限界に求め分析し、社会を再生するためにいかに市場をコントロールし、社会に「埋め込んでいく」のかという課題を提起する。学術的完成度に加え、「どのように現象をとらえるか」という普遍的な問題意識を理解できるよう記述された、現代社会科学入門。
生命の不思議さ、おもしろさ、不気味さが見えてくる。老い・死・言葉・都市・文化…さまざまな生命現象をテーマに、世界的免疫学者と日本の知を代表する11人との対話。
女性の地位向上、諸権利の拡大に関連したいろいろな出来事、それらの動きを推進し、あるいは女性の名誉・名声を高めた多くの著名な女性の誕生や死去、それらの人物にまつわる事件など、神話時代を含む女性の歴史を年表形式で記述した事典。収録期間は、紀元前3500年から1996年5月まで。記載事項は、年月日・出来事の要約、出来事の説明、人物の生い立ち、事績、関連の出来事などを記した解説、女性史にまつわるエピソードを記したコラムなど。排列は、年表、資料集は年代順、神話と伝承は地域別。巻末に女性人名と事項名の索引がある。
治療論総論から分裂病モデルの試論まで、精神病理学の新しい時代にふさわしい新鮮な発想12編。
住まいとまちづくりにとって大切にしたい視点とは何か。住居学を専門とする著者が、親しみのある映画・アニメ・絵本などを題材にし、また自らのさまざまな体験を通して問いかける注目のエッセイ。
本書の第1篇では、ビジネス・ワーカーとして必要な普遍的能力の領域を掘り下げ、人間関係や共同作業を円滑にするためのビジネス・マナーに始まり、電話の応対・接遇、会議の持ち方、プレゼンテーション、ビジネス文書の書き方などを学習し、学生から社会人へとソフトランディングできるようバックアップする。また、第2篇では、ビジネス実務の普遍的領域部分に加えて、経営学の基礎知識、女性と労働、能力開発、金融・会計等に関する学習をし、ビジネス・ワーカーとしてよりブラッシュ・アップできるような構成となっている。
「宇宙は壮大なジグソーパズル。あなたはその中のユニークな一片。あなたがいなければ、今ある宇宙は完成しない。だから、あなたのユニークさを失ってはならない」ここに本書で著者の伝えたいことの核心がある。
ポスト工業化の知識社会への転換に、経済学の理論はどのように分析のメスをふるったらいいのか。いままで、マルクスの理論を長く学んできた立場からの1つのこころみとして解き明かす。
本書は、医療現場で働く人々に、睡眠に関する有用で興味深い情報を提供しています。科学的な事実を基に、コラムなどを取り入れながらわかりやすく説明しました。
本書の焦点は、セックスと政治経済の特定の関係、つまり、労働における性的分業である。それは社会の中で、性を基準としてどのように仕事が割り振られるかということである。性的分業は、単に仕事の区分だけではなく、男女に与えられる価値、地位、権力の差異でもある。それは経済的な分類であり、政治的な区分でもある。本書は、性的分業を社会生活の多様な局面や、都市や地方、家族や政府、資産取引、商業、テクノロジーというさまざまな形態において検討している。特に注意が向けられているのは、フィリピン女性の経験である。
「お金がかかる」「自由がなくなる」から子どもを産まない? 少子化対策は各視点から議論されているが,止まる兆しを見せない。本書では,もっと人の心の問題に踏み込むべきだと主張し,166名の面接調査をもとに,子どもを持ち,育てることの意味,子どもを持たない心を考察,解決策の一つを福祉心理学の構築に求める。
かわりばえのない毎日、不安だらけの将来に不満顔のあなたへ。愛も学びも仕事も手を抜かないのが本当の「いい女」。新しい「私」を発見し、イキイキ魅力的な「自分育て」をしませんか?-本書は、自分を見つめ直す自己評価表の作り方や時間に追われない朝の活用法、フレッシュな人間関係を保つ会話のコツなど、自分を豊かに演出する知恵と工夫がいっぱい。知性と感性を磨く生き方アドバイス。
消費不況脱出のためには、「女の経済」を知ることが最も大切である、と考え、とくに女性が集まる街、トレンディスポットの特徴を世代ごとにまず観察し、「女ごころ」の分析から消費のキーワードを探り当てる。エリアマーケティングと世代マーケティングをクロスオーバーさせることで、消費の傾向を明らかにしようという試みである。