全部「チューブ」の本。4人の思いが込められた、デビュー10年目の記念の一冊。
これぞ傑作。個性的な女たち、奇妙な男たちを描いて天下一品。この物語の森には、愛も悲しみも、そして怒りも、すべて笑いとともにある。小説を読む喜びにあふれたとびきりの作品集。
どこか懐かしいハモニカの音色を耳にした星子。あのメロディは…まさか、圭一さん。圭一そっくりの人影を目撃して動揺する星子だが、圭一はずっと前に星子をかばって凶弾に倒れ、帰らぬ人となっている。生きて再び星子の前に現れるはずはない。しかしタケルから『立川圭一は実は生きている』と聞いた星子は、圭一らしき人物を追って、思い出の“北斗星”に乗り、雪の北海道へ。