満蒙の国境紛争「ノモンハン事件」に、満軍ウムボルト少尉指揮下の蒙古少年隊は、日本軍の盾として最前線に送られソ連軍最新兵器の前に苦戦する。
文明の大転換期に私たちは生きている。その混沌とした荒野で、2つの課題と対峙する。
◆近代の起源は人類史のどの地点にあるのか。
◆行きづまった現代文明をどう見極めればよいのか。
現代文明が、人類史のどのような道筋の上に築かれてきたのかを思考することは、かなり難儀なことである。その作業を過去の歴史や先人たち(ソルジェニーツィン、パステルナーク、ローレンツ、イリイチ、横井小楠など)の思想から学び、さらに独自の論を展開している渡辺京二というひとりの思想家がいる。かつて水俣病闘争を石牟礼道子とともに理論的に指導し、互いに刺激を与え合いながら思索の旅を続けている。今この文明の大転換期の中で〈近代〉の起源を探り、現代文明を見極めるための32の論考を集成。
渡辺京二が自ら、「力をこめて書いた」と語った『アーリイモダンの夢』と、「愛着があり、鮮度がいい」と評した『荒野に立つ虹』(評論集成第3巻)の2冊を合本・再編集した新編。
【1 現代文明】
山河にかたどられた人間/ローレンツの真価/アフリカという基底/世界史は成立するかーアーリイモダンの夢 他
【2 現代政治】
アジアの子から見たマルクス/ソルジェニーツィンの孤独/パステルナークの圏域/大衆の起源 他
【3 イヴァン・イリイチ】
思想は難物である/深沈たる白鳥の歌/最後のイリイチ/イリイチの眼で江戸を視る 他
【4 日本早期近代】
カオスとしての維新/小楠の道義国家像/文章家滔天の面目/漱石と明治/反乱する心情 他
間もなく、総合実技テストが始まる。実際の街中で発生する大量の模擬事件を解決するという、実践的な推理力を測る試験。推理の速さと正確さを弱点とする不実崎は、対策として詩亜達とチームを組むことに。
そんな彼らの前に現れたのは、かつて不実崎を冤罪に陥れた同級生・穂鶴黎鹿だった。試験システムをハックして高得点を獲得する穂鶴に歯噛みする面々。
さらに試験の一部は学園が用意した模擬事件ではなく「本当の事件」であることが明らかになり!?
現実と虚構が入り乱れる中、穂鶴が不実崎自身を殺人犯として告発してきて!? 「被害者の不在証明」を巡る、超絶論理の第三弾!
隅田川を望む旅籠“雪月花”には多くの客が訪れる。両親の死であとを継いだ若女将・里緒のもてなしや料理で人気の出た雪月花を、武蔵国府中の名主が訪れた。金払いもよく上機嫌で宿を出た、その名主が死体で見つかったー。雪月花を訪れた南町奉行所定町廻り同心・山川隼人とともに、若女将の里緒が事件の真相を追う!料理と謎を堪能できる新シリーズ、開幕。
本書は、ブータン王妃アシ・ドルジ・ワンモ・ワンチュック陛下の父君、ヤプ・ウギェン・ドルジが、みずからの人生を娘に語ったものである。東ヒマラヤの奥懐に抱かれた王国ブータンの、知られざる現代史とそれを彩る人生模様が、語り手の視点で生き生きと描かれている。『虹と雲』は、一家の波乱に富んだ年代記であると同時に、ブータンの文化・社会・歴史についての格好の入門書である。
絶海の南の孤島に生きる“彼”と“彼女”。その“彼”に誘われて“僕”もその島で暮らすことになる。3人はこれまでの現実社会での生活を棄て、丸裸で、自然に採れるものを食べ、“彼女”を共有し、人間とは何か、性とは何か、生とは何かを模索する。理性と狂気と幻覚が交錯する。この世は夢か現か。3人の男女が行きつく先は…?第2回丸山健二文学賞受賞作品。
小学六年生の速人、潤子、強士の三人は逆境にも負けず、どんなときも、懸命に走っていた。
そんな三人をいつも見守っていた光々寺の住職さんは、三人を「さるすべりランナーズ」と名付ける。
ある日、強士は唯一の肉親である母親を亡くし、ひとり、施設へ入ることになり、強士は、速人と潤子と離れ離れになってしまう。
三人は再び夏に光々寺に集まり、一緒に走ることを約束する……。
強士が施設で出会った蓮、洋一郎、奏太、ひなが仲間に加わり、七人となった「さるすべりランナーズ」は、「虹のランナーズ」として、苦しいときも、悲しいときも、まばゆい光りかがやく七色の道を走り続けていくことを誓う。
母親との死別、両親の離婚による環境の変化やいじめ、親の虐待、災害によって家族を亡くすなど、それぞれが様々な困難な状況にもめげずに、お互いを励まし合い、ひたむきに走り続ける速人たちの姿に、勇気と生きる希望がもらえる青春物語。
8年の時を経て再会したルーマとイリア。
アズリーのいる”魔法使いの村”を訪れた二人は、世界から”イロ”が失われた真相へと辿り着く。
”イロ”を取り戻すため、そしてお互いの夢のために、ルーマとイリアは二人でルドルデニアへと旅立ち…。
2025年9月刊
虹は見る者の立場によってどのようにでも見える。ものの見方を文科と理科とに分けるとするならば、虹ほどその両面を合わせもつ現象は少ない。文科と理科とをむすぶ架け橋ともいえるだろう。本書は、虹を通して見たひとつの文化史の試みであり、虹の科学的研究史とその到達点を述べた書である。
身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は決して許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深淵を抉る長編ミステリー。
火事に見舞われて死んでしまった春吉は、妹のおはなが気掛かりで成仏できないでいた。妹が奉公先の若旦那に悪さをされそうだからだ。事情を知った同じ幽霊の志保は、弟の定町廻り同心樫原七之助に、おはなを助けるように頼むのだが…(「雲雀鳴く」)。新月の深夜、組屋敷への帰り道で七之助は黒ずくめの一団に襲われる。志保の協力でかろうじて退けるが、彼らの目的は七之助が検死した死体の印篭に隠された文だった。それはある藩の行く末を左右するのだが…(「紫陽花の庭」)。独り立ちした若き同心の活躍に、姉の霊はついに成仏できるか。人気シリーズいよいよ完結!
この間著者は、賞受賞、師匠で結社主宰であった母の急逝、これに伴う主宰継承など、激動の日々を過ごした。結社の作句信条の「自然を讃えること、日本語を磨くこと、伝統と現在性の調和」に根ざした一集となった。
誰もが彼女を狙っているーー。
大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。ばらまかれる怪文書、謎の猥褻画、五転六転する議論の応酬。いったい、あの「密室」で何が起こったのか?
連城三紀彦“最後の未刊長篇”を初書籍化。さらに、連載時(「週刊大衆」2002〜2003年。全36回)に著者が毎回描き下ろした自筆挿画(全72点)を完全収録。本文と連動した挿画にによる著者ならではの企みに満ちた「仕掛け」にも注目いただきたい、ファン必携の愛蔵本。
第一章 落ちていく女
第二章 肉体の迷宮
第三章 にがい蜜 甘い血
第四章 光と影の共謀
第五章 黒い空白
解説 千街晶之
宇宙から降ってきた一滴のしずくが虹になるまでの絵本。