被害者の過酷な現実を知り
二度嘆き、三度怒りに震える。
2021年、くり返される緊急事態宣言ーー。
全国に拡大する感染症との対時も余儀なくされた
交通事故被害者たちに寄り添った、取材ルポ。
コロナ禍で埋もれた事実に、
強く、真っ直ぐ、光を当てる。
【待望の書籍化】
Yahoo! ニュースエキスパートで配信された
著者の注目記事を1冊にまとめました!
《本文より》
◆「交通禍」
国は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)をくいとめるため、さまざまな対策を講じながら懸命に取り組んできた。しかし、その一方で、これまで多くの人の命と健康を奪い、その家族の人生を狂わせてきた「交通禍」への対策はどうだっただろうか。
今日も、全国各地で交通事故が発生し、人が亡くなり、重い障害が残るような重傷を負う人たちが新たに生まれている。
2021年、新型コロナウイルスの感染者数や死者数が毎日更新され、緊急事態宣言が発出されるたびに、私は交通事故被害者とその家族が置き去りにされているような気がしてならなかった。
【序章より抜粋】
◆時効のアンバランス
「私たちは息子が被害に遭うまで、ひき逃げに7年という時効があることなどまったく知りませんでした。どうしてひき逃げの時効が、過失で事故を起こした行為より時効が3年も早く来てしまうのでしょうか。実際に遺族の立場になってはじめて、日本の法律はおかしいことに気づかされたんです」
平野さんの話を聞きながら、はっとした。
ひき逃げ死亡事件が発生した場合、加害者には「事故を起こしたこと」「被害者を救護せずに逃げたこと」というふたつの罪が適用される。ところが時効に関しては、次のようにそれぞれにその期間が異なっているのだ。
自動車運転処罰法違反(過失致死)罪→時効10年
道路交通法違反(救護義務違反)→時効7年
事故後、すぐに救護すれば助かるかもしれない命をそのまま放置して逃げ去る『ひき逃げ』は、事故を起こしたあとに自らの意識で行う悪質な行為だ。すでに殺人罪の時効は撤廃されているが、死亡ひき逃げ事件となにが違うのだろう。私は平野さんの訴えを聞きながら、ふたつの罪における時効のアンバランスに大きな疑問を抱くようになった。
【第1章より抜粋】
◆「あした」という日
『今日福いのおじいちゃんとおばあちゃんの家に行きました。
福いのおじいちゃんとおばあちゃんのペットの犬と遊びました。
次に宿題をお父さんとやりました。
終わるころに、いとこがきました。
カードゲームをしました。
次にゲームをした後、いとことドッチボールをしました。
あしたはもっと楽しくなるといいです。』
心誠くんが記した最後の1行『あしたはもっと楽しくなるといいです』……、そこには、担任の先生によって赤色の棒線が引かれ、“はなマル”もつけられている。先生は、この日記の左端に、スマイルマークを添え、こんなメッセージを寄せていた。
『僕もほんとは、あなたの元気な顔が見たいです。それはみんな一緒。みんなあなたのことを想っているからね。いままでも、これからも、ずっとずっと、大好きだよ。』
9歳の彼は、「あした」という日に、どんな楽しい夢を描いていたのだろう。
この日記帳にその出来事が綴られることは、永遠にないのだ。
【第9章より抜粋】
《もくじ》
序 章 コロナ禍と交通禍
第1章 旅行券
第2章 パパの声
第3章 異国の地
第4章 鉄腕アトム
第5章 20年目の桜
第6章 補聴器
第7章 オリンピック
第8章 N95マスク
第9章 日記帳
第10章 贖罪とは
第11章 真冬の虹
あとがき
《著者プロフィール》
柳原三佳
(やなぎはら・みか)
ジャーナリスト・ノンフィクション作家。
交通事故、司法問題、歴史等を主なテーマに各誌に執筆。著書に『自動車保険の落とし穴』(朝日新聞出版)、『開成を作った男 佐野鼎』『柴犬マイちゃんへの手紙〜無謀運転でふたりの男の子を失った家族と愛犬の物語』『コレラを防いだ男 関寛斉』『私は虐待していない 検証 揺さぶられっこ症候群』『泥だらけのカルテ 家族のもとに遺体を帰し続ける歯科医が見たものは』(いずれも講談社)、『巻子の言霊ー尊厳ある死を見つめた夫婦の物語』(デザインエッグ社)、『示談交渉人裏ファイル1、2』(角川書店)など多数。
ジェンダー、セクシュアリティの現在を問う画期的アンソロジー!映画に描かれたレズビアン・ゲイ・クィア・イメージを読み解く。
1:虹の木
子どもたちに伝えたい「ありがとうの魔法」。「いちばん大事なことはね、目の前で困っている人に、親切にしてあげることだよ。そして『ありがとう』って言ってもらえたなら、その言葉は、ステキな魔法の呪文になるからね」。心暖まる物語で出版された小説のほとんどが映画化される人気小説家、森沢明夫作の絵本。映画「虹の岬の喫茶店」「大事なことほど小声でささやく」の劇中にも登場する〈ミミっちの絵本〉が新装版で復刊。虹のかかる森に住むパンダ模様の泣き虫うさぎのミミっちが、毒キノコを食べて瀕死の重症になった大好きなおばあちゃんを助けるために、暗くて怖い嵐の谷まで薬草を取りにいく冒険物語。その道中で、オオカミに襲われているクマとサル、ネズミに出会い、勇気を振り絞って助けるミミっち……。そして、「ありがとうの魔法」が泣き虫ミミっちを応援してくれます。絵は、美人画の第一人者として海外でも評価が高い加藤美紀との最強タッグ。
広大なアイザリアへと舞台を広げ、戦争と平和、心の強さと弱さを描く。
北大西洋の極北に浮かぶ火山とヨーロッパ最大の氷河のある国。北国岩手県に生まれ、1969年、単身でアイスランドに渡り、今日まで首都レイキャヴィークに暮らす著者が綴る、氷・日両国にまつわる21の物語。
1:空に歌えば
2:道
3:元気になっちゃう
4:雨
5:お母さん
6:七色の音
7:虹の向こうへ
8:■詩
才なき奴隷兵から虎威の大将軍へと這い上がり、戦人は天地へ叛逆する。
「負けても死んでも認められんくても、自分らしく生きんと悔いまくって禿げてしまうよ?」
剣戟と戦略、異能のせめぐ戦国の世。
14歳の碧(みどり)は幼くして朝廷により家族と村を奪われ、誰にも甘えられずに放浪してきた。食べるために戦った。限界だった。だが自分よりも熾烈な境遇を闘い抜き、最高位の武士となった義虎(よしとら)を知って奮起し、その旗下へ入隊する。
国境の戦場で。しかも敗戦し落ち延びる。
しかし《戦と謀(はかりごと)の鬼》を自称する義虎は、碧の宿命を看破した。
「かつて英雄《雷神》《風神》は《民が平和で自由な世》を志した。信念を違える朝廷に討ち取られた……君は風神の血を継いどる。義虎は雷神の業(わざ)を継いどる。そして朝廷は君が生きとると見抜きながら義虎と合流するを許した……もし闘いたくなったら、とことん付き合うよ」
ここに、朝廷という人間社会へ牙をむく宿命と革命が動き出す。
叛逆への道は長い。目の前にいる外敵へ手こずっている場合ではない。だが戦の天才たる敵将・孫悟空へ対し、非才の義虎はこれまで一度も勝てていない。
宇宙、四神、六道……神々の競演するような異能が爆ぜるなかで接近戦しかできず、心を捨て修羅の場数を重ねに重ね、圧倒的な戦闘力、超人的な洞察力、絶対的な精神力を叩き上げた義虎は、この窮地を跳ねのけられるのか⁉ 碧は戦と謀を学んで強くなれるのか⁉
「トラになら甘えれる!」
そして碧ら教え子をもった義虎は、唐突に宝石の授業をしたり、ぼろ屋敷を壊され断罪の寸劇をしたり、初めて見るケーキの宴に乱舞したりと景色が変わるなかで、捨てて久しい人間らしい心を取り戻していく……。
これは、陰謀と因縁の渦巻く列強諸国に命を狙われながら、己の限界を遥かに凌駕する灼熱の《猿虎合戦》や《高句麗独立戦争》、《エジムト七国大戦》へ咆哮し力を磨き、来るべき叛逆の日を信じて暗躍し、時代の猛威を斬り伏せていく大河戦記である。
心に消えない虹を描いて、大人になっていく両親からの過度な期待、離婚、コンプレックス、それぞれどんな悩みを抱いているかは、クラスメイトであっても知ることはない。五年二組という社会で生きる子どもたちの心の成長と、絆を描いた物語。
[商品について]
ー言葉ではなく、心で語り合う日々-
手の平に乗るほど小さかった子猫の「ネコさん」は、1歳のときに事故で背骨と後ろ足を骨折し、後ろ足の自由を奪われた。何度かの手術を経て、前足の力だけで何とか歩けるようになったものの、自力での排泄はできない「ネコさん」。1日に何度も強制的に排泄を促し、オムツを交換する日々は、単純な作業であっても決して楽な作業ではなかった。仕事の疲労、世話疲れからふと漏らしてしまった、言ってはいけない「一言」に、「ネコさん」はすぐさま反応するーー。
オムツを履きながら精いっぱい生き抜いたネコと家族の、16年間の命の絆の物語。
「目次]
プロローグ
一 新しい家族
二 事故?
三 オムツをはいたネコ
四 後ろ足が!
五 ネコさん階段を登る
六 安楽死?
七 オムツさえ替えれば
八 尋ねネコ
九 ネコの涙
十 ペットと子供
十一 ネコからのメッセージ
十二 拾い猫クーチャンの物語
十三 オムツがいらなくなった日
十四 子供たちへ
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
犬や猫を飼ったことのある方であれば、彼らが想像以上に人の心を理解する生きものであると実感されたこともあるでしょう。それは飼い主の「思い込み」ではなく、生き物同士が共に暮らすことで生まれる共感に近い感覚である様に思います。「ネコさん」と飼い主の間にどの様な「共感」が生まれたのか、ぜひ本書をご覧になって確かめていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
佐久間 良一(さくま・りょういち)
福島県生まれ。
その後、14歳まで東京都、神奈川県で過ごす。
北海道工業大学卒業後、建築設備の会社を経て、現在、(有)アクアサービス代表。
趣味は、落語鑑賞、音楽鑑賞、バイクツーリング(主宰する「なかよしライダーズ」の名誉顧問は柳家小三治師匠)。
エンタメ情報誌『グラビアプレス』Vol.12
今号のW表紙を飾るのは、今泉佑唯さんと、伊藤虹々美さん・熊崎晴香さん・坂本真凛さん・野村実代さん・佐藤佳穂さん・河村優愛さん・中坂美祐さん・森本くるみさん(SKE48)。
2025年に芸能活動を再開した今泉さん。今大切にしているものや、変わったこと・変わらない想いについてのインタビューを通じて、今泉さんの「本音」に迫りました。決意を感じさせる凛としたドレス姿は必見です。
SKE48の8名の皆さんには、9月にリリース予定の35thシングル『Karma』の聴きどころや、新チームとなって初めてのツアーに対する思いをインタビュー。まだ誰にも話していない、ファンへの「こっそりエピソード」も聞いてみました。
今号は特別企画『密着!Tokyo Idol Festival 2025』を掲載!グラビアプレス編集部がTokyo Idol Festivalに参加し、いくつかのグループにインタビューしてきました。ライブレポとあわせてお届けします。
【インタビュー】僕が見たかった青空、高嶺のなでしこ、22/7、ラフ×ラフ
【ライブレポ】僕が見たかった青空、高嶺のなでしこ、22/7、ラフ×ラフ、ファントムシータ
誌面には、蟹沢萌子さん(≠ME)と小泉萌香さんが登場。9月に上演開始予定の舞台『賭ケグルイ』への意気込みや、おふたりの関係性について伺いました。
「僕が見たかった青空」と「高嶺のなでしこ」の皆さんは、TIF特集に加えて、単独でも誌面を飾ってくれています。「僕が見たかった青空」からは岩本理瑚さん・金澤亜美さん・杉浦英恋さん・西森杏弥さん・八木仁愛さんが、8月にリリースしたばかりの6thシングル『視線のラブレター』について語ってくれました。「高嶺のなでしこ」の皆さんは、5月に配信したシングル『アイドル衣装』について、とびきりキュートな笑顔で教えてくれています。
7月にフルアルバムをリリースした「東京女子流」の皆さんも、満を持して誌面に初登場。来年3月の解散を前に、それぞれの思いをインタビューしました。最後の出演となったTIFのミニレポートもお届けします。
前々号から引き続き、「グラビアプレスデジタル写真集」出演者にインタビュー。今号は、椿野ゆうこさん(ひめもすオーケストラ)に撮影の裏側などを伺いました。7月に2nd写真集を発売した熊澤風花さん(Task have Fun)へのインタビューも掲載しています。
毎号好評の「ROKUSAN ANGEL」。「真夏のROKUSAN ANGEL × Super Spark Tokyo」をテーマに、Izumiさん・Mitsuriさん・Anriさん・Yukaさん(ROKUSAN ANGEL)、SERINAさん(Super Spark Tokyo)が、さわやか&キュートな水着姿を披露してくれました。
今号も見応えたっぷりの1冊となっております。
ぜひ『グラビアプレス Vol.12』をお楽しみください。