「年越し派遣村」は非正規労働とワーキングプアとが背中合わせにあることを明らかにした。同じ深刻な「貧困問題」を抱える韓国などとの比較を通じて、多様な労働者を包み込む社会制度の確立のための道を、豊富なデータと取材から探究する。
年間4万種の生物が地球上から絶滅している。北極から南極まで世界各地を取材した生物ジャーナリストが、人間による環境破壊とその人間との共存に苦悩する野生動物たちの実像に迫る。
19世紀後半から20世紀前半にかけて、ケンブリッジで展開された市場社会論=資本主義を総合的に検討し、今日の世界的経済危機も見据えながら新しい経済学のあり方に挑む。
序 (平井俊顕)
第1部 体系的構想と学的闘い
第1章 シジウィック──実践哲学としての倫理学・経済学・政治学 (中井大介)
第2章 マーシャル──「人間の成長」と経済発展 (西岡幹雄)
第3章 フォクスウェルとカニンガム──「歴史主義」による内部的抵抗 (門脇覚)
第2部 資本主義と国際システム
第4章 ピグー──資本主義と民主主義 (本郷亮)
第5章 ホートリー──未刊の著『正しい政策』考 (平井俊顕)
第6章 ケインズ──帝国の防衛と国際システムの設計 (平井俊顕)
第3部 産業と2大階級
第7章 マグレガーとロバートソン──産業統治論 (下平裕之)
第8章 レイトン──労働者論 (近藤真司)
第9章 ラヴィントン──企業家の規範 (小峯敦)
第4部 影響と対抗
第10章 ムーアとその周辺──哲学的影響 (桑原光一郎)
第11章 ドッブとスラッファ──マルクス・古典派体系の再燃 (塚本恭章)
第12章 ロビンズ・サークル ──自由主義陣営からの反撃 (木村雄一)
第13章 制度派とケンブリッジの経済学者──2つの「学派」を結ぶもの (佐藤方宣)
終 章 ケンブリッジの市場社会論 ──展望的描写 (平井俊顕)
索 引
アメリカ・イギリス型市場経済対ドイツ・日本型市場経済の二項対立からは見えてこない「資本主義の多様性(ヴァラエティ・オブ・キャピタリズム)」を解明する。来るべき時代の労使関係論。
水の構造と性質、自然・人工の機能水、水を利用した今後の技術。わたしたちの体と生活に欠かせない水を解説。
理論と豊富な実践を1冊にまとめた野生生物保全教育にとりくむ教育者・指導者・学生、必携の書。
「生物多様性」をキーワードに、各界の識者・文化人の声を収録。
本書は、多様化したとされる現在の日本語教育について、これまでに気が付かなかったような「文脈」はなかったかを問い直すことと同時に、将来の日本語教育が構築すべき文字通り「新たな文脈」を探ることを目的に掲げています。
「私たちはみなミュータントなのだ。ただその程度が、人によって違うだけなのだ」ヒトの変異をめぐる歴史と科学を織り合わせた艶やかな語りで読者を魅了する。
比較流通分析への挑戦。グローバル化の急速な進展のなかで、国際流通・マーケティングの動向も大きく変わり、新たな理論的枠組みと実態分析が模索されている。これまでの研究蓄積を踏まえ、日・欧・米のグローバル流通の国際比較の方法と実証分析を体系的に展開し、流通グローバル化の共通性と多様性を解明。
本書は、11人の蚊類の研究者が人畜の有害蚊だけでなくいろいろな種類の蚊の生態について、日頃の観察結果を自由に平易な文章で記述・解説している。
有明海には、日本最大の干満差と日本の干潟の40%にあたる広大な面積の干潟がある。そこは、きわめて高い生物生産力をもつとともに、日本の他の海域では見られない特産生物の宝庫でもある。しかし、その価値はまだまだ社会に知られていない。泥の干潟やそれに続く浅い海、あるいは潮汐の影響を受ける河川下流部がどれほど豊かで大切な場所なのか、そしてその保全がいかにさしせまった課題なのか。この一見地味な世界に光を当てるために、様々な分野の21人の研究者が結集した。本書は、日本最大の干潟・河口域を有する有明海の生物相に焦点を当てたものである。
日本の新聞などでは、「エコロジー」を生態学ではなく、「環境保全」の意味で用いる。それは「生態学」そのものではないかのようである。しかし、生態学ぬきの環境保全はありえない。生態系の成り立ちを理解すること無くして、自然を守ることはできない。人間が生態系に及ぼす影響を探り、自然を守る手段を考えるだけが、本来の環境学ではない。他方、人間は環境から大いなる恩恵を受けてきた。農林水産学は、まさに人間が生物の恵みをいかに利用するかを考える科学であった。単に生態系を守るだけではなく、生態系の恵みをいかに後世の人々に残していくかを考えることが必要である。人間と生物(生きざまと死にざま、その全体としての生態系)の双方向の関係をともに考える科学が必要である。それが、本書で提唱する環境生態学である。環境生態学は、まだ生まれたばかりの科学である。抽象的な議論ではなく、現在直面しているさまざまな問題を例に取り上げ、その答えを見いだして行きたい。
我々は、如何に生き延びるべきか…社会主義制度崩壊の後、苦悩する日・米・欧先進資本主義諸国、その動態を世界史的視野から比較分析、各国の選択の行方を探る。現代最高レベルの政治経済学者による、先端的総合研究。
ニホンザルと日本の自然が人間の営みとどのように関わりあいがあるのかを解く。