女人禁制はなぜ生まれたのか。古来より山岳寺院や修験の山々は女性の参拝や修行を拒否してきた。今では女性差別とも見られる女人禁制を支えた思想背景を仏教教義や伝承に探りながら、日本人の穢れの観念を捉え直す。
第一次大戦後の「新世界秩序」の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を図り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げた。しかし各国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小が重なり挫折、中国・アジアに経済発展の活路を求める。だが、それは広域経済圏という名のブロック経済構想となり、満州事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。本書では、幣原喜重郎、松岡洋右、有田八郎らがなぜ「経済外交」の限界を読み切れず、大東亜戦争に至ったか、その外交戦略の失敗を検証する。
教養の危機、教育の荒廃が叫ばれる今こそ読み直されるべき永井道雄の高等教育論集。
家族とは何か。混迷する家族問題と新たな家族像に迫る。
中世後期の室町幕府ー守護体制は、中央権門=幕府と地域権力=守護が、相互に補完し合い成立していた。室町期から戦国期へと武家権力はいかに変わっていったのか。権力構造と秩序の実態を解明し、歴史的意義を探る。
倭の大和王権は列島各地に支配を広げ、やがて東アジアの国際政治に参入する。継体・欽明朝までの王権と朝鮮・中国との対比、対外関係を解明。列島各地の社会構造や文化の特色、渡来人にもふれ、古墳時代の実像に迫る。
欧米列強の脅威の中で発展した日本海軍は、日清・日露戦争の難局を乗り越え、世界三大海軍国の地位を築く。なぜそれが可能であったのか。東郷平八郎、山本五十六ら提督の戦略に着目し、日本海軍興亡史を解き明かす。
源氏物語は当時の貴族社会の実状に準拠して書かれた。そこに描かれた婚姻制度や住宅から、貴族社会の実像を読み解く。また、物語が生まれた文化史的背景と、女流文学が主張する主体性確保を求めた平安女性の姿を描く。
古代から現代まで、各時代の家族の問題とは。時代を映す、さまざまな家族のかたちを探る。
東アジアの大変動期である5・6世紀、朝鮮半島から大量の渡来人が日本列島に移住してきた。畿内の有力豪族はなぜ彼らと結び付こうとしたのか。渡来系技術者の掌握をめぐる諸豪族の動向を探り、大和政権の実態に迫る。
律令国家とはどのようなものだったのか。東アジアなどとの交流の中で天皇や貴族が取組んだ政治、古代都市「平城京」や地方社会に生きた人々、仏教・美術・文学と国家との関わりなど、奈良時代の全体像を明らかにする。
親族は家族にいかなる役割を果してきたのか。墓と祖先祭祀、系譜の変遷にその意味を問う。
宮廷を支えた摂関政治とはどのようなものか。藤原氏の全盛から衰退まで、貴族社会を解明する。武士の形成、都市と農村の文化交流、女性の役割、東アジア世界の動向にも説き及び、華麗な王朝文化の背景とその特質に迫る。
王権の分裂と地域社会の変動のなか、院政期という新たな時代が幕を上げる。だが、やがて、上皇と摂関家、源氏と平氏などの権力闘争は、巨大な内乱を引き起こしていった。多彩な面から中世への一大転換期を描き出す。
中世の寺院はどのような構造を持ち、社会に対応してきたのか。寺院体制と信仰儀礼、教団と社会とのかかわりを究明する。寺院勢力や僧団、信仰集団の生活と動向、教団の展開などを照射した意欲的論考十四編を収める。
次から次へと話題作を生み出すアトリエ事務所を直撃!あなたが気になっている建築家は、どんな人なんだろう?どうして建築家になったのか?どんなことに悩み、どんな生活をしているんだろう?これから建築家になりたい人・今から建築家に設計を依頼する人、必読の書。
財産分割と家の存続はどう変わってきたのか。各時代における相続法とその実態。
ルネサンス期のモンテーニュ、啓蒙主義の世紀のルソー、フランス革命前後のコンスタンー偉大なユマニストたちの思想の系譜を詳細に検討しつつ人間主義の思想のモデルを再構築し、崩壊に瀕した人間のモラルと民主主義の原理を問う。