ウィリアムズ最大の武器は音色の美しさ、見事なタッチによる輝くばかりのトーンはセゴビアに勝るとも劣らない。その美質は、おおらかな音楽性・揺るぎのない技巧と共に聴くものを魅了せずにおかない。バードの組曲が実にサマになっているのも彼ならでは。
ゴスペル界の大スター。作品数も膨大で、興味はあってもどれを買えばいいのかわからなかった人も多いと思うが、50〜60年代の録音36曲を収録した本作は決定版と呼ぶに相応しい。彼女の歌は、信仰のためのゴスペルを超えて、信仰を含んだ魂の叫びだ。
特撮モノの映画音楽作家として真っ先に思い浮かぶのが伊福部昭の名前。これまでの“全集”の続編として企画されたシリーズ、コレは日活編。“らしい”サウンドと“らしからぬ”サウンドが同居した、間口の広く奥も深いその音楽世界に思わず最敬礼。文字資料も充実。
類稀なメロディ・メイカーと歌ごころある絶妙なトリオが生み出した珠玉のアルバム。ピアニストのアンディ・エズリンを中心としたトリオがジャジィに表現してみせる。中島みゆきの曲がどのような姿に変身しているのか。まさにジャズの入門編として最適。
モダン・フォークの雄PPMのセカンド・アルバムで、63年に発表された。同年夏の大ヒット(5)や日本で大いに受けた(2)、シング・アウトの定番(6)など、今聴いても実にモダンなサウンドなのです。彼らの魅力を一言でいうなら“陽気な知性”だろうか。
子供時代から“おもろい子”と注目されていた雀々も、枝雀に入門して20年。師匠、枝雀譲りの口調での勘違い噺「手水迴し」では枕に横山ノック大阪府知事を真似てエピソードを聞かせる。「舟弁慶」の主人公の女房“お松”の傍若無人な快速お喋りは見事。
桂枝雀の弟子、三代目雀三郎の独演会を収録。裸に墨を塗って服を着たように見せたりする「貧乏花見」は東京では「長屋の花見」となる噺。「夢の革財布」は「芝浜」を上方化したもの。ところで、彼が洒落で吹き込んだCD『ヨーデル食べ放題』が話題です。
師匠・枝雀ゆずりの軽妙なしゃべりで、タレントとしても活躍中の雀々が、得意ネタのひとつ「仔猫」を披露。師匠同様、身振り・手振りの大きな彼の噺ぶりが目に浮かんでくるようである。
山下和仁の新録音は91年以来久しぶり。オリジナルあり、編曲ものあり、バラエティに富む選曲。1曲1曲が独創的で、ギターの扱いもそれぞれ異なる。山下は手際よく見事に弾き分けていて、この楽器の奥の深さを見せてくれる。