六一八年、李淵(高祖)が隋末の争乱の中から、唐を建国。太宗、高宗の時代に突厥・高句麗を破り、最盛期を築く。武則天、玄宗の治世は国際色豊かな文化を生み、大帝国の偉容をほこった。安史の乱以降は宦官支配や政争により混乱し、遊牧勢力と流賊の反乱に圧され、九〇七年に滅亡した。本書では、歴代皇帝の事績を軸に、対外戦争、経済、社会制度、宮廷内の権謀術数を活写。東ユーラシア帝国二九〇年の興亡を巨細に描く。
奈良時代、光明皇后が聖武天皇遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに始まる正倉院宝物。落雷や台風、源平合戦や戦国時代の兵火、織田信長やGHQなど時の権力者による開扉要求といった、数多くの危機を乗り越えてきた。古墳など土中から出土したのではなく、人々の手で保管されてきた伝世品は世界的にも珍しい。千三百年近くにわたり宝物を守り伝えてきた正倉院の営みを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて紹介する。
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へー六百年の歴史を通観する。
おばけたちと一緒にけんこうしんだん!?おばけの体重はやっぱり0!?
バロック時代のバッハ、古典派のモーツァルト、ロマン派の幕を開けたベートーヴェン…音楽史を少しでも習ったことがある人には馴染みのある時代区分や作曲家の名前。肖像画とセットで思い浮かべる人や、「伝記を読んだことがある!」という人も多いはず。けれど、よく見ると“音楽史”には日本史や世界史ではありえない、おかしな点がたくさんあるのです。どうしてこうなった?そして、音楽史はこれからどう書かれるのか?本書では過去から現在までの「音楽史の書かれ方」を振り返り、新たな視点でアップデートし続ける音楽史の最前線をご案内します。
「人口世界一」「IT大国」として注目され、西側と価値観を共有する「最大の民主主義国」とも礼賛されるインド。実は、事情通ほど「これほど食えない国はない」と不信感が強い。ロシアと西側との間でふらつき、カーストなど人権を侵害し、自由を弾圧する国を本当に信用していいのか?あまり報じられない陰の部分にメスを入れつつ、キレイ事抜きの実像を検証する。この「厄介な国」とどう付き合うべきか、専門家が前提から問い直す労作。
サバトの夜にいけにえの赤子が捧げられる…。誰もが知る伝承に隠された、恐ろしい真実とは?稀代の語り手が贈る、21の「怖い話」。
法改正により、男性育児の環境は大きく変化している。育児と仕事の両立や、孤立といった問題が解決されないままの「育休推進」は、「取るだけ育休」などで母親を困らせるだけではなく、父親自身を「産後うつ」としても追い込むなどの問題を引き起こしている。産業医・産婦人科医として「孤立する父親」と向き合ってきた著者が、「イクメン」からの男性育児・育休の問題点、今後解決すべき社会課題を「父親3.0」として提言する
労働保険に関しては、保険料の申告・納付や保険給付請求など、一定の事務手続が必要で、特に6月には労働保険の年度更新の準備と申告・納付をしなければなりません。
ペリー来航などの「西洋の衝撃」を受け、1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、勝海舟らによる咸臨丸の太平洋横断航海、幕長戦争などを経て近代海軍として成長してゆく。鳥羽・伏見の戦いにより徳川政権は瓦解し、五稜郭で抵抗を続けた榎本武揚らも敗れて歴史的役割を終えるが、人材や構想などの遺産は明治海軍へと引き継がれた。歴史研究者・現役海上自衛官の二つの顔を持つ筆者が、歴史と軍事の両面から描く。
私たちは製品やサービスを消費して豊かな生活を享受する一方で、気候変動や廃棄物汚染、生態系破壊など多くの環境問題に直面している。経済活動と環境保全は相反する関係にあるが、バランスのよい最適解はどこにあるのか?本書は経済学の基礎理論を押さえ、それを環境問題に応用して望ましい政策を検討する。旧版にカーボンプライシングなど最新テーマを大幅加筆して、豊かな環境を引き継ぐための制度設計を提示する。
ここ30年間に不登校といじめの報告件数は、小学生で5.2倍と46倍、中学生で2.5倍と6倍に。特別支援教育対象は、15年間に小中学生ともに3倍近い。少子化にかかわらずだ。本書は深刻な混迷の中にある日本社会と教育の歴史を辿る。なぜここまで行き詰まったのかー。貧困、日教組、財界主導、校内暴力、政治介入、いじめ、学級崩壊、発達障害の激増など、各時代の問題を描きつつ、現在と未来の教育を考える手掛かりとする。
近代国家への道を歩み出した明治日本。国家の「知」を支えるべく政府によって帝国図書館が設立された。しかし、その道のりは多難であった。「東洋一」を目指すも、慢性的な予算不足で書庫も閲覧室も狭く、資料は溢れ、利用者は行列をなした。関東大震災では被災者の受け入れに奮闘。戦時には所蔵資料の疎開に苦しんだ。本書は、その前身の書籍館から一九四九年に国立国会図書館へ統合されるまでの八〇年の歴史を活写する。
古代に軍事国家だったチベットはインド仏教を受容、12世紀には仏教界が世俗に君臨する社会となった。17世紀に成立したダライ・ラマ政権はモンゴル人や満洲人の帰依を受け、チベットは聖地として繁栄する。だが1950年、人民解放軍のラサ侵攻により独立を失い、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。チベットはこれからどうなるのか?1400年の歴史を辿り、世界で尊敬の念を集めるチベット仏教と文化の未来を考える。
映画館にはさまざまな物語を持った、さまざまな人が居合わせる。映画という物語を体験するために。これはひとつの映画館から伸びた、過去と未来と、虚構の物語。虚構侵蝕を掘り下げる全4話のキャンペーンシナリオと、第1回シナリオコンテスト受賞作品を作家陣がリメイクした3作品、計7本のシナリオを収録した『虚構侵蝕TRPG』初のシナリオ集!
労働保険とは、労働者の業務上の負傷、疾病等に対して迅速な補償を行う『労災保険』と、労働者が失業した場合にその生活の安定を図るための『雇用保険』の総称であり、この労働保険制度は、企業経営者にとっても、労働者の福祉の向上を図ることによって企業経営をより円滑に進めるための重要な役割を果たしています。本書は、労働保険の事務担当者ならびに関係者のために、労働保険制度の仕組み及び運用等の要点を、問答形式で解説し、さらに各様式ごとに記載例を付して、実際に労働保険の申告事務等を行う場合の諸手続きをできるかぎりわかりやすく編集してあります。